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流れ星の行方💫
みなさん、こんにちは😊
こちらの企画に参加します💓
よろしくお願いいたします🙏💞
流れ星、しばらく見てないなぁ
そんなに願うこともないのだけど…
和歌は帰り道、一人、空を見上げて呟いた。
「幸か不幸か?」
と聞かれれば、たぶん
「不幸ではない。」
と答えるだろう。
だからと言って、幸せか?と言えば、それもピンとはこなかった。
これぐらいがちょうどいいの。
心の中で、和歌はそう呟いた。
和歌は、
『幸福になってはいけない呪い』
にかかっていたのだ。
いや、自分でかけてしまっていた。
というのが、正しいのかもしれない。
幸福のあとには、必ずひどい不幸がくる。
ほどほどに幸福でなければ、そこまでひどい不幸もくることはないだろう。
それが和歌の心の癖だった。
くだらない。
人はそう言うのかもしれない。
確かにそんな考え方はくだらない。
と思う。
でも心の奥底に、病巣のように巣食っているその思いは、和歌自身にもどうすることもできなかった。
流れ星なんて、私には見つけられないわ。
そんなことを思いながら、和歌は小石を蹴った。
小さな石がコロコロと道端へと転がっていく。
ふと、小さな黄色い花が目にとまった。
それまで、家の前に置かれた、綺麗な植木鉢の花ばかりを見ていたから、気がつかなかった。
どこから種が飛んできたのだろう?
塀の側で、一輪だけ風に揺れて咲いている、その黄色い花は、見慣れない花だった。
なんていう花だろうか?
まるでお星さまみたい…
自然とそんな思いになった。
そうか!
きっとここに、流れ星が落ちてきたのね💫
あり得ない想像を膨らませて、しかし、それから和歌は、少しだけ弾むような気持ちで、バッグを揺らしながら家路へついた。