全身麻酔で親知らずを3本抜いた話
少し前の話になりますが、2泊3日入院し、全身麻酔で親知らずを3本抜きました。
大分擦られてきた話だと思いますが、なかなか面白い経験だったので記録しておきます。
なぜ全身麻酔で抜くことになったか
かかりつけの歯医者さんを受診したところ、親知らず3本が真横に埋まって生えており、放置すると歯並びの悪化や虫歯の原因になるため、早めに抜いたほうが良いとのこと。
歯の神経が顎の神経に触れており、術中に動いてしまうと顎の神経を傷つけ、麻痺が残る可能性があったため、総合病院にて全身麻酔での抜歯となった。歯茎をめくり、歯を砕き割り、また歯茎を縫い合わせるらしい。
親知らずがある、というのもこの時が初耳だったし、しかも全身麻酔で一気に3本抜歯と聞き正直かなり戸惑った。
しかし全身麻酔で抜歯というのは割とよくあることみたいで、先人たちのnoteを読み漁り、なんとか腹をくくった。
術前検査
CT検査、レントゲン、採血、採尿、心電図、PCR検査などを何日かに分けて行う。平日ちょこちょこ休み取るのめんどくせえ~
CTって高え〜PCR痛え〜
この病院は採血が上手
入院1日目
1日目はなんと何もすることが無く食って寝るだけ。Chu!健康でごめん病床埋めちゃってごめん
10:00
部屋に案内されて入院の説明を受けるがルールが多くて覚えられない。
5人部屋だけど自分ともう1人しかいない。
もう1人の女の子は全身麻酔の手術明けでかなり苦しそうだった、怖いゅ><
パジャマや日用品セットを受け取り、着替える。
12:00
程なくしてお昼ご飯が出てくる(健康なので自分で取りに行く)
味は結構美味しいし健康的。
箸とスプーンとコップがレンタルで自分で洗って繰り返し使わないといけないのが地味に面倒。
夜ご飯を肉or魚どっちにするかのアンケートがあった。子供のころのリクエスト給食を思い出す。
13:30
指定された時間にシャワーを浴びる。いや入浴早すぎだろ
謎メーカーのリンスインシャンプー、合宿所みたいなシャワー
14:00〜16:00
とにかく暇で健康なのでじゃがりこチョコジュースを買い込んで爆食しながらYouTubeを見る。
病院食の健康への配慮を無碍にする。
16:00
美しい麻酔科医に呼ばれて狭くて暗い部屋で全身麻酔の脅しを受ける。
麻酔科医ってなんで綺麗な女性が多いんだろう??MP高そうですこ
もしかしたら麻酔が効かなかったり後遺症が出るかもしれないけど、同意してね、って悪魔の契約をさせられる。
今からでも中止したくなった。
17:00
執刀医が明日よろ〜ってチラ見にくる。退勤後なのか私服。
診察とかあるのかと思ったら本当にチラ見だけ。
最初の診察からから手術までの間に主治医が変わり、新しい主治医に一回も口の中を見られたことがない為、ちょっと怖くなった。
18:00
夕ご飯
チキン南蛮が出てきて最高だった。
揚げ物をしばらく食べられることはないだろう…
この辺の時間から緊張で高熱が出てしまい、場合によっては手術が中止になる可能性を告げられる。ここまできて勘弁して…
熱を冷まそうと、コンビニで高いアイスを買う。
21:00
消灯
緊張で眠れない。
同じ部屋の女の子がおそらく喉?の手術をした影響かいびきが凄い。
大変だったね、、けど眠られてうらやましいよ、、
多分ほとんど眠れなかった。
入院2日目(手術当日)
6:00
起床
熱と血圧を測られる。体温はギリギリクリアした。
この日は手術後まで絶食なので非常にキツい。
10:00〜11:00
青リンゴジュースを限りなく薄めたスポーツドリンクみたいなものを飲まされる。
以後飲み物も禁止。
手術まで地獄のような時間を過ごす。
この間に病室に新メンバーが入ってくる。明日同じ親知らずの手術らしい。
13:30
パンツ一丁の上に浴衣を着る。
短時間の手術のため、カテーテルがなくて本当に良かった。
今日は親知らず抜歯が他に3件あるとのこと。
この病院にとっては日常らしい。
いよいよ連行される。I'll be back…
14:00
歩いて手術室へ入室。
暗くて狭い待機部屋で恐怖に震える。
もうここからあまり思い出したくない。
呼ばれてストレッチャーの上に自分で寝る。
エコノミークラス症候群防止のため、足にマッサージ機を付けられるがこれが気持ちいい。
先生も麻酔科医も陽キャで色々和ませてこようとしてくるけど緊張で全く話が頭に入らない。なんか陽気な音楽が掛かっている。
医師「何の曲聴きながら歯抜かれたい!?ヘビメタでもいいよ(^O^)」
おれ「はあ・・・」
点滴ルートを確保するため、左手に針を刺されるけど冷え性過ぎてなかなか血管を見つけられない。そんなにブスブス刺さないで、、
医師「冷え性なのかな?女のコらしいね(^_-)☆」
おれ「はあ・・・」
ようやく確保できたら麻酔のマスクを口に掛けられ、ガスが流れてくる。
イイ感じにきいてきたよ~ヾ(≧▽≦)ノもうちょい頑張れ~ヾ(≧▽≦)ノなどのコールがかかる。
酔っ払ったみたいに気持ち悪くて、だんだん意識が遠くなってくる(まじで思い出したくない)
医師たちはこのテンションのまま手術したのか、自分が寝た瞬間急にシリアスになったのかは気になるところ。
15:30?
起こされて手術が終わったことを知る。
酸素マスクを付けられていて呼吸が苦しい。
鼻に入れた管がニュルニュル抜かれる。痛え〜
感染症対策のため、抜いた歯は手術室から出せないらしく、部屋の中でチラ見せされる(もちろん見えていない。欲しかったな~)
部屋に戻され、3時間くらい安静。点滴が刺さっている。
この時間が一番辛かった。
気道の確保のため枕禁止。目覚めたばかりで眠れないし、呼吸がずっと苦しい。
ゾンビみたいに口から血がダラダラ出ていてティッシュに血を吐き続けた。
1時間ごとに体温と血圧を測られ、対応するのも苦痛だった。
手術から2時間後?くらいからちょっと痛みが出てきたので痛み止めを注入される。ひんやり気持ちよく、少し楽になった。
少し落ち着いてきた頃に、家族と友人に生存報告をする。
主治医と麻酔科医がお疲れ様〜ってやってきた。ノリが軽い。
あまり出血してないから明日退院できそうだよ〜って言われたけど、こんなボロボロなのに本当か???今めっちゃ苦しいんだが???
19:00
ようやく酸素マスクが外れ、枕OKとなる。
トイレ、水分補給OKにもなるけど、何もする気が起きない。
少し遅めにご飯を出してもらうが、絶食だったにも関わらず全く食欲がない。
お粥とスープを1/3くらい食べて、薬を飲む。
痛み止めが効いてるので痛くはないが口から血がドバドバ出る。
喉にチューブを入れていたせいで風邪のように喉が痛くて声が出ない。
21:00
少しぼーっとした後、スマホを触れるようになる。
またちょっと眠ったり起きたりする。
0:00
点滴が一時的に外される。快適すぎる。
2:00
かなり体調が落ち着いてきた。
痛みはないが、薬を飲んで4時間以上経ったので念のため再度薬を飲んでおく。
入院3日目(退院)
6:00
起床
意外と眠れたみたいでスッキリ。全身麻酔の怠さも無くなっていた。
声もしっかり出せるようになる。が、噂通り昨日より顔がパンパンになっていた。リアルクレヨンしんちゃん(誇張ではない)
起きて急に採血されて勘弁してほしい。
血圧がバカ低かった。
そしてまた眠る。
7:00
朝食
残したけど昨晩よりは食べられた。
全く噛めないので舌で潰しながら1時間かけて食事をする。
食欲はあったけど食べるスピードが遅すぎて途中で強制終了。
8:00
医師と麻酔科医が来て、退院OKを告げられる。
顔腫れたね〜!!でもこれはピークではないので…(暗黒微笑)と言いながら口内の写真をスマホで撮り、去っていった。
9:00
最後の点滴が始まる。
ようやく針から解放されて最高だった。
10:30
退院、そして同室の女の子が手術へ向かうのを見送る
お会計は68,000yen 意外と安い。保険で多少戻ってくるしね。
久しぶりに娑婆の空気が吸えて最高だった。
当初はタクる予定だったけど思ったより元気なので電車で帰る。
11:30
帰宅 家は最高
事前に買ったお粥とゼリーをさらに砕いて食べる。
やっぱり1時間かけて食べる。
お湯でふやかしたじゃがりこが当分の間良いおやつになった。
抜歯後の経過
術後2~4日
抜歯2日後をピークに顔が腫れるが、徐々に落ち着く。
ただ、頬の広い範囲に内出血の黄色い痣ができたのでしばらくマスクで隠し
ていた。
この期間に強く歯磨きやうがいをしたり患部を触ったりすると血餅が取れて骨が露出し、ドライソケットという症状になってしまうらしい。
これがあり得ないぐらい痛いと散々ネットにも書いてあったため入念に対策を行った。
術後1週間
再度病院に行き抜糸をする。
抜糸後には穴に食べカスが詰まるようになるため、100均で注射器みたいなものを購入し、毎食後に食べカスを取り除いた。
注射器で水を穴に向けて噴射するとものすごい量の食べカスが出てくるから気持ちいい。穴が相当深いことが分かる。
この作業、傍から見るとキメているようにしか見えず絵面がかなりヤバいので、職場では人目を盗んで行った。コソコソやっている感じもまたヤバい。
術後2~3ヵ月
ようやく穴も埋まり、食べカス除去作業からも解放される。
完全に穴が埋まるまでは1年くらいかかったかもしれない。
余談だが抜歯後長年悩んでいた片頭痛がかなり軽減された。
小顔にはならなかったし、痩せることもなかった。
学んだこと
・親知らず抜歯で有名な病院を選んだので、麻痺も出なくて安心だった。
絶対大きい病院でやったほうがいい。
・歯を抜くより麻酔明けが相当キツいので、手放しに全麻は勧められないけど、一気に抜けたのは良かった。
・痛み止めを飲み続けているので、歯の鋭い痛みは無かった。
・気づいたら終わっているよ~!とみんな言うけど、麻酔にかかる瞬間は本当に気持ち悪かった。が、麻酔技術は本当にすごい。
・親知らずを抜くだけの健康な人間を昼夜丁寧にお世話してくれた医療従事者の皆さんに感謝しかない。
・次の日には思ったより回復したので、やっぱり若いうちに抜いたほうがいい。
・二度と全身麻酔をすることがないように健康に気をつけて生活していきたい。