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《54字の物語》まとめ⑩

 初めまして。三日月月洞(みかづきげつどう)と申します。

 今迄SNS上に投稿してきた54字の物語作品のまとめとなります。 

 手元にあるものから、順不同です。

 (※各タイトルは画像の下にございます)

タイトル『メビウスの帯と修行僧』
※《則天去私/そくてんきょし
(我執を捨て自然に身を委ねる事)》
※《私語く/ささやく》
「我欲を捨て自然に還らねばならぬ」
「待てよ、しかし欲を捨てねばという妄執も欲の1つではあるまいか?」
と、 悩めば悩むだけ答えが解らなくなり、
悟りの境地に到達出来ない。
まるでメビウスの輪に絡め取られたかのような
若き修行僧のお話です。
タイトル『神様達の夜カフェ』
タイトル『ウィングスーツ』
タイトル『結納』
窓外に福良雀を見やりつつ、
送り出す娘の帯を、
ふくら雀に結ぶのです。
「幸せになりなさい」
と、願いを込めて。
タイトル『走馬燈と逆縁』
※修正作
タイトル『想い出に残したいのは笑顔』改め
タイトル『涙を悟られたくない恋人』
※凍玻璃は、凍ったガラス窓などの事です。
※修正作
タイトル『察しの悪い助手』改め
タイトル『名探偵になりたかった博士』
名探偵に憧れ、自分で全ての舞台を整えた博士。
つまり、真犯人は……。
タイトル『強面と秋刀魚』
破れ鍋に綴じ蓋。
喧嘩をしたこの鴛鴦夫婦の鎹は、秋刀魚。
タイトル『作曲羊と楽譜川』
川を五線に、
流れてゆく子芋を音符に見立てています。
一匹々々旅をして
旅路の果てに齧った1つの音符を川に流すのです。
子羊は人間、
齧った子芋は人生、
海へと還る川は輪廻、
すなわち、輪廻転生です。
タイトル『鳥獣戯画と再会』
鳥獣戯画に一匹だけ混ざっている猫 (烏帽子猫)が、
仲間を捜して忍び旅に出て、
遂に、
長年普通の猫のフリをして暮らしていた
一匹の同族との再会を果たすお話。