ラグビーワールドカップ2023 準決勝 ニュージーランド対アルゼンチン 感想
ラグビーワールドカップ2023 準決勝 ニュージーランド対アルゼンチンの試合はオールブラックスが44-6で大勝し5度目の決勝進出。
ニュージーランド 44-6 アルゼンチン
ラグビー王国復活、強いオールブラックスが戻ってきた、そんな印象の準決勝。奪ったトライは準決勝史上2番目に多い7つ、相手にはトライを許さない快勝。
多彩なアタック。ラインナウトモールから敵陣深くに攻め入り、ピックアンドゴーで相手ディフェンスを近場に寄せた後、大きくパスをつなぎ空いているオープンサイドにトライ。自陣からパスをつなぎ、ギャップがあれば走力のあるバックスが大きく前進し、つかまってからはオフロードパスでつなぎ続けそのままトライ。マーク・テレアが密集をするする抜けていったり、ウイル・ジョーダンは自分で蹴ったボールをそのまま確保しトライに持っていくなど、組織力だけではなく個の力もすごい。トライの取り方が無数にあるような、次はどんなアタックが見られるのかわくわくがとまらない。オールブラックスを見ていると、ラグビー観戦が楽しくなる。
アタックばかりに目が行くがディフェンスが堅いのもオールブラックスの特徴。ブレイクダウンに人数をかけず、強固なディフェンスラインを構築する。タックルミスが少ない。攻め手を失った対戦相手はキックで前進を図るが、ここからオールブラックスのアタックが始まる。
セットプレーも安定している。スクラムはおしていたし、ラインアウトはほぼ完ぺき。ラインナウトスローが安定している。
対するアルゼンチンは、疲れがあったのか体にキレがなかった。スクラムは押され、ラインナウトモールは押せない。マテオ・カレーラスが時折切れのあるランがあったが、オールブラックスの脅威にはならなかったし、ボヘリはペナルティ・キックでしかその存在感を示せなかった。
3回目の準決勝、これまでの経験値を活かせると思ったが、初戦のイングランドに敗れ、以降緊迫した試合を続けてきた疲れは想像以上に大きかったようだ。しかし3度目の4強進出、アルゼンチンがワールドラグビーで確固たる地位を築いていることは間違いない。