結局お前かよ、誰だよ。

最近見たコマーシャルにカチンときた。1人のバンドマンの男（30歳くらいかな？）が主人公で、彼には仲のいい愛する妹がいる。ある時妹から連絡が来て、その内容は「結婚するからお兄ちゃんも結婚式に来てよ。」というものだった。ここまではいい。非常にいい。僕は一人っ子だから、兄弟姉妹の感覚が分からない。でも、きっと愛する妹の結婚は、兄としては切なさも感じつつ、結局のところは凄く嬉しいだろう。

断る理由なんてどこにもなく、いざ結婚式に向かう準備を始める男。彼は生粋のロックンローラーで、トレードマークは革ジャン。革ジャンを見つめ、何やら憂鬱な表情をする男、伏線の匂いがするカットだ。
そして場面が代わり、いよいよ結婚式が始まる数分前に控え室で、兄と妹2人きりになった。
妹が「お兄ちゃん、いつも革ジャンだけどスーツも似合ってるじゃん。」と言うと、兄も照れながら「そうかな、ありがとう。結婚おめでとう。」と感動的なシーン。そして、妹が晴れ舞台に向かっていく。

「はじめてのア○ム」

耳覚えのいいメロディ。それは悪魔のメロディとも呼ばれる。
ふざけるな。感動を返せ。結局お前かい！となった。伏線が綺麗に回収された。
「バンドマンでスーツを買うお金がないから、ア○ムでお金を借りてスーツを買い、妹に立派な兄の姿を見せた。めでたしめでたし。」という狙いだろうが、待て待て。

バンドマンでもスーツは持っているだろ。僕がやっているバンドは衣装がスーツだから何着か必然的に買わなければいけなかったのだが、どうなんだろう、バンドマンたちよ。スーツぐらい持っていないのか？持っていない人がいたら申し訳ない。

まあそれは置いといて、結局お前かい！となった。あと五回くらいは言うかもしれない。
最後の最後で、それはずるいよ。でも上手い。
色んな想像ができる。もはや、妹に包むお金、式場に向かうまでの交通費までも、お世話になっているのではないか。
コマーシャルの裏切りにカチンときたけど、一つの作品としては素晴らしいものを見せつけられた、っていう話でした。
お金は怖いな。金の切れ目が縁の切れ目というけど、それは大切な人とのこと。そういう会社との金の切れ目は逆に縁結ばれちゃうからね。怖いお兄さんと結ばれちゃうからね。皆さん頑張りましょう？（？）

さて、くだらない導入が終わったところで、今回は僕の書いた歌詞について少し解説していこうと思う。また歌詞の話かよって思った？前回のnoteも歌詞が中心の話だったよね。まあ辛抱してくれや。

かわいいこのこ

今回はこの一曲を選びましたね。この曲は魅力女。の中でも一番と言っていいほど、人間味のあるというか、素の歌詞というか。

「あなたが教えてくれた二人の生活の甘さを
切り取って　それ集めて本を出そうか
出版社は僕の名前　生活の参考文献はあなた
あなただけ　あなただけしかいないのさ
それでもいいですか」

男性目線の曲で、冒頭から「僕」を出版社、「あなた」を参考文献に例えている。「僕」が書いた一冊の本を読み返しているような曲にしたかった。アウトロにも同じ歌詞が出てくるのだが、弾き語りで始まり、弾き語りで終わるというのが、本でいう「はじめに」と「おわりに」のようだ。
でも本当の意味で二人の関係を終わらせたくないから、最後に「結婚しようか」という歌詞をそえた。

一番気に入っている歌詞はBメロかな。

「お二人の愛は似合ってるかな
人のことは抜きにして
一緒に老夫婦にでもなれたらいいね」

文字で説明するのが難しいのだけれど、

一行目で、「僕」は人の目ばかりを気にして「あなた」に釣り合っていないんじゃないか？本当に僕でいいのか？お似合いなのか？という自信のなさを表現している。
二行目で、女性からの言葉「人のことなんて気にしなくていいよ、他人なんて抜きに」という優しい言葉。つまり！

（お二人の愛）ー（人の）＝お二愛＝お似合い

お二人の愛から、人のを抜くと、お二愛、つまりお似合い。

っていうのと

男性諸君には伝わると思うが、他人のことは「抜き」にして、本当に愛すのは「あなた」だけだよ、って言う意味も込めてる。言わなければ伝わらないけど、こだわりの歌詞です。

まだまだメンバーしか知らない歌詞のミソがたくさんあるけど、それはまたおいおい。歌詞見ながら曲を聞いてもらった方が早いかも。何卒。

寒い（おわりに）

ここ最近はぐっと気温が下がって、不覚にも体調を崩してしまった。声が出なくて、ボーカルとして責任を感じていたけれど、やっと先日のスタジオ練習で自分の声が戻ってきた。もうどこにも行かないでくれ。やっぱり自分の声が好きだし、大嫌いだ。どこかに行ったら、早く戻ってきて欲しいと思うし、戻ってきたら戻ってきたで自分の声が気持ち悪い。この関係性を何かに例えたいけど、「ツンデレ」とか野暮な言葉しか思い浮かばない。現代っ子だな。
とにかくもう体調を崩すのはこりごりだ。皆さんもお体ご自愛ください。どうぞお大事に。