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核からのサバイバル。プレッパーのススメ ~本格的シェルター編・設備~
設備
シェルターからは可能な限り出ない。
そのために生活に必要な設備は極力シェルター内に用意する。
井戸、貯水タンク
飲食用以外にも衛生を保つためや放射性物質洗浄に安全な大量の水は必須。
川や湖から引いてくるというのは論外。
一番マシなのは地下水。井戸を掘ろう。
縦に掘る井戸でもいいが、山肌に横に掘るタイプの井戸もある。
ここから得た水を浄化して使用する。
布や活性炭などでゴミを濾し、殺菌して飲用に耐える品質にする。
殺菌のための薬品を使わなくても、貯水タンク内に炭や銀製品を入れておくのもよい。
銀製品は金属細工用の板や、安いアクセサリー等で問題ないが、なるべく純度が高いものを選ぼう。
水が充分にあれば風呂に入ることもできるだろう。
電源
照明や熱源、情報入手、環境維持、娯楽のためにも電力は必須。
ソーラーパネル、マイクロ発電機などで得た電力をシェルター内に引き込む。
ソーラーパネルは光を反射するため目立つ危険があるので避けたいところ。
マイクロ水力、マイクロ風力のほうが目立たないし、夜間でも発電できる。
いずれも製品として普通に購入可能。
熱機関は燃料の入手が出来なければ止まるので論外。補給するためにいちいち外に出るのは危険だし、災害、戦争下では簡単に入手できると思わないほうがいい。
非常用に用意しておくのはいいが主電源にはしないほうがいい。
電力はシェルター内にバッテリーを用意し、そこに蓄電して使用する。
発電機からの電線はなるべく空中を這わせないこと。
自然界には空中を横に伸びる構造はほとんどないため、電線一本でも違和感を感じさせる。
それがもとでシェルターを発見されてしまうリスクがある。
換気装置
放射性物質がシェルター内に入ってこれないようにするためフィルター付きの換気装置は必須。
エアダクトを設置し、紙をちぎったもの、シュレッダー屑などを網袋に入れて中に詰め込む。荒濾しになる。
室内部には空気清浄機用のフィルタを貼り、小型扇風機や換気扇などを外部から空気を吸い込む方向に設置する。
換気口から空気を吸い込むようにしてシェルター内の気圧を少しでも高めておけば、放射性物質が外部から吸い込まれるのを防げる。
外部は上に開口部を向けると放射性物質が落ちてくるのを受け止めてしまうので下か横に向ける。
風などで舞い上がった塵が入ってこないようにするため、なるべく地面からは離す。
長さ1~2メートルで充分だが、長いほど放射性物質侵入のリスクは下がる。
電力に余裕があるなら空気清浄機も動かそう。
エアロック
外部から直接シェルターに入るのは論外。放射性物質の侵入防止や洗浄を行うために居住区と外部の間に最低1区画を設置する。
外部に向けて送風する設備を設置することで、放射性物質の侵入を防止できる。
ドアを閉めた後で付着した塵を水で洗浄する。
水洗いをするため、シェルター居住区より一段低くして、排水口を設置する。
隙間があると外気が入ってくるため排水口は途中でU字にするなどして水が貯まる構造にすることで外気の侵入を防ぐ。
ここで洗浄してから居住区に入る。
対電磁波
核爆発のとき発生する強大な電磁波で電子機器などは壊滅するという説がある。
雷のように送電線からの誘導電気で壊れる、電磁波が電子回路に流れて機械を破損させる等いろいろな説があるが、
実はこれらは都市伝説であって、実際に起きるかどうかは「公式には」実験も行われていない。
なので壊れないかもしれないが、壊れるかもしれない。
念のためにやっておくというのなら、銅やアルミなど電気の流れやすい金属を外壁屋根に貼り、アースを行う。
金網だとX線など波長が短い電磁波は通してしまうので、板の方が無難。
トイレ
人が生きている限り廃棄物は出る。
シェルターを人里離れたところに作るなら公的インフラなどあてにできない。
出すたびに外へ出てたりしたら対放射線設備を用意する意味などない。シェルター内部に廃棄物処理施設が必要だ。
浄化槽、腐敗槽、バイオトイレ、埋め立てなどの方法がある。
浄化槽は性能はピカイチだが個人で入手は難しく、電源が必要で処理後の排水を流す先もいるなど扱いが面倒。デカいので埋める工事も大変。
定期的なメンテナンスも必要。
腐敗槽は簡易浄化槽といえるもので処理能力は浄化槽に及ばないが、設備が簡単で排水を地下浸透処分も出来る。その気になればDIYも可能。ぶっちゃけ「汲み取り便所」
これも沈殿物を抜き取るなどの定期的なメンテナンスが必要。
バイオトイレは容器にオガクズなどを詰め込み、廃棄物と攪拌することで微生物処理を行わせる。
水を使わず排水が出ないので、室内設置も可能。南極昭和基地に設置されたこともある。攪拌は電動だが手動で出来るものもある。
容器にオガクズを詰め込んで攪拌できればいいのでDIYすることも可能。多少は臭いが出るので外部へ排気する換気機能はあったほうがいいだろう。
オガクズの交換などの定期的なメンテナンスが必要なので、オガクズの在庫を用意しておく必要があるのが弱点。
埋め立ては地面に穴掘ってそこに出す。使用後は土を掛けていき、埋まりきったら次の穴を掘る。一番簡単で廃棄物なら何でも処分できる。
土地面積というリソースを消費するので、シェルター建設時に「トイレ用地」を確保しておく必要がある。
どの方法も微生物に廃棄物を分解させるのが基本なので殺菌作用がある物質や分解できない物質は処理できない。
そういうものは別途焼却や埋め立てで処理する必要がある。
焼却の場合は煙が出ないように注意すること。「ここに人がいるよ」と叫んでいるも同然だ。
植物
必須ではないが、あると嬉しい。
花やサボテンなどの観葉植物以外にも、モヤシやカイワレ、ハーブ類などの食用植物を栽培するのもよい。
外の野草や山菜の収集など論外なので、新鮮な食料を自給できるのは大きい。