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リョウエイ(ヴァサラ戦記)
「……これからは私がいます。」
演:たなか茜
①概要
「小説版ヴァサラ戦記」及び「ヴァサラ戦記」第35話にて登場する、八番隊隊長のエイザンの師匠かつ育ての親に当たる人物。
ハボタン山の麓にある寺の住職を務め、戦争で孤児となった子供たちを保護して彼らを育てながら暮らしていた。
なお、本編登場時は出番が一瞬なのに加えて既に死亡しており、その活躍は主に小説版にて明らかになる。
②容姿
演者がたなか茜氏であることから恐らく女性であり、寺の住職ではあるものの僧侶のように剃髪はしていない。
しかし、子供であるエイザンから(彼が比較的体格に恵まれているとは言え)見ても心配されるほどに体はやせ細っており、長い黒髪も白髪交じりですこし弱々しい印象を受ける。
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③人物
戦災孤児を保護している通り、困っている人間を見ると放っておけない性格の様子。
しかし、それはあくまで自身の体験と考えに基づいた優しさであり、世界の身勝手さや理不尽さを受け入れてなお、それを憎むのではなく「愛と感謝」を持って生きることをエイザンに説いた。
また、保護する子供たちに対しても対等に接し、時には子供の言葉からも学びを得るなど、先の見えない時代を生き抜くために日々自分を磨いているかのような姿も見られる。
「世の中はどうしようもなく時に理不尽です。 なら私は、護りたいものを
勝手に護りますッ!!」
④人間関係
・エイザン
幼くして両親を戦争で亡くしたエイザンを、自身の寺に引き取って育てた。
はじめこそ警戒心と憎しみに支配されていたエイザンに反発されることもあったが、己の言葉をまっすぐ伝えるうちに次第に打ち解けた。
また、大切なものを護る為に強くなりたいという彼の願いを聞き入れ、自ら剣術、極みの指導にも付き合うなど、互いに信頼は厚かった様子。
・ヒジリ
嘗てリョウエイが国王軍に所属していた際に師事していた人物。
その名前のとおり、後の『聖神』ヒジリその人である。
(詳細は後述)
⑤小説版「ヴァサラ戦記」での活躍
本編では回想に登場したのみだったが「エイザン外伝」である小説版ではその回想が掘り下げられた結果、メインキャラクターとして登場。
そして物語が進む中で、孤児院を始める前は国王軍にて獅子奮迅の活躍で、天下に「武神」の名をとどろかせた名将であることが明らかになった。
(この時、リョウエイの師匠として戦い方を教えたのが、当時国王軍に所属していたヒジリであった)
しかし、戦場での暮らしに疲れたのか、師匠よりも先に戦場を離れ世捨て人となっていたようである。
後半では、リョウエイが言葉にした通りの理不尽がハボタン山を襲うことになる。そんな中、戦で炎に包まれた山を、そして子供たちを護るためにリョウエイは一人やせ細った体に剣を携えて山へ繰り出していった。
しかし、子供たちの為にと食事もろくに取らずに働いてた彼女にもはやかつての「武神」の面影はなく、追いかけてきたエイザンの目の前で息絶えてしまった。
誰よりも信頼し慕ってきたリョウエイの死は、その後エイザンに大きな影を落とし、本編の「山鳴り」へと繋がっていくのだった。
・リンク
小説版「ヴァサラ戦記」
ヴァサラ戦記 第35話