二級検査士(神経生理)の受験れぽーと

2023年実施の二級検査士 神経生理(東京会場)を受験しましたので、その記録です。
受験する際に色々調べましたがネット上にびっくりするくらい神経生理の情報が無くキレたので自分で書きます。誰かの役に立つといいな。


申し込み

1次受付 で抽選で選ばれます。
1次で通れば願書の提出です。
願書の作成ですが、揃えるものが多く大変に面倒です。免許のコピー、証明写真2枚(パスポートサイズ)、返信用封筒・送付用封筒+切手、所属長の署名などなど色々要ります。早めの準備がおすすめです。


勉強方法

❶過去問

まずは過去問を買います。
https://clmj.jp/book.html
ホームページの「刊行物」から買えます。
まとまったものは2014年〜2019年分しかなく、最新のが欲しい場合は「通信」の目的の過去問が入った号を買わなければいけません。
ちなみに神経生理は2022年分が「第48巻 春季号」
2021年分が「第47巻 秋季号」に入っています。

2014-2019年版問題集

❷参考書

なぜか神経生理だけ公式からテキストが出ていませんし関連講習会もありません(そんなことある?)
個人的には「JAMT技術教本シリーズ 神経生理検査技術教本」とかがいいのではないかと思います。
これしか使いませんでしたが充分でした。


試験スケジュールについて

1日目 筆記 
13:30〜15:00の90分(集合は13:15)
2日目 実技 
グループによって午前と午後と分かれます。
・脳波実技(50分)
・脳波口頭試問(20分くらい?)
・誘発筋電図実技→そのまま口頭試問(25分)
という3つのくくりで行われ、順番は受験番号によります。
脳波実技は後半にあたると抵抗を頑張って落とさなくてもいいので楽という話を聞きました。私は初っ端脳波実技でした。


実技試験について

脳波

試験官1人に対して我々2人です。大部屋で一斉にやる感じでした。
前日にモンタージュと誘導が提示されますのでイメトレしときましょう。
自分で提示されたモンタージュを設定する必要があります。(やり方は教えてくれます)
メジャー、赤ペン、テープなどは用意してあります。手袋は持参。
つけた電極はA1,A2,T3,T4,C3,C4,F3,F4,O1,O2,ECG,Zでした。
座位で装着→記録でした。
電極の位置チェックが厳しめでした。
被検者は検査科の学生さんでした。女の子が多めなので髪の毛が長かったりして大変です。(私は抵抗落とすのが痛いと言われてしまいました…ごめんね)
ECGはX1と0Vをむすんでください。
抵抗は10kΩ以下であればよいとのこと。
アースが外されていますので、電源コードのところを観察してください。
わざと断線させている電極があるので申し出て電極交換してください。
開閉眼と過呼吸賦活をします。前後の安静時脳波も少し観察するといいです。
私は就職してこのかたコロナで過呼吸賦活をやったことがないため、その場で他の人のを見て真似しました。どのくらいのスピードで行うか事前練習などしておいた方がいいかも。
機械は日本光電の新しいやつ(完全デジタルのやつ)だったと思います。
心電図は手首にクリップタイプでした。

電極を外して終了です。
試験官によっては口頭試問みたいなのをされてる人もいました。

誘発筋電図

尺骨神経のMCVです。 肘を挟んで3点法でした。(昔に受けた先輩も同じとのことですので、尺骨神経で固定なのかもしれません?)
患者さんは座位です。
機械はニューロパック、刺激はフェルトとボールと選べます。導出電極はペースト使うタイプでした。(使ったことないものは優しく教えてくれます)
患者への検査説明も丁寧に!
マークもちゃんと拡大して修正しましょう

検査中にされた質問
・手首の刺激位置の決め方(自施設のでいいと思います)
・刺激強度の決定方法(最大上刺激:最大振幅を得られる強度からさらに20%以上)
・手首の伝導速度は出さないの?(ひっかけ)

終了直後から本格的な口頭試問が始まります。


口頭試問(画像問題)について

脳波

①アーチファクト(ドリフトへの対処) 
優先すべき対応はなにか?(フィルタとかを真っ先にいじるのではなく、患者への声掛けや環境整備を優先する)
小児の意識消失はどんなものがある?
②周期性同期性放電
疾患名は?略語は?
③覚醒後過同期
何歳までみられる?
④PSGの睡眠ステージ
レム睡眠が出ました
⑤側頭葉てんかん
耳朶の活性化 誘導は何にかえたらいい?
⑥脳表SEPの中心溝同定について
中心溝はどこ?
位相の逆転(phase reversal)
⑦事象関連電位 
P300どれ? どっちが小児か?

あやふやに答えてるとどんどん突っ込まれます。
こちらの知識を引き出そうとする質問が多いです。多分どうにかして加点してくれようとしています。
分からないとこはちゃんと教えてくれるので勉強になります…という感じ。
出題される10問は当たる試験官によって異なると思います。運です!
試験官と受験者は一対一で、広い教室で何組か一斉にやりました。他の人のを聞いてる余裕はありませんでした(ごめんなさい)

誘発筋電図

口頭試問
・自施設の設定(フィルター、刺激強度、刺激頻度)
・正中、尺骨の遠位の潜時・振幅基準値(自施設の)
・尺骨神経の導出筋
・脛骨神経の導出筋、刺激部位

画像問題
・破格(副深腓骨神経)
・神経生理の解剖(神経筋接合部/神経)
・手根管(比較法2種類くらい答える)
・重症筋無力症 
・ランバートイートン(各刺激周波数、現象名)
・F波 A波 H波(経路について)
・伝導ブロック
・脱髄
・針筋電図(陽性鋭波、線維自発電位、線維束自発電位)
・筋疾患のMUPを選択する
・感覚神経の近位で振幅減るのなぜか

脳波に比べて出題数が多いです。基準値は覚えておくといいです。自施設の設定も確認してきてください。解剖も出ます。


おわり


受験票とゼッケンを回収されてさよならです。
ちなみに白衣はみんなちゃんと着てました。スクラブの人も1人いました。


追記(2024/03/31)

加筆修正しました。

試験は受かりました。
(脳波の口頭が可でギリギリでした…事象関連電位やってなかったから…)

統計を見ると35人受験で合格者数は25人、合格率71.
4%とのことです。ちゃんとやれば受かる試験だと思います!がんばれ〜!


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