松葉杖1本置いてきた
足関節脱臼骨折から45日目
リハビリ33回目
今日は、退院してから初めての、外来リハビリの日。
入院中は、1時間のリハビリが日課になっていた。しかし、退院してしまうと、週1回で20分〜40分のリハビリしか受けられなくなってしまう。
そして、そのリハビリも術後5か月までと決まりがあるようだ。
「シロイルカさんは、5か月間もかからないと思いますよ。もっと早くリハビリ終了になりますよ、きっと。」
と、理学療法士さんには、言われてはいるんだけど・・・
手術で負った2か所の傷は、まだ触れると痛い。未だに1部はかさぶた状態。
まだ腫れも落ちつかないし、アキレス腱もあまり柔軟性を取り戻せていない。
特に、足首まわりの強張りが、なかなか改善されないので、ちょっと不安な気持ちが生まれていた。
夫に送迎をお願いして、病院へ出発する。あいにく外は雨模様。松葉杖だと傘がさせないのが困りものだ。
病院に到着したら、運よく小降りになっていたので、傘をさしてもらわなくても1人で病院内へ。
リハビリが終わったら、また夫に迎えに来てもらうことにした。感謝。
受付を済ませ、リハビリ室まで移動する。
入院中には、毎日歩いていた通路。今日は病衣ではなく、私服を着ていて、カバンを下げているからか、なんだか変な感覚だ。
道中、顔見知りの理学療法士さんとすれ違ってホッとする。
そして、あの男子実習生が同行していた。今日が実習最終日だと聞いていたので、話し掛けたかったが、叶わず。挨拶を交わすだけとなってしまった。
心の中で「実習お疲れ様。試験頑張ってねー!」と念じておいた。
リハビリ室に到着。
手術直後から、病棟が変わるまで、担当してくれていた理学療法士さんが、待っていてくれた。
いつもと同じように、まずは仰向けに横になり、右足の強張り加減など見ながらマッサージをしていく。
やっぱり手技はすごい効果が出る。痛みやツッパリ感が緩和していく。そして足首の可動域が広がるのがわかる。
自宅での浮腫みの状態を報告し、着圧タイツを使用して、浮腫みを緩和させていたことを伝えた。
着圧タイツを使うことは問題ないし、改善されるのならば使用して構わないとのこと。
よかった。
家に置いてきた着圧タイツよ。君は理学療法士さんにも認められたぞ。
今日は、右足への荷重が、1/2荷重から、2/3荷重へ増える日だ。
これで荷重が増えるのは3段階目。
毎度のことながら、平行棒内で体重計を使って、右足への荷重加減を身体に覚えさせていく。
荷重が増えるほど難しくなるんだよなぁ。右足をかばってしまい、適正な荷重ができないのだ。
体重計を目視している時はまだいいが、ノールックで荷重する時は、控えめな荷重になりがちだ。
回数を重ねて、やっと合格が出た。
すると、理学療法士さんから唐突に、
「では、今日から、松葉杖1本無しの、片松葉杖をやってみましょうか。」
と言われて驚いた。
以前、1/2荷重訓練の時に、片松葉杖の練習をしたが、全然うまくいかなかった経験があったからだ。
少し躊躇したが、右足への荷重が増えていることで変化があるかもと、挑戦してみることした。
松葉杖は左手に持つ。
最初に、松葉杖を前方に着き、体重を軽く支えながら、患側の右足を出す。
そして最後に左足を出す。
この繰り返しで前進する。
実際に歩いてみると、片松葉杖でも安定して歩けている自分がいた。
うわぁ、できたできた!嬉しい!
そのまま片松葉杖で、練習用階段へ歩いて行き、階段昇降を練習してみることになった。
いつも階段を上がる時に、どちらから足を踏み出すのか、一瞬迷ってしまうことが多かった。
私がそんな話をすると、
「〈行きは良い良い、帰りは怖い〉で覚えるといいですよ。」
と、理学療法士さんが教えてくれた。なるほど!いいこと教えてもらったわ。
階段を上る時は、良い良い「健側」から、下る時は、怖い「患側」から。
やってみると、階段も片松葉杖で難なく上り下りできて、合格をいただいた。
リハビリが終わり、帰り支度をしていると、
「松葉杖はどうしますか?今日から1本にしちゃいます?不安なら2本でもいいですよ。」
と聞かれて一瞬考えた。
「うーん、どうしようかな。1本置いてっちゃおうかな。」
そう答えていた私。
だって、片松葉杖になるということは、右手が自由になるってこと。
右手が自由になるってことは、物を持って歩行できるってこと。
これってかなりQOLが上がるよね。
と言うことで、今まで大変お世話になった松葉杖を、1本返却して家路についた。
物理的にも軽くなったが、気持ちも軽くなっていた。