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ロンドン大空襲で引き裂かれた親子の不屈のドラマ「ブリッツ ロンドン大空襲」第97回アカデミー賞期待の作品紹介Vol. 2

AWARDS PROFILE Vol.2

ブリッツ ロンドン大空襲


各映画サイト評価

Rotten Tomatoes: 81%
Metacritic: 71
IMDb: 6.2
Letterboxd: 3.1

あらすじ

 第二次世界大戦真っ只中のロンドンで、疎開のため街を離れるはずだった9歳の少年が母親と一緒にいたいがために、大空襲の下を駆け抜ける冒険に出る…。

監督・キャスト・注目ポイント

 スティーヴ・マックィーン監督はいつでも難しい題材に取り組む。「HUNGER ハンガー」ではハンストを通じて抗議活動をする囚人、「SHAME シェイム」では性依存症を抱えるビジネスマン、「それでも夜は明ける」では自由の身にも関わらず南部の農園で奴隷にされる男など、その監督作の数々は困難な局面にいる人々の信念や思いを炙り出すのに真摯な作品ばかりだ。

スティーヴ・マックィーン監督作「それでも夜は明ける」はアカデミー賞の作品賞に輝いた。

一方で、シカゴを舞台にした「ロスト・マネー 偽りの報酬」ではアクションのある犯罪ドラマを存分に盛り上げて、エンターテイメント性の高い手腕も見せつけた(未だにDVD/配信スルーになったこと、邦題「妻たちの落とし前」を変更したことを恨んでいます)。

「スモール・アックス:ラヴァーズ・ロック」より

特に近年は、イギリス生まれの監督のパーソナルに近い作品を多く手がけている印象だ。それぞれが独立した物語のアンソロジーシリーズ「スモール・アックス」は、イギリス国内の人種に関する複雑な問題を五つの物語から照らし出した。昨年公開のドキュメンタリー映画「占領都市」ではナチスドイツに占領されたアムステルダムの過去と現在の様子を重ね合わせていた。そして立て続けに戦時を描いた今作に辿り着く。

自身が脚本も務めた本作は、第二次世界大戦期にナチスドイツによる熾烈な空襲のポイントとなったロンドンを舞台に、戦火を命がけでくぐり抜ける一人の少年を描いている。疎開のために母親と別れた彼が、やはり母と一緒にいたいと、ロンドンへと戻り、空襲の魔の手に飲まれていく。少年ジョージを演じるのは映画デビューのエリオット・へファーナン。彼の母親リタを演じるのはシアーシャ・ローナンだ。離ればなれになりながらも互いに共鳴し合う親子の様子が感動のドラマを巻き起こす。ロンドンの暗闇と戦争の影を捉えた撮影や、スリリングな編集、40年代ロンドンを再現した美術セット、ハンス・ジマーによる音楽など見どころは多数。監督は本作をロンドン人についての映画だとしていて、戦時下に再会を求めた労働者一家の物語を中心に、ロンドン大空襲を耐え抜いた彼らの精神を称えつつ、ロンドンの人々の真の姿を探求するのだと語っている。

今作が映画デビューのエリオット・ヘファーナン

評判

 今作は、10月9日のBFIロンドン映画祭のオープニング作品としてプレミア上映されるため評価が分かってきたら加筆する予定です。

日本ではAppleTV+にて11月22日より配信予定。


観たら感想を書くスペース。


長後の都知事も長後から離れて暮らしていますが、一向に帰る気配はありません。

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