『才神』ハズキ(ヴァサラ戦記)
「たくさん失敗して、ようやく成功するのよ?」
演:たなか茜
①「概要」ね……実験と行きますか
ヴァサラ軍十二神将の一人にして、六番隊隊長。
稀代の天才的な頭脳を持つことからついた異名は「才神」。
基本的にはあまり前線に出ることはなく、その卓越した頭脳と知識を利用して隊員たちの治療を行う衛生兵。
また後述の戦闘スタイルから科学者としての一面もあるからか、隊訓は
「失敗は成功の母」となっている。
軍師長のシンラによる部隊評は「医療・科学」の担い手。
元は親に捨てられた孤児であり、「天神」アサヒによって戦場で行倒れていたところを助けられたのが入隊の経緯。
なお、このとき戦場で双子の妹とはぐれてしまったらしいのだが……。
②あら”綺麗な「容姿」には棘がある”……常識でしょ?
長くウェーブのかかった桃色の髪をながし、それらしく白衣を着ている。
医者、もとい衛生兵であるためか、羽織っている白衣の下には様々な道具を入れるホルダーを携帯しており、師である元二番隊隊長「アサヒ」がなくなってからは、タバコを吸うようになった。
また、彼女のやや年を経てもなお健在なその美貌に魅了される隊員も多いのか、彼女が隊長を務める六番隊は主に男性の入隊志願者が絶えず、現在最も隊員数の多い部隊になっている。
③悪い「人物」は取り除かないといけないわね…
先述の通り本業は医者であるからか、劇中では仲間の怪我を案じているようなシーンが多く、一見すると戦いに積極的なわけではないようにみえる。
が……実際はそんなこともなく、むしろ根は好戦的ともいえる面がある。隊員時代はアサヒやイブキと共に前線で戦う姿が見られる他、戦闘中は昂ると言葉遣いが荒っぽくなるなど、普段のたたずまいとは一転して、彼女もまた頼もしい戦力であることが分かる。
ただし、好戦的といってもパンテラの様に戦闘狂ぶった様子ではなく、あくまで高い闘争心を隠さないという程度。彼女を戦いに駆り出しているのはそのほかに「圧倒的な頭脳からくる知的好奇心」によるところが大きい。
(そのため「敵を前に自身の発明の実験をする」「相手の強さや弱点を分析しながら戦う」といった、単純な勝利を目指すだけではなく己の知性を存分に生かす戦闘スタイルをとっている。)
また、あくまで医者となったことに対する目的や信念はしっかりと持ち合わせており、戦闘終了時にまだ敵が存命な場合は殺さずに治療を持ち掛けるなど、人を「生かすこと」を生業としていることは忘れてはならない。
科学者系キャラとしては感情に素直な面も見られ、第29話で行われた十二神会議にてラショウが内通者の可能性を示唆すると「私たちが怪しいって言うの?!」と反論するなど、ヴァサラ軍の仲間たちをよく信頼している様子。
そのため、57話にて内部分裂しかけていた際は、他の隊長たちよりもいち早く仲裁に入っている。(たまに改造しようとしているが)
④あんた本当……良い『実験体』ね……!(能力)
毒の極み:【女王蜂】
五神柱の一つである水神柱を独自に進化させた『毒』の派生格を習得している。また、彼女はその卓越した頭脳で戦闘に役立つ兵器を複数開発しており、それらを極みの力と組み合わせるバリエーションに富んだ戦闘が可能になっている。
・女王の実験室(クイーンラボ)
毒の極みとハズキの天才的な頭脳をかけ合わせて生まれた、彼女の真骨頂ともいえる戦闘スタイル。
相手を「実験体」として設定し、対象に対して自身の開発した兵器や、それらと毒の極みを複合させた『試作発明品』で攻撃することで戦闘中に実験を進めながら戦う。
発明品の詳細はハズキ本人にしかわからないため、単純に予測不能な攻撃を行えるほか、発明品によって射程や威力、攻撃の相性をも調整できると考えられるため、めだちこそしないものの非常に隙のない強力な技である。
ここから、痺れ薬を打ち込む「投薬(プレメディ)」、剣から毒を打ち込む「解剖(ゼク)」とそれを炸裂させる「圧迫(インパルス)」等、強力な毒技へ派生する。
・魅惑の女王(キラークイーン)
毒の極みにおける一撃必殺の奥義。「女王の診療録(クイーンカルテ)」を通して見抜いた敵の弱点に向けて、巨大な毒針に変化させた刀剣の刺突を見舞う。
しかし、これらの戦法はあくまで『使い慣れていない武器を扱う高い基礎戦闘力』と『天才的かつ柔軟な発想が可能な頭脳』の両立が求められる非常に高度なものであることは強調しておきたい。
(ハズキ自身も試作品を連続で使用したあとは「やっぱり剣が一番ね」と語っている。)
⑤そういうよく分かんない「人間関係」みたいなの、大嫌いです
・アサヒ
彼女を救い出し、ヴァサラ軍へと引き取った張本人である元二番隊隊長。
アサヒは妹を失った彼女を思い涙すると「もう二度と大切なものを失ってほしくない」との考えから、ハズキを一人前の戦士になるまで鍛え上げた。
彼女の情に厚いところや、タバコを吸うといった特徴は修行の時にアサヒから影響を受けたものだと思われる。(元々彼女は煙草が嫌いだった。)
ハズキ当人も、初めは辛い修行の日々の中でたびたびアサヒに弱音を吐いたり反発したりしていたが、心の中ではきちんと感謝していた。
・イブキ
同期の隊員であり、現在の二番隊隊長。ともにアサヒの元で育ったゆえに付き合いは深いようで、よく二人で酒を飲んだりしているなど仲は良好。
彼がジンとの合同任務で明かした「好きな女性のタイプ」は、よくハズキの特徴にマッチしている気がするが詳細は不明。
・アシュラ
もう一人の同期隊員だが、こちらは八番隊所属だったことやアシュラが喋れなかったことからか関係が薄そうに見える。
しかし、実際のハズキは彼を同期の仲間として大切に思っているようで、「やっぱりここに居た」と彼の行動を予測しているような口ぶりで墓参りについてい行き声を掛ける一方、アシュラの方もカムイ軍との戦いでハズキがピンチに陥った時は真っ先に助けに向かっており(その結果彼女は一命をとりとめている)、互いに十分に親しげな様子を見せていた。
・ヴァサラ
総督であるヴァサラだが、隊員達、ひいては自身も無茶をしてよく怪我をすることから、治療を一手に担ってくれるハズキには頭が上がらない様子。
一方、ハズキの方も親しみを込めてか「おじいちゃま」と呼び慕っている他、病状が悪化している現在もハズキがつきっきりで治療に当たっている様子が見受けられる。
・カムイ七剣「毒剣のアカネ」との関係
第14~15話にかけて、カムイ軍を倒すべく任務に向かったハズキは、そこで毒剣軍副官のジョロキアと交戦。
その最中、衝撃の事実を聞かされる。
幼くして両親に捨てられ、さらに戦争で妹を失ったハズキ。
家族はすべて失い、ずっと一人だったはずであり、そもそも妹は「アカネ」などという名前ではない。
……そう反論するハズキだったが、ジョロキアは同様する彼女を他所にその真実を明かしていく。
————
「その妹が生きてるッつてんのよぅ! あなた何も知らないのね……」
「両親に捨てられ、あなたにも見殺しにされ、絶望と共に地獄を生き抜いたあの子は、カムイ様に拾われたの。」
「呪力を分け与えられ、過去の縛りを捨て、繋がりの一切を絶った……」
「そこで彼女は ”人” として一度死んだのよ。カムイ七剣の『アカネ』として生まれ変わるためにね」
————
なんとハズキの妹は生きており、カムイの元で『毒剣のアカネ』として生まれ変わったというのだ。
その理由は、争いばかりで何も学ばない愚かな人々、ひいてはこの世界に対して復讐するため……。
「【ヒマワリ】……それがアカネちゃんの本当の名前……!!」
ジョロキアが口にしたその名は、ハズキの記憶と全く一致していた。
しかし、ハズキはここで狼狽えるような人物ではなかった。
脳裏に浮かんだ「陽はまた昇る」の言葉を思い出し、カムイの元に大切な妹を置いてはおけないと奮起、ぶん殴ってでも連れて帰るとの決意を込めて再びジョロキアに立ち向かう。
そしてここまで置いてきた布石と奥義「魅惑の女王」によってジョロキアを撃破した——
その直後、ハズキは背後から何者かの凶刃に穿たれた。
「あ、あなたは……ヒマワリ……!」
「久しぶりねぇ……お姉ちゃん💗 もうその名前じゃないの。」
振り返った先に映ったのは、愛する妹の姿だった。
その目は憎しみに染まり、血の匂いを嬉々として語る変わり果てた様子のヒマワリは、ハズキに対して自身が味わってきた苦しみと見捨てた恨みを込めてその刃をさらに深く突き刺す。
だがそれでも、ハズキにとっては最愛の妹には変わりなかった。
この言葉を聞いたアカネはやや戸惑いを見せた後、その刃を抜き「もう二度と会う事はない」と言い残して去っていった。
(この時、アカネはとどめを刺さなかったどころか、家族のよしみと称して主の養分となる亡骸ををカムイに渡さない等かなり甘い様子が見受けられる)やっぱりお互いにシスコンじゃないか!
「嘘つき!!!」
⑥目ェ覚ましてくれよ! オバサンッ!!
・彼女にはすさまじい地雷が存在する。
それは「年齢に関するいじり」である。特に「老けている」や「オバサン」「BBA」などと言った日には……。
この地雷に対する反応はすさまじく
・十日も寝たきりの重傷状態から一瞬で目覚める
・戦場で敵に囲まれているにもかかわらず発言者の方向を向いて怒り出す。
・「おば」まで言いかけたルトが一瞬で気圧されるほどの覇気を出す
など、年増扱いしてきた人間を粛正するまで常人離れした力を発揮する。
⑧あとそれ、不発じゃなくて……「余談」!
・腕相撲が意外につよく、ユダやイブキといった男性陣よりランキングが上である。
原作者のたろちゃん組先生によると「人体構造の理解から爆発的な力を生み出す」「ドー○ング」などの手段で身体能力を強化しているのだとか。
・ハズキとアカネは「双子」であり因縁深いため二人同時のシーンが多いのだが、両方とも(というか女性キャラは大体)たなか茜氏が演じているため、かなり苦労した様子。
さらに言うと、茜氏本人も双子の姉妹が居る(シネマンガテレビには未参加)
・第55話にてウィッグを新調した影響か、髪型が綺麗なストレートになってしまうという作画ミスがあったが、56話からは元に戻っている。
・引用リンク
ヴァサラ戦記再生リスト
ヴァサラ戦記~技の書~(公式資料)