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コンドミニアムの住み心地

ユニット内の仕様

自宅はコンドミニアムとよばれるいわゆるタワーマンションである。ユニットというのは住居区画のことを指す。我が家の間取りは約100㎡の2BR(ベッドルーム)にトイレ付バスルームが2か所あり、メイド部屋にもトイレとシャワーが付いている。

このマンションを選んだ決め手は、眺めと立地とまぁまぁ許せるインテリアだった。しかし、家賃は日本円にして約30万超と割高であるにもかかわらず、仕様に関しては日本人を納得させられるものとは程遠い。

戸棚の全丁番のガタつき、巾木の欠け、風呂場の床タイルの浮きなど施工不良のままの引き渡し。そもそも引っ越し前の清掃も行わない。エアコンの中身は信じられないほどのカビだらけだったので自費で清掃業者に発注したり、戸棚のカビに関してもメイドさんと一緒に清掃してアルコール消毒をおこなった。

エアコン内部の洗浄

オーナーによりけりなのだが設備関係も綱渡りだ。エアコンも洗濯機もかなり年数の経ったいまにも壊れそうな家電で、入居前に交換を求めたがまだ使えるからと買い換えてくれなかった。IHコンロは裏側配線がむき出しで危険。換気扇と天井の隙間はガムテープで埋めただけ、など。いろいろと日本人には信じられないクオリティなのだ。しかしここは日本ではない、一応動くのでもう仕方のないことだと気持ちを整理するのが肝心。

とはいえ、今のところ大した害虫騒ぎや配管の詰まりもない、お湯も出る、漏水・停電トラブルもなく過ごせているのはマシな方かもしれない。

IHコンロの裏側配線がむき出し状態
フードと天井の間をガムテで目張り

日本では手に入らぬ利便性

ユニット内の仕様への不満は上げるときりがないのだが、コンドミニアム住まいはフィリピンならではの利便性が享受できる。とにかく人手だけは豊富なお国柄なので、ガードマン、清掃、コンシェルジュなどスタッフがたくさんおり、地上エントランスの扉の開け閉め(カードセキュリティがない代わりに顔パス)、フードデリバリーや宅配便のユニットへの運搬、1日3回のゴミ回収などのサービスがありとても助かっている。息子の昼寝中などどこにも行けないとき、デリバリーして部屋まで運んでもらうコーヒーは至福なのである。(※フードデリバリーは距離にもよるが、50P≒130円で格安。)

車寄せでは車の扉の開け閉めもしてくれるし、たくさん買い物をした時もホテルのように荷物を運んでもらえるので、これらについてはプチセレブのようで大変気に入っている。

また当たり前に、プール、ジム、キッズスペース、屋外のプレイグラウンドがある。風雨と暑さを気にせず運動不足が解消でき、夜中にプールのジャグジーに温まりに行くこともできる。現状、キッズ関連に関してはやや不備(おもちゃが汚い、遊具が壊れている)はあるものの居住圏内にこのような設備があるのはありがたい。

お気に入りの眺望

いろいろと苦労はあるが、自宅からの眺望が良いので無理に引っ越そうという気にはならない。高層階の我が家の目の前は高級ゴルフ場と高級会員制ポロクラブ、ヴィレッジと呼ばれる緑とセキュリティの壁に囲まれた超富裕層向け高級戸建て住宅街であるため、視界が開けているだけでなく眼下の緑の広がりがとても気持ち良い。

また、大したことないだろうと思っていた『世界有数といわれるマニラ湾の夕日』は、なんと毎夕見とれるような美しさなのだ。新婚旅行で熱中症になりながらも見届けたギリシャのサントリーニ島の夕日に負けていない。

日本ではタワマン暮らしはひと月で眺めに飽きると言う意見も聞くが、全く飽きない。今のところフィリピンの暮らしの中でこの眺めが最高のお気に入りである。

ユニットからの眺望
マニラ湾に沈む夕日


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