⑤ 母と認知症と家族のはなし
怒涛の10月
〜乾燥機と給湯器と水回り編〜
2022年10月2日〜3日
1日目
前回、実家に来てから2週間後。
今回は洗濯室の片付けが必要になった為にやって来た。
実家のガス乾燥機の調子が悪そうなのはわかっていた。衣類が乾かないうちに、何回もフィルター掃除ランプがついてしまうのだ。
母は、その都度フィルターを掃除して使っていたようだが、どうもフィルターが原因ではなさそう。
一度、業者さんを呼んで、点検してもらったほうがいいかも。と言うことで連絡してみたところ、明日の午後に見に来てくれることに。
それに合わせて、乾燥機が設置してある洗濯室を、早急に整理する必要があった。
洗濯室は洗濯機と乾燥機があるだけではなく、パントリーとしてのスペースでもある。でも食品置き場というより、あらゆる物が詰め込まれている状態。
この30年間で蓄積された新旧様々な物が雑多に置いてあり、片付ける前からゲンナリしてしまうほどだ。
とにかく明日までに、業者さんを通せるくらいには片付けなければ・・・
まずは、明らかにいらないものから、処分するものとしてまとめてしていく。
古い洗剤、捨てずにそのままになっている古いスプレー缶、古すぎる梅酒入りの瓶、賞味期限切れの缶詰などなど。
なぜか大量に出てくる洗濯槽クリーナーと塩素系パイプクリーナー。これは今後少しずつ消費していこう。
それから、私が子供の頃から存在していた、収納家具が2つある。中身を見ると、今は使っていないものばかり。ほとんど全部を処分することに。
そして、その2つの収納家具も、後日粗大ごみに出すことにした。
掃除が苦手な母なのだが、未使用の掃除グッズが沢山あったのが印象的だった。苦手ながらも、やろうとはしていたんだろうな。
午前中でなんとか洗濯室に人が入れるくらいにはなった。
午後はその流れで洗面所と浴室を掃除していくことに。
母と2人で、洗面所の引き出しや棚から物を出し、いるものといらないものをチェックしながら片付けていると、あちらこちらから、部分入れ歯が4つと、なぜかウィッグ2つが出現。
「なんでこんな所にこんなものがあるのよ〜?」
と母が大爆笑。いやいや、全部あなたの物ですよ。
「入れ歯って燃えないゴミかなー。」
と調べてみると、社会福祉協議会が市内の公共施設などに、入れ歯の回収ボックスを設置しているとの情報がありちょっとビックリした。
不要な入れ歯を寄付すると、NPO法人日本入れ歯リサイクル協議会が回収して換金し、その換金された一部が社会福祉協議会に寄付され、地域福祉活動に役立てられるのだそうだ。
入れ歯回収ボックス。
覚えておこう。
次は浴室に取り掛かる。
天井、壁、床と全体に塩素系漂白剤を振り掛けて、カビ撲滅運動を行う。
しつこい湯垢には、評判の良いスプレー洗剤を用意しておいたので、軽い力で撃退できた。
冬になる前に水回りの掃除ができたのは本当によかった。でもこの日は、母も私もクタクタになってしまった。ちょっと頑張りすぎたわ。
2日目
午後に業者さんが、ガス乾燥機の不具合を見に来るので、午前中のうちに、母と買い物に出かける。
車の運転をしなくなった母は、大好きな買い物に自力では行かれなくなってしまった。
それなので、私が実家に来た時には、なるべくいつもは行かれないショッピングセンターなどに、連れて行くことにしていた。
14:30
業者さんが来訪。
乾燥機のフィルター掃除サインが出てしまう原因をさぐってもらったところ、排気口の空気の流れが悪くなっていたからかもしれないとのこと。原因がわかってよかった。
来てもらったついでに、給湯器の点検もしてもらうことに。すると、すでに平均寿命を過ぎているらしく、交換も視野にいれておいたほいたがいいかも、と言われてしまう。
その当時、半導体不足で給湯器も品薄状態が続いていた頃だった。突然故障して動かなくなってしまっても、納品がずいぶん先になってしまうことがあるとは聞いていた。
これから冬がやってくるのに、給湯器が故障して、お湯が出なくなったら困るなぁ。どうしよう・・・。
とりあえず直ぐには返事をせず、少し考えることに。
はぁ・・・今回の実家滞在中のミッションは完了。だけど、まだまだ実家の環境整備は終わりそうにないのである。
今考えるとこの頃は、「早くこの実家の混沌とした状況をなんとかしなくっちゃ。」と頑張りすぎていたな、私。
つづく。