この世の全てを覆ってしまう暗黒の伯爵にひれ伏す他にない「NOSFERATU」第97回アカデミー賞期待の作品紹介Vol. 16
AWARDS PROFILE Vol. 16
NOSFERATU
各映画サイト評価
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あらすじ
取り憑かれた女とバンパイアが出会ったとき、身の毛のよだつような恐ろしいことが町に影を落とす…。
監督・キャスト・注目ポイント
ロバート・エガースは比類なきフィルムメイカーだ。
監督デビュー作「ウィッチ」から既に仕上がりきったビジョンが凄まじい。ニューイングランドの寒々しい村を舞台に、魔女狩りと家族の崩壊を融合させて、観客を鬱蒼とした森に迷い込ませた。
続く「ライトハウス」では、二人の灯台守が孤島にある灯台で、狂気に包まれる怪奇なムード満点の作り。心理スリラーから神話のようなステージへと誘う世界観で魅了した。
そして前作の「ノースマン 導かれし復讐者」で、よりスケールの大きい、血肉と首が飛ぶエピックなバイキング・アクションを作り上げることに成功する。予算が低かろうが高かろうが、ディテールにこだわった作品のクオリティーと密度の高さは唯一無二だ。
そんなエガースが長年、夢見ていたプロジェクトがある。それは「吸血鬼ノスフェラトゥ」の再映画化だ。ブラム・ストーカーによる小説「吸血鬼ドラキュラ」を基にした作品の中でも金字塔の輝きを放つ1922年公開のドイツ映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」を100年以上経った2024年に蘇らせる。ドイツ表現主義、サイレント映画の最高峰にロバート・エガースはどのようなスパイスを与えるのか楽しみだ。
エガース・ワールドに集ったキャスト陣も豪華だ。ビル・スカルスガルド、ニコラス・ホルト、リリー=ローズ・デップ、アーロン・テイラー=ジョンソン、エマ・コリン、ウィレム・デフォー、ラルフ・イネソン、サイモン・マクバーニー等々…。
特にバンパイアのオルロック伯爵を演じるビル・スカルスガルドは、かつて「IT」シリーズで子供たちを悪夢のどん底に落としたピエロのペニー・ワイズを演じていただけに、ホラーのアイコンである吸血鬼をどのように立ち上がらせるのか期待が高まる。大幅に体重を落とし、オペラ歌手の元で声を低くする訓練を受けて、身体を追い込み恐ろしい吸血鬼へと変身する。
また、物語の鍵を握る女性エレンを演じるデップにも熱い注目が寄せられている。
チェコにある14世紀の城やバロック建築の歴史ある建造物でロケをして、物語で描かれる時代の妖しい空気をしっかりと捉える。監督とのタッグで名撮影を連発するジャリン・ブラシュケをはじめ、美術、衣装デザイン、音楽、編集と、監督とは旧知のスタッフがパッションプロジェクトに血を注ぐ。
冷たい血を滴らせてノスフェラトゥが降臨する。
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