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二十四の瞳

旅行で小豆島に行った際、観光バスのガイドさんが二十四の瞳の話を語り聞かせてくれました。

『二十四の瞳』の感動的な場面の一つとして、1年生の子どもたちがけがをした大石先生に長い距離を歩いて会いに行く場面があります。

秋の風が冷たくなり始めたある朝、小さな子どもたちは一心に歩き始めた。大石先生がけがをして学校に来られなくなったことを聞いた1年生の子どもたちは、どうしても先生に会いたくて、長い道のりを歩いて行くことを決意したのだ。靴をすり減らしながら、小さな足で一歩一歩前へ進む。途中で転んでしまう子もいたが、みんなで励まし合いながら歩き続けた。「先生に会いたい」「元気になってほしい」――その思いだけが足を前へと動かしていた。

ようやく先生の家が見えてくると、子どもたちは声をそろえて「先生!」と叫んだ。大石先生は驚きと喜びの表情を浮かべ、玄関まで急いで出てきた。涙ぐみながら「よく来たね」と言う先生の声に、子どもたちも涙ぐみながら「先生、早く元気になってね!」と口々に言った。先生は子どもたちを一人一人抱きしめ、温かい笑顔を見せた。その日、先生の家には子どもたちの笑い声が響き渡り、秋の冷たい風を温かく包み込んだのだった。

二十四の瞳は映の画化もされ小豆島には映画村もあります。紹介したエピソードの他にも感動的な場面がたくさんあり、子どもたちと大石先生の結びつきの深さを感じさせられます。私は理屈抜きにして教育の原点に触れたような思いでした。

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