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⑫ 母と認知症と家族のはなし

介護認定調査日がやってきた

2022年11月30日〜12月1日

1日目
前回、介護認定調査の申請をしてから2週間。調査日の前日に実家にやってきた。

この日は、給湯器を購入した際の請求書が届いていたので、母と一緒に駅前の銀行に行き、支払いを済ませることにしていた。

これまで家計のことなど、お金の事は母がほぼすべてこなしてきた。定期的に銀行に行って通帳記入したり、現金を引き出したり、支払いがあれば済ませたり。

逆に父は、人生でほとんど金融機関に行ったことなかったらしい。銀行のATMで現金を引き出したり、送金した経験がないので、ATMの操作方法を知らないと聞いてビックリしたのを思い出す。

軽度認知症である母に、1人で銀行へ行ってもらうのは心配。父にお願いできれば良かったが、それができない事が判明したため、私が母と一緒に支払いを済ます事になった。

銀行ATMを前に、私が操作をしようとすると、

「いつも私がやってるんだから、大丈夫よ。」

と母が言うので操作をしてもらうが、暗証番号が間違っている。もちろんエラーになる。

「あれ?おかしいな何番だっけ?」

と口に出して言おうとする母を制して、私が暗証番号を押した。

「あーー、そうだったそうだった。」

と思い出したようだが、やはり1人で銀行に来るのは難しいと判断した方がよさそうだ。

銀行の暗証番号や、クレジットカードの暗証番号も思い出せない事が多くなってきていた。

この頃は、姉の所へ出かけた帰りに、コンビニやドラッグストアで現金でする買い物はできていた。

けれども買い物したことを忘れてしまい、また同じ物を買ってしまう。お財布の中のレシートで判明したことだ。

実家へ行くたびに、新しい葛根湯や喉スプレー、ポリグリップなどが増えている。

アイスクリームが冷凍庫に沢山入っていた時があり母に聞くと、

「私がこんなに買うわけないじゃない。知らないわよ。」

との返事。少しずつ少しずつ母の認知症は確実に進んでいる。


2日目
いよいよ介護認定調査日。
13:30に調査員の方が来る予定だ。

朝から母は落ち着かない。調査員が何時に来るのか何度も聞いてくる。

お昼ごはんを食べて、身支度をし、約束の時間が来るのを待つ。どんなことを聞かれるのかとても気になっている様子だった。

ピンポーン。

玄関のチャイムが鳴る。
女性の調査員で、優しい笑顔が印象的な方。看護師であり、デイサービスや訪問看護に携わってきたベテランの方だった。

母と父と挨拶を交わして少し雑談。母の緊張が少しほぐれたところで、調査が開始された。

調査内容は大きく5項目。
①身体機能
②生活機能
③認知機能
④精神・行動障害
⑤社会生活への適応

具体的な内容は、氏名、生年月日を答えることから始まって、実際に歩行したり、片足立ちをしたり。

外出の回数や身支度の自立度、短期記憶のチェック、買い物や調理はどうしているか、金銭管理の自立度などなど・・・30分程かけて調査は進んでいく。

ひと通り調査が終わると、母には一度席を外してもらうことに。本人が言っていることに間違いがあれば、家族が訂正する必要があるからだ。母への配慮である。

 
その後、父の調査も行い認定調査は終了した。


1か月くらいで審査結果の通知が郵送されるそうだ。

さて、結果はどうなるのか・・・

デイサービスなど、介護サービスを利用することも視野に入れておかないといけないかな・・・と結果が出る前からあれやこれや考えている自分がいた。

つづく。

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