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カップル「il」

背の高さの大きく違うカップルの事 il  イル

小さな恋のものがたりの、チッチとサリーがその昔、日本でたくさんの人に読まれていた。
背の高いサリーに片思いの、小さなチッチ。
小川チイコ、村上聡というのが、フルネームらしい。

そんな背の高さ違いのカップルを、イタリアでは、「il」というと聞いた。
文字通り、 i は短く、 l は長い。
il は、男性名詞の単数形の定冠詞

私は162㎝、低くはないと思うけれども、192㎝のサルヴァトーレと一緒に居るとまるで、チッチとサリーのようね、とクラスメートが言った。

私はチッチの様に、何があっても彼の事を、ひたすらに思い続けるような、そんな可愛い女ではないけれども、友達に、そんなカップルに見えたのは、嬉しいこと。

マキコさんに、イタリア人の彼が出来るなら、私にだって、と
よそのクラスの日本人が言っていたと、クラスメイトが親切に教えてくれた。
その彼女は、私がSTANDAというスーパーマーケットから、サルヴァトーレと一緒に仲良く歩いているのを見たという。
その言葉通り、その人はイタリア人の彼が出来たと、後日知る。

さて、私は’イタリア人’の彼を探していたのか?
、、どちらとも言えない。 彼が出来ればいいなあとは思っていたけれど、’イタリア人’と限定してはいない。

はじめて彼に会った時には、彼がイタリア人だとも判らなかった。
目的は通訳になること、それしか頭になかった、恋人募集中でもなかった。

けれども、ペルージャ到着翌日に、トランクを運んでくれて、下宿も一緒だった、彼は日本に興味があり、私は生のイタリア語に興味があった。 
その偶然に、両者の興味が一致した。 それはラッキーなことだった。

一緒に居るうちに、それぞれのお互いへの思わくはあるままに、お互いの性格や考え方がだんだんと分かっていって、それが好ましく、もっと親密になった。 そんな感じの流れだった。

もう一つのエピソード。
クラスメートの同居人2人。 本大学のイタリア人姉妹が私に怒る。 ’あなたの様な外国人がイタリア人とカップルになるから、私たちに彼が出来ないのよ’ 冗談ではなく、本気で言う。 それは違うと思うけどな。。

イタリアが好きで、イタリア人の彼を見つけたかった日本人の彼女、大学生活を恋人と共に楽しく過ごしたいイタリア人姉妹。
私は彼女たちに何の恨みもないのに、刺激を与えてしまった。 あ~あ女心はフクザツだ。

日本でも、外国人、特に欧米諸国の夫を持つ人を特別視している気がする。
’主人は○○人なんです’となると、結構その反応は興味大。 ’へ~そうなんですね~いいね!’ それって何か特別なことなのかな。

国際結婚には、日本人同士でも大変なこと以外に、問題はたくさんあるのに。 そういう意味では特別だ。
通訳の仕事をしていても、イタリア語だと、想像以上にとても感心したり、褒めてくれる。 
才能なんかじゃない、それに賭ける気持ちと時間とお金があれば誰だってマスターできる。

言葉はツール、それをもってどのように仕事に活かせるのか、の方が大事。

私は日本で2つの外資の会社で働き、その中で、アメリカ、ドイツの仕事での考え方の違いを学んで身につけたと思っている。 
このことの方が、言葉よりずっと、私の武器になっていると思っているのに。。 
でもそのことはあまり褒めてもらえない。

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