記憶に残るもの
人の波をかき分けて
視線がとらえたもの
街中で見かけた、モノトーンのパンツが似合っていた1人の女性
ほっとするアイボリーの中に
黒が絶妙に混ざり合った柄も素敵だったけれど
何より静かに佇む姿が印象的で
思わず目を奪われたのだ
まるで聴こえるはずのない声が
鋭く私の耳に届いたように
あの時見たその光景は
今も記憶の中に鮮明に残ることとなった
ボトムに合わせたトップスとバッグの
流れるようなモノトーンのグラデーションは
どのアイテムもきちんと役割を理解しているかのように
調和された大人のスタイリングになっていた
私もあんなふうに着てみたい
素直にそう思えた
暖かくなってくると
少し『黒』から遠ざかりがちになるけれど
コットンの風合いが私のもとにも気持ちのいい季節を運んできてくれたことで
すっかり気持ちが軽くなる
この週末は
わたしも1枚仕立てのパンツで出掛けよう
お天気が良ければサンダルを合わせてもいいかも♫
靴箱の扉を開けて
冬物のシューズを手早くかたずける
そして
あの日の記憶の方は
ゆっくりとした手つきで
こころのスクラップの新しいページへパチンと綴じた
靴箱のドアが閉まる音と同時に
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