【MTG】最速3ターンで17点削る方法(赤単バーン・浪人破編)【パイオニア】
0.初めに
こんにちは。あるばすと申します。
前回、パイオニアにおける赤単バーンの基礎みたいな記事を書かせていただきました。
今回は、その末尾に提示したデッキリストの解説記事になります。
とはいえ「エルドレインの森」以降、赤単はかなり強くなりました。
というか、劇的に赤の速度・対応力・またアーキタイプの拡張が達成されてしまいました。ですので、この記事の情報はもう古くなってしまったので、読み手の方にとっては有益になってない可能性があります。
その点は、ご了承ください。
という訳で、今回の記事では主に以下の5枚について語りたいとおもいます。サイドのカードは余力があったら話そうと思いますが、正直環境が目まぐるしく変化しているので、僕が今使っているサイドとは異なる点だけご了承ください。
・「増員された浪人」
・「ヴォルダーレンの美食家」
・「稲妻の斧」
・「爆片破」
・「実験統合機」
それでは、よろしくお願いいたします。
※注意※
※スタン、モダン以下の環境のバーンについては扱いません
※この記事では「エルドレインの森」以前の環境について取り扱います
(「エルドレインの森」のカードについては今後の記事で纏めていく予定。一部触れるかも)
※所詮、デッキリスト残せてない素人の記事なので、生暖かい目で見てくれると嬉しいです。
※引用は下記サイトから
1.ぼくの考えた最強の赤単デッキ(着想)
1-1.プレイヤーズコンベンション横浜2023
ちょっと前に、プレイヤーズコンベンション横浜2023というイベントがありました。
そこでは、色々なマジックのイベントが催されていました。
コロナ明けの、最初の大型イベントという事や、「ファイレクシア:完全なる統一」という、かなり気合の入ったエキスパンションの発売という事もあってか、かなり会場は大盛り上がりだった記憶があります。
自分も友達のデッキを借りたり、自分が作ったオリジナルデッキを持って色々なイベントに参加しました。
日本中の色々なプレイヤーと戦えたり、普段買わないような高額カードを狙ってくじを引いたりと、とても楽しかったですね。
ただ、その中でも群を抜いて面白かったイベントがありました。
「ターボタウン」です。
このイベントって、要は「500円払うと、申請したフォーマットでBO1が出来る」上に、最新エキスパンションのセット・ブースターが1パックが貰えるというイベントです。また、プレイヤーズコンベンション横浜では、周回数に応じて、プロモパックが貰えたので、正に出て損のないイベントだったのです。
また、「500円払わないといけない」とは言いましたが、それは何回も周回しているような人だけです。
皆さん、基本的に、配布されたイベントの参加証としてもらった無料チケットで参加されていたと思います。
という訳で、大会が終わって暇しているプレイヤーとかが、適当にガチデッキで1試合してくれたり、いわゆるファンデッキと呼ばれるような自分の好きなデッキだったり、あるいはパックを貰う為に、回転率を重視したアグロデッキを持ってきてくれたりしたんですよね。
まさに、アリーナの「プレイ」モードをリアルに持ってきたかのようなイベントで、色々なデッキと対戦することが出来ました。
この中で、僕は運命的な出会いをすることになります。
僕は、プレイヤーズコンベンション横浜に来るまで、実は赤単と戦った事がありませんでした。(アリーナではありますが、紙だと本当に当たらないんですよね)
…なんですが、このターボタウンというイベント、周回するほどおいしいので、割と回転率の高いデッキを握ってくれていました。という訳で、普段みかけないような赤単と沢山戦う事ができたのが、その中でも一番感動したのが、「増員された浪人」+「兎電池」を搭載した赤単ビートダウンデッキだったのです。
序盤は「増員された浪人」でライフを詰めつつ、3T以降は「鍛冶で鍛えられしアナックス」や「航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ」をプレイ後、「兎電池」によって速攻を付与することにより、とにかく毎ターン殴り続けるというシンプルなデッキでした。
アナックスやカーリセヴは、能力だけ見ると、パイオニア屈指の強カードであることは間違いないのですが、唯一の欠点として「速攻」が付いていない、盤面が形成できないと、素の打点が低いという欠点がありました。
言ってしまえば、除去全般に弱いんですね。
そこを克服するために「兎電池」が採用されていた訳です。
「兎電池」を「換装」で付けるだけで、出したターンに殴りに行ける上に、打点も上がっているので、除去には弱いかもしれないですが、コンバットには強いのです。
つまり、相手が除去している間に横展開したクリーチャー群でとっとと殴れば勝てるという訳ですね。
また、「兎電池」だけでは心もとないので、その相棒としてお相手の方が選んだのが「増員された浪人」だったという訳なのでした。
「兎電池」も強いなとは思ったのですが、僕が衝撃を受けたのは「増員された浪人」の方でした。
1-2.「増員された浪人」という衝撃
自分は「ニューカペナの街角」から本格的にマジックをはじめたので、「神河」以前のカードをそんなに知りませんでした。
ですので、このカードの存在をしらなかったのです。まぁ、普通の赤単には採用されないので、そもそもデッキリストの検索にはヒットしなかったというのもありますが。
どこに衝撃を受けたのかというと、まず、「1マナ2/2」というスタッツです。
1T目に限って言うと「僧院の速槍」を超えるダメージを与えることができます。
ただ、その代償として、ターン終了時に手札に返ってしまうというデメリット能力がついています。
とはいえ、手札に戻ったとしても、ちゃんと仕事が残っていて、「魂力」能力を持っています。効果は、赤2マナで自身をコストに、ルーティングできるという物です。
…と考えた時に「あれ?このカード、僧院の速槍より強くないか?」と思ったんですね。
「僧院の速槍」は結局の所、単体では1/2のスタッツしか持ちません。他の火力呪文との併用が重要な訳ですが、「増員された浪人」は単体で2点稼いでくれるという意味で、他のカードが無くても2点のダメージが最低与えられるというのは、とんでもないメリットです。
また、手札が枯れてガチなゲームの後半において「僧院の速槍」は弱いという話を前回の記事でしたのですが、「増員された浪人」には、それをケアしろと言わんばかりなのか知りませんが、ルーティング効果が備え付いています。
要は、ゲームの後半で「増員された浪人」を引いてしまったとしても、手札交換してねと書いてあるようなものです。
ということは、所謂マナレシオ的な考えから言っても「増員された浪人」が腐らないというか、腐りにくい設計がなされている訳です。
実は、前回の記事でわざわざ手札交換について熱く語ったのは「増員された浪人」が如何に革命的であるかを証明するためです。
赤の手札交換カードには基本的に「今ある手札を捨てて他の手札に交換するというリスクが付いているため、基本的に使いずらい」という話をしたのですが、増員された浪人は、どちらかというとリスクケアとしてのルーティング能力がついています。
と考えた時に、この能力は、ルーティングというよりは「サイクリング」の思想に近いと言えます。
「サイクリング」はキャントリップ同様、全部の色についている、手札交換というか、手札変換能力です。個人的に「増員された浪人」に近い立ち位置のカードは「検閲」だと思っています。
「検閲」は序盤の攻防において、極めて重要なソフトカウンター呪文ですが、ゲームの後半、マナが余りそうになると、意味がないカードになってしまいます。
その問題を解決するために、付けられたのがサイクリングです。
このサイクリングが付いている事によって「検閲」がいらないゲームレンジになった途端、別のカードに変換することが出来る事が、青白コンにおいて激烈に強い訳ですね。
こういった、ゲームの展開を序盤・中盤・終盤に分けた時に、どの場面でも腐らないのが、サイクリングのいい所です。その恩恵を「増員された浪人」も受けているのです。
ここで一つの疑問が生まれると思います。
サイクリング=便利な能力なのであれば、赤のサイクリングカードって環境で使われなかったの?という事です。
勿論、赤のサイクリング呪文は存在します。
しますがが、軽量クリーチャーに限っていうと、基本的に「サイクリングをする事」に特化しかクリーチャーしかいないんですね。作成できるアーキタイプの幅が限りなく狭いのです。
また、軒並み速攻がついていないのもネックですね。
勿論マナコストが重いクリーチャーにはいるんですが、赤単バーンはアグロなので、そもそもの思想として、3コス以上のクリーチャーは入れにくいのが実情の中で、サイクリングが付いているからと言ってむやみに入れる訳にはいきません。
墓地利用を多用するデッキだったり、それこそ、サイクリング能力をふんだんに活かしたデッキだったら入れられるとは思いますが、赤単バーンに入るのか?というと入りません。
といった感じで、ゲームのあらゆるレンジにおいて、腐らないカードであり、かつ「サイクリング」能力を持った唯一無二の「速攻」持ちクリーチャー、それが「増員された浪人」だという事に気が付いたんですね。
そこで、こういった仮説が成り立ちました。
「増員された浪人」が不要になる3Tくらいまではアタッカーとして運用する。4T以降、アタッカーとして通用しなくなってきたタイミングで、「魂力」を起動。本体火力を引き込む事に注力すればいいじゃないか。
これが「増員された浪人」との衝撃的な出会いと、出会った事で生まれた発想でした。
1-3.「増員された浪人」でミシックランクへ到達
ああ、「増員された浪人」を使いたい。
僕は元来、使いたいデッキというよりは、使いたいカードを軸にデッキを作りたいタイプの人間なので、この「増員された浪人」との出会いが「赤単をもう一度再構築しよう」という動機付けになった訳です。
とはいえ「増員された浪人」を使いたいけど、環境的に、赤単が強いのか?というと、そういう訳ではありません。
結局の所、超える壁である所の、シェオルドレッドなどのライバルを「増員された浪人」一枚でクリアできる訳ではなかったのです。
まだ、何かが足りないと思っていました。
話は前後しますが「赤単をもう一度再構築しよう」と思う前、当時の僕は赤単を捨てて別のデッキに逃げていました。
その理由は、一番最初の記事で書いたのですが、赤単を握って挑んだ沢山の大会で、ラクドスミッドレンジにボコボコにされたからです。
シェオルドレッドを攻略できない状態で店舗大会に挑んでも、無駄に金を散らすだけというのがよく分かっていました。
どうにかしてラクドスミッドレンジに勝てないだろうか。
新しいアタッカー「増員された浪人」を武器にして、ラクドスミッドレンジを倒す旅がこうして始まりました。
早速リアルの店で「増員された浪人」を購入し、アリーナでも作成して、赤単をガンガン回す事に決めました。
このガンガン試行回数を重ねるという行為によって、僕は「増員された浪人」のある性質に気が付きました。
「増員された浪人」は、そのターン生きて帰ってくると「手札が減らない」という事です。
僕が赤単バーンを見切った理由の一つに「リソース不足」という問題がありました。「赤単=常にジリ貧」というイメージです。
ショックを10回打てば勝てるのがMTGという、赤単の基本的な考えは強いのですが、その一方、ショック10枚を打つ前に負ける事が極めて多かったのも事実でした。
その原因は、基本的に「火力呪文=使い切り」だからです。
例えば、土地が20枚、ショック40枚のデッキを考えたとします。
手札は土地2枚、ショック5枚でゲームをスタートします。
さて、この手札で試合を始めた場合、勝つためには「残り5枚のショック」を引かないいけません。
という事は、最速で勝つためには「5T連続でショックを引かないといけない」ことが分かりますでしょうか。ちなみに、簡単に表にまとめるとこんな感じです。
6T終了時に手札が0になってしまいます。
では、「増員された浪人」を40だとしたらどうなるでしょう。
これは勿論極端な例なので、軽く捉えていただければと思うのですが、仮に、もし「相手が何も妨害してこない」のであれば「増員された浪人」は絶対に手札に返ってくるので、2T以降手札が絶対に減らない所か余り続ける事になります。
ここから本題。
それでは「増員された浪人」が初手に1枚だけあったらどうでしょう。
これこそが「増員された浪人」のマジックなんですね。
「増員された浪人」が1枚手札、土地が2枚あれば、5T連続でショックを引かなくてもいいんです。
それくらいの余裕が生まれるのですね。
ここが僕が「増員された浪人」を使っていて気が付いた「増員された浪人」=「使いまわしの出来るショック」という性質です。
クリーチャーは場に出すという都合上、手札を1枚使用する必要があるのですが「増員された浪人」はなぜか手札に戻ってくるので、事実上、相手のライフを手札消費無く削る事が出来るんですね。
いやいや、だからなんなの?
という話になるかもしれないですが、これが意味する事って非常にでかいんです。「増員された浪人」が活躍できるターン(1T~3Tくらいまで)は「手札にある本体火力を温存できる」って言う事なんです。
この着想から、アリーナでくみ上げたのが、ショック8枚態勢のデッキでした。
正直、リストの内容はうろ覚えなんですけど、このデッキで、アリーナのエクスプローラーで、人生初めてのミシックランクに到達しました。
このデッキの肝は「シェオルドレッド」に強制ブロックを仕掛ける事です。
序盤戦は「増員された浪人」や「熊野」で猛攻をしかけまくりまり、手札に火力呪文を温存します。で、4Tになった途端、出てきた大型クリーチャーに対しては「稲妻の一撃」+「クリーチャー」で処理していく。
ラクドスサクリファイスに対しては、「祖先の怒り」や「暴力の激励」でトランプルを付与することで、チャンプブロックも許しません。
そもそも「増員された浪人」との相性が抜群です。「初子さらい」で取れないからですね。
また、白単人間などの横並び展開が激しいデッキについては、ショックを連打して場を一掃することによって、盤面の脅威を下げる事も可能です。
このデッキはデッキの回転率も高いので、ミシックランクを狙うにしてもうってつけのデッキだったというのもありますが、全てがかみ合ったときの爆発力は尋常じゃなく、勝率6割くらいは言っていた感じがします。(集計はしてないので体感ですが)
正に「ショックを10回打てば勝てる」を地で行くようなデッキでした。
が、このデッキを回していていくつかの難点がありました。
まず、これは当たり前ですが、初手に「増員された浪人」がないと弱いという点。これは自明ですね。
2つ目は、除去に弱い所。
「増員された浪人」は「使い回しの出来るショック」という性質を持った「クリーチャー」なので、手札に戻ってくる前に除去を打たれると、先ほどの計算が狂ってガンガン手札のリソースが切れていくので、従来の赤単の弱点をカバーできなくなってしまいます。
特に「祖先の怒り」はソーサリータイミングでプレイするので、除去を合わせやすいのがデメリットでした。除去を打たれると、フィズってドローが出来ないのが難点でした。
3つ目は、シェオルドレッドを超えるには、2枚のカードの組み合わせが必要だという点。「増員された浪人」を序盤に運用できて、手札に火力が余っていれば対処できるのですが、相手もハンデスを多用してくるので、実際の所そう簡単に処理させてはくれません。また、一番の問題点は「墓地の侵入者」「砕骨の巨人」がショックで焼けない所も痛かったですね。
4つ目は、緑系のデッキにすこぶる弱いという点です。
緑信心相手だと「増員された浪人」をプレイする前に「ショック」で相手のマナクリを焼かないとゲームが始まらないので、実際の所「増員された浪人」の手札が減らない性質が活かしにくく、もし、手札に火力を温存できたとしても、盤面に出てきた脅威に対して温存していた手札の火力を連射しないといけないので、あんまり意味がなかったです。
結局の所「ショックはショック」なので、タフ2以上のクリーチャーが跋扈している現環境では「増員された浪人」を活かせるターン数が本当に短く、手札が余る状況に中々持っていけなかったんですね。
まぁ、でも緑信心の場合は、正直な所相手のテンポを崩せばどうにかなる事も多かったので、3割くらいは勝てた気がします。
一番問題だったのが、当時ラクドスミッドレンジを処理するために上がってきた「グルール機体」でした。
「無謀な嵐探し」だったり「恋煩いの野獣」みたいなクリーチャーが出てくると、本当に目も当てられません。
特に「恋煩いの巨獣」は天敵でした。こちら側の攻撃が本当に通らないからです。
という中で、ショック8枚態勢の赤単は一定の成果を収めたとはいえ、「カードパワー不足」という根本的な問題を抱えていました。
「安定的にショックを連打し続ける」というコンセプトが強いのは分かった。でも、それじゃどうしても勝てない対面が生まれてしまう。どうしよう。
この問題をケアできないかと色々悩んでいたある日、ストレージをあさっていた中で、あるカードを見つけました。
「爆片破」です。
1-4.「爆片破」という相棒の発見
「爆片破」はエニーターゲット、つまり土地以外のパーマネントに5点ダメージを与える強力な赤2マナのインスタント火力呪文です。
パイオニアにおいて、2マナ何でも1つ5点というカードは他に存在しません。
ただ、その使用コストとして「アーティファクト」が必要となります。
フレーバ―的には、アーティファクトを破壊した、その飛び散った破片が相手にダメージを与える。みたいな感じでしょうかね。
従来の赤単だと、コストとなるアーティファクトを用意する手段が乏しいため、殆ど採用されていません。時折、赤黒系のデッキに入っていたり、魂込めビートダウンなど「種」となるアーティファクトを用意することができるデッキに採用されることはあるんですが、赤単に限って言うと、殆ど採用実績のないカードとなります。
とはいえ、前のスタン環境では猛威を奮っていた時期があります。
「大焼炉」がスタン環境にあった時です。
「大焼炉」は「アーティファクト土地」という、土地のくせに何故か属性にアーティファクトがついているカードなのですが、これがかなり凶悪なんですよね。具体的には「親和(アーティファクト)系のデッキ」との相性が抜群でした。
この「爆片破」の最大の欠点が、種となるアーティファクトの準備が難しいという点でした。ですが「大焼炉」が土地にあったらどうでしょうか。
ひねり出した赤マナ+1マナを出せば、簡単に5点相手にダメージが与えられます。しかも、「大焼炉」はなんとアンタップインの土地というのが凶悪です。(なぜアンタップインが強いのかは、前回の記事を参照)
という訳で、大昔、爆片破は親和デッキのフィニッシャーとして活躍してしまったそうです。まぁ、そのため、パイオニア環境より上では、アンタップイン&色付きのアーティファクト土地は存在しないというか、パイオニアが始まった瞬間に、禁止にぶち込まれました。(無色土地はあるんですけどね)
という訳で、この「爆片破」色々と暴れた実績はあるものの、パイオニア環境においては、色付きのアーティファクト土地がそもそもない事、加えて、コストであるアーティファクトを容易する事が難しい事から、採用実績が乏しい、が強いという事でストレージに眠っていることが多いカードなんですね。
そんな「爆片破」を見つけたのは、プレイヤーズコンベンション横浜の前に、晴れる屋のストレージをあさっていた時でした。
始めて見つけた時、書いてあるテキストを何度も読み返しては、その効果を疑いました。
「マジで強い事しか書いてないじゃん」と
当時、赤1マナ、条件付き稲妻呪文をとにかく探していたので、多少の条件がついているとはいえ、この「なんでも5点火力」は破格の性能を持っていると思った訳です。
要は「この一枚でシェオルドレッド焼ける」でした。
勿論「焙り焼き」みたいな、タフ5のカードを焼けるカードはなくはないんです。ですが、そういったカードというのは、いわゆる「サイドから入れる対策カード」という側面が強すぎるんですね。赤単バーンは本体火力で勝つデッキなので、できれば、本体火力以外のカードは入れたくないんです。
また、青単スピリット、青白コン、バント天使みたいな、絶対に腐る対面があるというのもありますけどね。
シェオルドレッドを敵視するあまり、他のデッキに対してガードが下がっては意味がありません。
という中で「爆片破」はその全ての問題を解決してくれたような気がしたのですが、とはいえ、実際に構築してみると、色々な問題にぶち当たりました。
要は「アーティファクト、赤単に入らんのよなぁ」ってことです。
自分がその時こすっていた赤単には、残念ながらアーティファクトを出すカードなかったので、相方を探さないといけなかったんですね。
でも、そういったカードが他にあるか?というと、まぁ、なかったんです。勿論、現在自分が使っている赤単バーンには、相性のいいカードが何枚か入っているんですが、それらのカードって、結局「爆片破の種」するのがメインみたいな所が強く、ダメージを与えるという意味合いだと、他のカードに劣るんですね。
これは、MTG:Wikiにも書かれていますが、爆片破を採用するためにどこまでデッキを歪ませることができるのかという問題と向き合うという話に繋がってきます。
この点をクリアするのが、本当に難しく、当時の僕は「爆片破」を諦めてしまったのでした。
さて、ここで「増員された浪人」のクリーチャータイプを確認してみましょう…「アーティファクト」がついています。
そうです、この「増員された浪人」…「爆片破」の種になるんですね。
「増員された浪人」と「爆片破」の相性に気が付いた時「これは、デッキになるのではないか」とひらめきました。
要は、こういう計算が出来た訳です。
1T:速槍 1点
2T:火遊び+批判家刺殺+速槍(果敢2) 8点
3T:速槍+浪人+爆片破 8点
⇒17点達成
4T:3点火力なんでも
⇒合計20点
…これでいいんじゃないか?
今までの赤単算では、正直上振れしたら強いという感じが強く、結局の所、4Tで安定的に勝つことは無理だと思っていました。「増員された浪人」+「ショック」8枚態勢は安定度は高い一方で「増員された浪人」に頼りすぎであり、かつ、一枚一枚のカードパワーが低いというのが難点でした。
が、増員された浪人で殴った後で、爆片破で飛ばすだけで7点稼げる、つまり、3マナあれば7点稼げるという事を知った時に、これは、ライフレースを勝つ上で、とんでもない有利な状況を作れるのではないか?という事に気が付いた訳です。
また、これなら、安定的に4キルできるかもしれないと。
実際、赤単算に使用しているカードの枚数ですが、土地の除けば6枚で済みます。6枚なら、なんか行けそうが気がしますよね。
この発想を元に、より安定的に相手のライフを削るよう調整したのが「赤単浪人破」デッキとなります。
2.赤単浪人破を構成するカード達
この章では、前回の記事の紹介には含まれていなかったカードについて紹介していきます。
2-1.増員された浪人
まずはカードテキストをおさらいしましょう。
このデッキの中核を担うカードであり、このカードを初手に引けるかで、全てが決まると言ってもいいぐらいに重要だからです。
1マナ2/2というスタッツは、パイオニアにおいて、おそらく唯一無二です。更に速攻もついているという化け物ですね。
一応、もう一種類似たカードがあるんですが、こちらは対戦相手にダメージを与えると、土地を1枚手札に戻さないといけないという、キツメのデメリットがついているので、流石に考え無しに採用できないようになっています。
土地の枚数が5枚以上いらない赤単とはいえ、流石に毎ターン土地が増えないとやれることが減ってしまうので、正直デメリットの方が強いんですよね。
その点、増員された浪人のデメリットはただ、自分が手札に戻るだけです。
また、この手札に戻るという効果なんですが、ぶっちゃけデメリットじゃないです。
まず、相手のソーサリー系の除去・コントロール奪取が効きません。
「至高の評決」? 効きません
「一時的封鎖」? 効きません
「食肉鉤虐殺事件」? 効きません
「初子さらい」? 取れません
相手がこのクリーチャーを除去するためには、戦闘での破壊、もしくはインスタント系の除去を使用するしかありません。
という事は「増員された浪人」をインスタント系の除去で潰そうとしたら、「常に最低1マナ構えていないといけない」事になります。
この「マナを構えさせる」動きがかなり強い。特に、ゲームの序盤におけるテンポの取り合い合戦に置いては、極めていい仕事をするんですね。
例えば、ラクドスミッドレンジ対面の場合、先行1Tで「思考囲い」を打ってくれたとしましょう。そこで「増員された浪人」が抜かれなかったとします。(また、この時、相手が血の墓所をプレイしていた場合、既に4点取れていますね)
後手1Tで増員された浪人をプレイして殴ります。すると、相手のライフは6点も減っています。
そして手札にもどっていくのです。
ここで相手は「税血の徴収者」をプレイしたいかもしれません。
ですが、最初の思考囲いで手札に「火遊び」が見えていたらどうでしょう。
「税血の徴収者」をプレイするくらいなら「致命的な一押し」を構えて、「増員された浪人」を焼く構えを見せた方がいいと思うかもしれません。「税血の徴収者」の除去は強いですが、ソーサリータイミング&ターンが返ってこないとつかえないからです。
という状況で、返しのターンで、僕は手札にある「熊野」+「舞台照らし」を打ったとします。
すると、相手は何も行動できないまま、7点も削られてしまっているのです。この状況で、手札のショックランドはプレイできなくなるでしょう。
そして、3Tになりますが、土地が間に合ったとして、相手は「鏡割りの寓話」をプレイできるでしょうか?
そして、熊野の2章の効果によって「増員された浪人」が3/3になることから正直「墓地の侵入者」はプレイしにくいですよね。
みたいな状況を作りこんだ上で、相手が3Tで「黒一マナ構える」+「税血の徴収者」という組わせてプレイしてきたらねらい目です。
「火遊び」で「税血の徴収者」を処理しつつ、と手札に温存していた他のクロック、それこそ「僧院の速槍」+「増員された浪人」をプレイしてあげましょう。
「僧院の速槍」と「増員された浪人」…一対、どっちに致命的な一押しをプレイすればいいんでしょうか?
という状況で、ターンが返ってきた所で、相手は自分のライフを守る為に4Tでシェオルドレッドを出したとします。
ここで「熊野」がひっくり返り「増員された浪人」+「爆片破」を打てる状態が作れたら?
相手は僕のライフを1も削れないまま、負けている事でしょう。
こういった動きが出来るのが「手札に戻る」という一文が持っている魔力なのです。「増員された浪人」に相手が怯えてくれればくれるほど、こちらとしては動きやすくなるのです。
また、さらっと書いてしまいましたが、「増員された浪人」と熊野の2章との相性は抜群です。
熊野の2章は強いんですが、結局の所手札にクリーチャーがいないと意味がないんですね。できれば、序盤というのは、仕事がなくなる前の軽量クロックを並べて、相手のライフを詰めたい所なんですが、熊野の2章を使う為に、まず熊野をプレイして、2Tで僧院の速槍をプレイしたい。という欲が出てしまいガチです。
ですが、この2Tにクリーチャーを出すという行為が、結果的に相手の「致命的な一押し」の旨味を引き出してしまう事になるのです。
なぜなら、熊野の2章のカウンターが乗った瞬間に、そのクリーチャーを焼けばいいからです。
こう考えると、実際の所「僧院の速槍」を1Tでプレイした方が、結果的に相手のライフを削れているという事が分かります。
1Tに「僧院の速槍」をプレイして、1点、2Tに熊野をプレイして1点、合計2点が最低保証として入るのですが、この順序が逆になると、下手したら1点しか相手のライフを取れないという事になってしまいます。
と考えた時に、特に黒が対面の場合は、プレイする順番で取れる打点が変わってしまう事に最新の注意を払うべきだという事がわかってきます。(ちなみに、他の色の場合はその限りではないです)
…みたいな事を考えた時に「増員された浪人」と「熊野」の相性は抜群なんです。
まず、「増員された浪人」は勝手に手札戻ってくるので、要は何度も場に出すことが出来ることから「熊野」の2章を使いたいタイミングみたいなのをある程度操作できます。
例えば、先ほどの例に出したような、相手がマナを構えている=除去を構えているのであれば、敢えて「増員された浪人」をプレイせずに「熊野」をプレイするみたいな芸当をする事で、相手はせっかく構えたのに「致命的な一押し」がつかえなかったみたいなことが出来る訳です。
この時点で「浪人」+「熊野」で3点のダメージが最低入ります。
相手からしたらかなり嫌でしょうね。
また、先ほどの例に出したように「増員された浪人」にカウンターの乗せてくるかと思ったら、手札に隠し持っていた「僧院の速槍」にカウンターを乗せるみたいな動きをする事が出来るので、相手からしたら何に除去を使えばいいのか分からなくなってしまいます。せっかく「増員された浪人」を処理するために「致命的な一押し」を構えていたのに「僧院の速槍」に打たざるを得なくなる訳です。これは相手からしたら厄介ですよね。
という感じで、赤単に採用されるクリーチャー最大の弱点である「除去」に強く出れるのがこの「増員された浪人」の最大の特徴なんですね。
相手は2点火力を受け続けられるのか?
また「増員された浪人」を無視して他のカードに除去が出来るのか?(所謂ヘイト誘導していると言える)
そもそも「増員された浪人」を除去するために、大事な序盤戦でマナを温存できるのか?
そういった事を相手に問わせることが出来ます。
つまり、赤単が抱えていた問題点「除去」に対して「手札に戻る」事が解決策になっている訳ですね。
また、この手札に戻る能力って、衝動的ドローとの相性も良かったりします。
衝動的ドローは最大2ターンまで、限定で、追放領域に飛ばしたデッキのカードをプレイできるドローですが、2ターンの間にプレイが出来ないと「弱い」能力です。
という中で「増員された浪人」はなんと、プレイすると手札に返ってきます。
手札が土地だらけだったら「魂力」を使って別のカードに変換する種として持っておくのもよし、「爆片破」の種を手札に補充できるという点でもいいですね。また、「熊野」の2章が次のターンに誘発するなら、次のターン3/3のクリーチャーとして運用する準備にも使えます。また、手札に戻ってくる=手札が増えるというでもあるので、手札コストを使う系の呪文との組み合わせにも使えますね。
…みたいな運用が、ぱっと思いつくだけでも出来る訳です。
そう、この増員された浪人の本質って「手札に戻る」に詰まっているんです。
これは、発想の部分でも書きましたが、赤単というアーキタイプがアグロを選択する以上、常に手札が枯渇しているという問題に対する、回答になっています。
「増員された浪人」=「手札を消費しないショック(沢山のおまけつき)」を手にした事になるので、継続的なダメージを与えつつ、手札の本体火力を温存しながら戦う事ができる。
この恩恵がもたらした副産物は沢山あるのですが、特に、これから紹介する「稲妻の斧」が採用できるようになったのがでかいですね。
除去に強い&アタッカーとしての「爆片破の種」を無理なく赤単バーンに採用できるようになった。
これが「増員された浪人」の価値であり、多分数年くらいは他のカードでは代用できない価値を持ち続けると思いますね。
2-2.ヴォルダーレンの美食家
「ヴォルダーレンの美食家」は、戦場に出ると、相手に1点のダメージを与えます。これがまず「絢爛」系のカードと相性がいいですね。おまけで血トークンを出してくれるので、後半手札が腐った時に、いらないカードを捨てて別のカードに変換することができます。
所謂ルーティング効果が付いたクリーチャーと考えてください。
ただ、既存の赤単では、これだけでは弱かったので採用されていませんでした。
結局の所、ダメージを与える性能としては、所詮1点火力しかないからです。
だったら、他の果敢持ちのクリーチャーだったり、ウィザード系のクリーチャーを採用して「魔術師の稲妻」を使う為の構成にした方がいいので。
じゃぁ、なんで僕がこのカードに目を付けたのか?というと「血トークン」を生み出すからですね。これが「爆片破」と相性が良すぎるんですね。
このカードが真価を発揮するのは3T以降です。
1T、2Tは「増員された浪人」+「僧院の速槍」の組み合わせでガンガンライフを詰めていきます。で、3T以降相手の場に強力なクリーチャーが出てきて、打点が届かなくなった瞬間にキャストします。
これで絢爛系のカードが打ち放題になるので手札にためていた「批判家刺殺」「舞台照らし」を連打し、後続のカードを補充しながら、相手にダメージを与え「僧院の速槍」の果敢を誘発していきます。
そして、返しのターンで血トークンをコスト「爆片破」をキャストしたらほぼ勝ちです。
また、手札に「爆片破」がない場合でも1マナで手札交換ができるので手札で腐った土地を火力に変える事も出来るでしょう。
そう「増員された浪人」と同じく、このカードを採用することによって、赤単バーンは、3T以降の手札事故を防げるようになりました。このカードを採用しているので、土地の数を減らしても多少問題なくなったのはでかいです。(その分、手札に「爆片破」が来て終わってしまう可能性もあるのですが、そん時はそん時です)
また、従来の赤単に採用されるクリーチャーの多くが、アタックをするか、場に残り続けるか以外の使い道があんまりありませんでした。
その点「ヴォルダーレンの美食家」は場に出るだけで仕事が終わっているので、除去されても痛くない点、また、ブロッカーとしての運用が出来る点が実は結構大事だったりします。
相手が黒系のデッキだった場合は、「致命的な一押し」を警戒する必要がある訳ですが、「ヴォルダーレンの美食家」に対して「致命的な一押し」を打ってくれる分には別に痛くないからです。イゼット系に多く採用される赤系の除去も、このカードに打ってくれる分には別に問題ないですからね。
2-3.稲妻の斧
「稲妻の斧」は6マナ5打点or1マナ+手札コスト1でクリーチャーに5点ダメージを与えるインスタント除去です。
今の版だと、一枚採用なんですが、僕はこのカードメインで2枚、サイドで1枚採用しています。それくらい、この5点火力というのは尋常じゃなく強い。
赤の除去には様々な1マナ5点火力が存在します。が、どれも条件が厳しいんですね。「一斉蜂起」は装備品を使わないデッキには採用しずらいし、装備品が場に出ないと使いにくい。「魔女跡追いの激情」は場にクリーチャーが並んでいないと打ちにくい=クリーチャーを場に並べたターンには使えない。
他にも「石術の連射」「引き裂く榴弾」等のカードもありますが、色メタという弱点があります。
また「焙り焼き」は飛行が止められないので、アトラクサを処理しずらい。しかも、ソーサリーです。「丸焼き」はインスタントですが、こちらも色メタ。青白コンには効きますが、それ以外だとあまり活躍しません。
そう、赤には「色メタ」的な火力が多いんですが、白青系の対処はできても、赤黒緑の処理はかなり苦手なんですね。また、現状、赤黒緑のデッキがティアの上位を占めているので、メインからそれらの色メタ除去を入れる訳にはいきません。
という中で「稲妻の斧」条件は「手札1枚」捨てればいいというだけ。
しかもえらいのが「インスタント」という点ですね。相手が何かをしようとした所で、止めれば問題ありません。
赤1マナ構えていればタフ5まで焼けるという安心感は尋常じゃありません。シーンによりけりですが、僕は「致命的な一押し」より強いと思っています。あちらは、条件を達成しないと3~4マナのクリーチャーが処理できませんが、こちらは別にいつでもタフ5までのクリーチャーは処理できるからです。
と、ここで、一個の疑問が浮上すると思います。
ではなぜ「赤単バーン」の採用実績がないのか?という話です。
これは、赤単バーンがアグロだからです。
序盤から大量に手札を消費する赤単との相性がとてつもなく悪いのです。
どんなに優秀な除去であると言っても、その代わり手札の本体火力や、優秀な軽量クロックを捨てるという事は、自分から勝ち筋を捨てるという意味になります。
また、ゲームの後半、トップで本体火力を引けば勝てる!といいった状況でこのカードを引いたら負けが確定します。
また、赤単アグロがドロー手段を衝動的ドローに委ねているのもネックですね。
追放領域に落ちた、使えないカードを捨てることができたら、メインにガンガン採用されたと思いますが、現実はそう甘くありません。
という訳で、「稲妻の斧」が採用されるデッキというのは、イゼットフェニックスのような、手札が絶対に減らないデッキ、もしくは、墓地利用を加速する事に意味があるデッキに限定されます。
という中で、それでもなお僕がこのカードを入れる理由なんですが、一つは、やはり、メインから入れられる除去としては、かなり破格の性能を持っているからです。
手札を一枚捨てれば、赤1マナでタフ5まで焼けるという安心感は、土地が少ない赤単だからこそ必要です。
また、このデッキの場合は「ヴォルダーレンの美食家」と「増員された浪人」がいることによって、比較的他の赤単よりも手札があまりやすく、また、手札で腐っているカードを他のカードに交換がしやすくなっているので、入れてもそこまでダメージにならないのでギリギリ採用できるのです。
手札に戻ってくる「増員された浪人」は本体の能力、アタッカーとしては後半腐ってしまいます。が、だったら「シェオルドレッド」などの絶対に除去しないといけないクリーチャーを焼くコストにしてしまえばいいですからね。
僕は「増員された浪人」を「手札の減らないショック」と表現していますが、その利点が「稲妻の斧」を採用できる理由に繋がっているのです。
「ヴォルダーレンの美食家」は言わずもがなですが、血トークンの手札交換の種として「稲妻の斧」が使える点、また、後3点で勝てる。場には3点分のクリーチャーが揃っている。という中で手札に「ヴォルダーレンの美食家」が余っていた場合、「ヴォルダーレンの美食家」をコストにシェオルドレッドを焼く事が出来たら強いですよねってことです。
ここがかなり強いんですね。
また、出来たらしたくはないですが、更に煮詰めて考えていくと、「稲妻の斧」は手札で腐っている「絢爛」系のカードを5点の除去に変換できるという事にもなります。
結局の所、絢爛系のカードは相手にダメージが通っていないと使えないので、手札で腐ってしまう場面が結構あります。そういう時に「稲妻の斧」のコストとして大胆に使用することによって、一気に戦局を変える事も出来るってわけですね。
今の環境には、タフ4以上のクリーチャーが跋扈しています。例えば「エーデリン」「シェオルドレッド」「老樹林のトロール」「ポルクラノスの再誕」「氷の中の存在」などと言った倒さないと赤単が死滅してしまうカード達。
また、ロータスコンにおける「厳しい試験管」「金属の徒党の種子鮫」のような、サイドから対策は出来るけれども、メインに入っていると対処がしにくい、場にいるだけで圧が掛かってくるクリーチャー達。
特に、「輝かしい聖戦士、エーデリン」については、3Tで出てくるタフ4の生物であることから、サイドに入れている「引き裂く榴弾」が引けないと負けるみたいな試合が沢山ありました。(できれば、エーデリンに「爆片破」は使いたくないですからね)
白青系、特に人間系のデッキに対して、メインの除去一枚では打開できない状態を解決してくれたのが「稲妻の斧」なんですね。
という訳で「シェオルドレッド」を焼く為に採用し始めたのがこのカードだったのですが、戦っていく内に、他のデッキにも有効であることが分かってきたので、入れない理由がなくなってしまったというのが実情という感じでしょうか。
現在出しているリストは、実は古いので、最近メイン4でもいいかもしれないとすら思っています。
最近ティア上位に来ているデッキって、殆どクリーチャーを採用しているので、メインに入れて絶対に損がないのが一つ。
それから、イゼットフェニックスが台頭してきた事によって「氷の中の存在」をメインからしばけるこのカードを入れないと多分環境で戦えなくなってしまうというのがあります。
これは余談ですが「抹消する稲妻」というカードがあります。
これは、緑信心に対してかなり有効な一枚です。赤単は「老樹林のトロール」が、2Tに出てきた場合、本当に処理できる手段が限られてしまっていたので、本当に処理するのが無理でした。
その限られた手段というのが「抹消する稲妻」だったのです。
クリーチャーが死亡する代わりに追放するという一文によって、死亡時誘発を止められる事から、このカードで上手く処理すれば、1Tなんとか延長することができたんですね。
が、最近「ポルクラノスの再誕」というタフ5の生物が採用されるようになってしまい、4点火力、しかもソーサリーだけでは、どうにも対処ができなくなってしまいました。それくらい、緑系のスタッツがくるっているカード群に対しては「タフ4を追放除去できる」だけではどうしようもなくなってしまっていました。
「稲妻の斧」を取るか「抹消する稲妻」を取るかで、小一時間くらい議論が出来る程度には、採用を悩みました。
結局の所、サリアが出たら3コスになってしまう点、緑信心以外の盤面で、2コス使って除去なんかしてる場合ではないという点、(主にパルヘリオンシュート)
そして、肝心かなめである所の「この一枚ではシェオルドレッドを取れない」という点を考慮して「稲妻の斧」を採用することにしたのでした。
とはいっても、「茨の騎兵」とか「長老ガーガロス」とか「機械の母、エリシュ・ノーン」みたいなタフお化けクリーチャーが来たら、もうどうしようもないんですけどね。
とはいえ、タフ6まで見なければいけないのも事実なので「バーニングハンズ」というカードをサイドに入れている理由について、後々紹介します。
2-4.爆片破
という訳で、このデッキの本題②。「爆片破」です。
このカードの凄さは、大体語ってきたと思いますが、偉いのが何でも最大1つ5点を2マナで達成している所です。その分、アーティファクトがコストとして必要ではありますが、このカードがもたらす影響ってかなり大きいんですよね。
まず、大前提として4発撃てば試合に勝てます。
ここが偉いですね。
更に言ってしまうと、相手のライフを5にして、場にアーティファクトがあったら、カウンターされない限り勝ちです。特に赤黒、緑、赤緑、みたいなカウンターが入っていないデッキに対しては、残りライフ5は実質死刑宣告をしているようなものです。
勿論、青系のデッキに対してもマナを寝かせてくれたら、実質ほぼ勝ちみたいなもんですね。
この記事のタイトルは「3Tまでに17点削れば勝てる!」と銘打っていますが、「爆片破」を採用することによって「3Tで15点まで削れば勝てる!」という風な意味合いも与えてくれます。
普通の赤単には、一枚の火力って基本的に「3点」が上限なんですよね。そこさえ残ってくれればどうにかなると相手は思ってくれます。
この認識の差を使って、奇襲的に安全圏から「爆片破」を打ち込めたらマジで気持ちがいいですね。
相手の認識の埒外という誤算を使わせてもらって、15点まで詰めたら後はこのカードを一発打ち込むだけで試合終了です。
という訳で、このカードって「思考囲い」とかで見られた時に、ハンデス筆頭カードになるんですが、まぁ、別にゲームの序盤に抜かれても致命傷にはならないのがいいですね。
結局の所、爆片破はフィニッシャーとして使うカードなので、ゲームの後半までは温存するカード。
序盤に抜かれた所で別に痛くはありません。
それよりは「増員された浪人」「僧院の速槍」みたいなゲーム序盤の打点の稼ぎ頭を抜かれるよりはましという訳です。
また、これは余談ですが、「爆片破」を採用する事によっって、対赤単アグロに強くなります。
こちらには「増員された浪人」もいるので、手札を減らさずに相手にダメージを与えながら、手札にある「火遊び」なんかを相手の軽量クロックの除去に使える余裕があるというのもありますが、普通の赤単には「5点火力」が無いんですよね。
結局の所、対赤単は先手を取った側が有利になるのですが、後手であったとしても、5点のライフ差が一枚のカードでひっくり返ってしまうと、何もできません。しかもこちらは、クリーチャーに除去を当てながら、相手のライフを削る手段を豊富に持っているので、結局の所、相手の勝ち筋は本体火力を打ち込む事しかできないのですが、その差すら「爆片破」が追い越してしまう訳です。
シーソーゲームで緩やかに進行していた所に、爆片破をぶち込むという快感はとても気持ちいいです。
という訳で本体火力としての性能が申し分ないのは分かっていただけたと思いますが、その一方で、クリーチャー・PWの除去にも強いのを忘れてはいけません。爆片破があれば、大抵のクリーチャー、PWを処理できるので、劣勢を強いられている時。絶対に、盤面にある脅威を打ち砕かないといけない時の、必殺のお守りとして運用できます。
とはいえ、除去として使うのは本当の本当の最終手段です。「シェオルドレッドを倒さないと勝てない」とか「絶対にこのターンにPWを倒さないと試合に負ける」みたいな場面以外では、基本本体火力として使います。
最初に書いた通り、このカードは4回打てば試合に勝てるカードなので、基本的に本体火力として使った方がいいに決まっているのは事実だからですね。なんのために「稲妻の斧」を採用しているのか、意味が分からなくなってしまいます。
また、先ほどは書きませんでしたが「爆片破」は場にアーティファクトがないと意味がないので、手札で腐りやすいカードでもあります。そういう時は、本当はしたくないですが、最悪「爆片破」をコストに「稲妻の斧」を使用することもあります。
が、そのあとトップで「ヴォルダーレンの美食家」や「増員された浪人」を引く事もあるので、そういう時は泣きましょう。
という訳で、この「爆片破」。メリットばかり言ってきたのですが、実際の所、カードのコストであるアーティファクトを準備するのが、極めて難しいのはネックですね。
今まで紹介してきた「増員された浪人」+「ヴォルダーレンの美食家」は極めて優秀な種になってくれますが、それぞれの能力、いわゆるルーティング能力とのかみ合いがそこまで良くはないんです。
実際、「増員された浪人」の「魂力」を使ってドローしたら「爆片破」で負けたみたいな試合も結構あるんですよね。「ヴォルダーレンの美食家」も同じく、「血トークン」のルーティング効果を使用したら、「爆片破」を引いちゃった。みたいな事って結構あります。
このメリデメの応酬が本当に難しいですね。
今、血トークンを切るべきなのか?魂力を使うべきなのか?
というゲーム後半土地が大量に手札に余っている時に、本体火力だったり、「舞台照らし」を引いたら世界が変わるみたいな場面で「爆片破」を引く可能性が捨てられるのかが、問われます。
この瞬間が本当にMTGしているなと思う瞬間ですね。
結論から言ってしまうと「爆片破」を採用するという事は、アーティファクトを出す事に意味のあるカードを採用しないとダメだなという事になりました。
「増員された浪人」にも「ヴォルダーレンの美食家」にもアーティファクトとしての仕事があるので「爆片破」は余裕がある時や、爆片破が手札にある時にしか使えないのです。
という訳で、第3の矢を探す事になったのですが、これが難しかったですねぇ。
MTG:wikiにも書かれているのですが「爆片破」を採用するということは、それだけデッキに歪みを生じさせます。この歪みをどういう風に上手く捌くのかが「浪人破」デッキの本懐なのです。
僕が今持っている回答としては「実験統合機」が最適という事にしていますが、これが本当なのかどうかは、正直疑問です。
2-5.実験統合機
という訳で、最後の一枚が「実験統合機」です。
出た時にそのターン限り使用できる系の衝動的ドロー、場から離れた時に、またターン限定の衝動的ドロー、赤3マナ払うと自分で戦場から追放されて、2/2の白警戒侍を出します。
このカードを「爆片破」の種を出す3つ目の候補にした理由は、以下の5個の理由からです。
➀マナが軽い
②果敢が誘発する
③追加の衝動的ドローが出来る(2回)
④爆片破の種(アーティファクト)である
⑤自己完結した効果である
➀は言わずもがなですが、やはり、軽いのは正義です。衝動的ドローで捲れたカードを使いやすい設計にもなっているので、1T目はキャストする意味があんまりありませんが、2T以降、アグロデッキの思想的にはどんどん使いやすくなっていくカードになっていきます。
また、軽いという事は必然的に果敢と相性がいい(②)ことになります。めくれたカードを更にキャストできたら、更に果敢が乗るのもいいですね。
で、更に戦場から離れると追加の衝動的ドロー(③)が出来るというのが、「爆片破」(④)とのかみ合いが抜群ですよね。一番おいしいのは、絢爛系のカードが捲れた時です。そうなると、たった3マナで、8打点取れる、3マナで、都合5点+3枚衝動的ドローが出来たという事になるので、シナジーとしては破格のものになります。
そして、一番偉いのが、爆片破を引けなかった時に、3マナ払えば2/2警戒の侍を出しながら、1枚衝動的ドローが出来る(⑤)点です。場にブロッカーを容易しながら、本体火力を探すことが出来るので、ゲームの後半、場にクリーチャーが並んで、コンバットで相手のライフを減らせない状況になった時に、その真価が発揮されます。
という訳で、かなり爆片破との相性はいいんですが、、、が、まぁ、このカード最大のデメリットは「アグロ」と相性が悪い所です。
勿論、果敢は誘発するんですが、結局の所、マナが余っている状況じゃないと「衝動的ドロー」の旨味が活かせないのが、かなり激痛です。
特に2T目に使用して「爆片破」なんかがめくれると、相手に自分のデッキのネタバラシをするだけにもなってしまうので、基本的にこのカードのプレイの優先順位はゲームの中盤~後半という事になります。この点がデッキとかみ合いが悪いんですね。
「実験統合機」を置いたターンにしか使えない…これが自分の次の終了フェイズまで使えたら、間違いなく最強だったのですが、まぁ、いうて赤1マナの置物なので、そういうもんだという感じですかね。
とはいえ、ラクドス系のようなデッキに対しては、実は無類の強さを発揮します。ラクドス系は結局の所、ゲームの進行は比較的緩やかなので、このカードをプレイするまで自分が生きている可能性があります。衝動的ドローなので、ハンデスにも強いですし、「シェオルドレッド」のダメージにも引っかかりません。
という訳で、このカードは基本的に3T以降に使用します。
その前にプレイする状況というのは、土地がない時。
基本的に、土地が3枚以上あったら使うようにしましょう。
土地が三枚あれば、自分でサクる事もできますし、爆片破が捲れたら即座にプレイできますからね。実質、一枚のカードで5点火力をたたき出しながら、衝動的ドローが2枚出来る訳ですから、ある意味「舞台照らし」よりも強いといえば強いのです。
っても、かなり限定的な運用ですけどね。
アグロデッキの中に、こういった中盤以降のゲームの進行を変化させるカードを入れるのは、多少リスクがありますが、そのリスクを調整してあげれば、デッキによっては、本当に手が付けられないくらいのカードになっていきます。
このカードを採用していて、一番面白よかったな~と思うのは、4T以降など、お互いのリソースが尽きて、トップ勝負になった時ですね。
「実験統合機」→「火遊び」→手札の「舞台照らし」キャスト→「批判家刺殺」+「爆片破」みたいなハッピーセットを繋いだことがあります。
この、衝動的ドローの連鎖反応の果てに「爆片破」や「本体火力」が捲れたら勝てたみたいな試合、結構あるんですよね。(っても上振れの話なんで、引けない時はマジで引けないけど)
が、とはいえ、先ほども言った通り、序盤にはあんまり来てほしくないカードです。
また、結局の所「爆片破」が手札にないと、ただの置物になってしまいます。
これは前回の記事の「舞台照らし」の所でも書いたんですが、所詮「衝動的ドローは、リソースを補充する手段にすぎず、勝ち筋に直結しない」という事なんですよね。
実際、「実験統合機」から「実験統合機」だったり土地が捲れて負けるみたいなパターンを引く事も多いので、そうしたらまぁ負けです。
このカードを何枚採用するのかという問題は、正直難しいですが、安定を取るなら4枚。取らないなら2くらいになるかなと思います。
まぁ、この「安定」が何を意味するかにもよるのですが、「爆片破」を確実に使いたいなら4枚という事です。が、その分キルターンが低下するので、勝率が高くなるかというと、怪しい所です。
「実験統合機」の枚数を増やすという事は「本体火力のスロットを減らす」か「土地を減らす」事になるので、個人的な所感としては、2枚くらいが妥当かなぁと思いつつ、このリストをくみ上げた時は、あまりにも「爆片破」の種が少なすぎて打てない事が多発したので、4投という選択をしました。
3.赤単浪人破のプレイの仕方
この章では、サイドボードのカードも参照しながら、具体的なゲームプランについて書いて行きます。
まぁ、このデッキの回し方については、発想の部分で書いた「赤単算」で大体書いてしまったので、後は如何に、相手のデッキ(脅威)を的確に除去or対処しながら20点決め込むかになってくるからです。
赤単は前のめりなデッキですが、対面によっては耐え忍ぶ事も必要です。
例えば、除去が多いデッキだったらバーンを軸にせめて、相手のマナが寝ている隙をつく!だったり、インスタント・ソーサリーのカウンターが狙われているなら、クリーチャーで攻めたり、コンボデッキだったら、コンボをメタルか、コンボを決められる前にさっさと潰すみたいな選択を取る必要があるからです。
僕がこのデッキを握ってつくづく思うのは、赤単バーンは立ち回りの要求値がえぐいという事。
まぁこれはどのデッキにも言えると思いますが、特に赤単バーンは立ち回りを1手ミスっただけで負けます。マジでまけます。
適当に本体火力を打っていても負けます。
なので、具体的な一人回しのプランについて話すよりも、対面するデッキと付き合わせて、どう効果的に動くのか書いた方が説得力があるかなと思い、こういう構成にしてみました。
3-1.ラクドスミッドレンジ
サイドアウト:稲妻の一撃×3
サイドイン:兄弟仲の終焉×2 稲妻の斧×1
ラクドスミッドレンジに勝つ鍵は如何に「序盤戦」を制すかです。
できれば、ですが「増員された浪人」を処理させるために、「ショックランド」をアンタップインさせて「致命的な一押し」を構えさせる。「税血の徴収者」やゴブリンシャーマントークンが出てきたら「火遊び」で焼却しつつ、クロックをぶつける。「苦難の影」はマナが寝ている時に即座に除去する。みたいな細かい積み重ねの上に、出てくるシェオルドレッドを「稲妻の斧」や「爆片破」やクリーチャー+本体火力の併用によって仕留めていく。これがかなり重要です。
ラクドスミッドレンジに勝つためには、相手の行動を常に上回るしかありません。テンポを取られたら負けです。
その結果として、相手はライフを失うのが怖くなるので、ショックランドはタップインせざるを得ず、強力なハンデス「思考囲い」を打ちにくくなります。
徹底的に「ショックランドをアンタップインさせない」という恐怖感情を植え付けましょう。
相手がなるべく自分のライフを失いなくないと思わせるように、守りに徹して来たらチャンスです。
本体火力を打ちまくり、たまらず相手がクリーチャーを立たせてきたら逆にこちらも除去を切って盤面を更地にし、軽量クリーチャーを押し込んでライフを削り切りましょう。
とはいえ、クリーチャーを横展開されると処理が追い付かず、一気にライフレースに負ける事も懸念されます。
特に、このマッチアップにおける天敵は「火遊び」で除去できず「増員された浪人」では勝てない「墓所の侵入者」や「砕骨の巨人」などのタフ3のクリーチャー達です。
メイン戦では「稲妻の一撃」などを駆使してなんとか処理していきますが、サイド後は「兄弟仲の終焉」による盤面除去で1:4交換くらいを狙っていきます。
流石に1枚が2枚分の役割をするラクドスミッドレンジにおいても、一枚で場をひっくり返されたら辛いですからね。
そこに「増員された浪人」をぶち込んでライフを削れたら気持ちいいですねぇ
とはいえ、サイドからは「強迫」「コラガンの命令」「食肉鈎虐殺事件」などの赤単対策カードが入って来ることは必須なので、その点を理解しながら、勝負を進めるのを忘れずにしましょう。
「兄弟仲の終焉」を使わずにためていたら、相手からハンデスが飛んで来てプランが消し飛んだ!みたいになったら負けですからね。
また、最近イゼットフェニックスが流行り出しているので、「ゲトの裏切り者、カリタス」みたいな赤単が出されたら「死」みたいなカードも採用され始めています。
カリタスは出てきた瞬間に処理できなければ、負けだと思ってください。
メインだと「稲妻の斧」「爆片破」「本体火力の組み合わせ」以外で突破ができません。「兄弟仲の終焉」は強いんですが、カリタスには若干届かない点、また、「兄弟仲の終焉」で流してしまった自分のクリーチャーがゾンビになってしまうのが、マジで一歩足りません。
という訳で、サイドから「稲妻の斧」を足してマナ4系のフィニッシャーをどうにか処理していきましょう。
それから、少しだけ「墓地の侵入者」について補足すると、正直ライフの回復量的にはカリタス程の脅威はないんですが「護法」が兎に角激痛です。
「稲妻の斧」で焼くと2ハンデスになってしまうのがかなりネックですね。特に厄介なのが夜になった場合、「兄弟仲の終焉」で焼けなくなってしまうので、必然的に「爆片破」か「稲妻の斧」を打たざるをえないのですが。。。できればしたくないですよね~
こちら側は、呪文を連打するデッキなので、夜にされたら素早く昼にひっくり返すよう調整しましょう。
という訳で、サイド後、特に後手に回った時に「兄弟仲の終焉」を如何にうまく使えるかが本当に鍵です。がんばりましょう。
という訳で「ラクドスミッドレンジ」に対応するためには、とにかく相手の動きを上回って行動する事です。脳死で、クリーチャーを出して殴っていても絶対に勝てません。
時に火力を温存し、手札を貯めて、ここぞという時に攻める事。
相手がマナカーブ通りに動いてきたら、除去+クリーチャーの特攻で、継続的に相手のライフを削ることは忘れずに盤面を除去していきます。
相手が防戦一方になってきて、手札にプッシュを構えている!みたいな状況になった時は、本体火力を打つことに注力するのがかなり大事です。
状況、特にマナが起きているか寝ているかを見て、テクニカルに対応していきましょう。
そして、絶対に赤単が許してはいけないライバル「シェオルドレッド」をが出てきたら絶対に打ちとりましょう。
2枚目、3枚目が来ても冷静に対処していきましょう。というか、出る事を想定して立ち回る事が大事です。
結局の所、 「シェオルドレッド」は出すのに4マナかかりますが、こちらの除去は、最大2マナしか使わないんです。冷静に考えてうまい立ち回りが出来たら、こちらの方が有利なんだということを念頭にがんばりましょう。
3-2.緑信心
サイドアウト:稲妻の一撃×1 実験統合機×4
サイドイン:真髄の針×2 バーニングハンズ×2 稲妻の斧×1
極めて不利なマッチアップです。
エルドレインの森以降の環境だと、若干相性差は縮まってはいるのですが、それでもなお、軽量クロックが軒並み大型クリーチャーや、マナクリに阻まれるので、本当に厳しい戦いを強いられます。
正直、紙で勝てたのは、相手が2マリした時だけです。
初手が完璧だった時に赤単が勝てるかというと、まぁ無理ですね。
無理なんですが、無視する訳にもいかないので、頑張って対策していきましょう。
とにかく、メイン戦は「火遊び」でマナクリを焼く所から始めます。マナクリが焼けたら2Tは「狼柳の安息所」を出して終わりみたいな事が多いので、1Tの1~2点を切り捨すて、2Tに如何にライフを削れるかが勝負になってきます。
まぁ、2Tにチャンプブロック的につなぎのマナクリを出されると、相手に1点のダメ―ジも通せないまま3Tを迎える事になるか、マナクリを処理できずに、「大いなる創造者、カーン」が着地して全てが終わりますが、そうなったら本当に無理です。
という訳で、PW対策をするよりは、盤面のクリーチャーの除去に重点を置きながら、3T以降は本体火力で相手のライフを0にする事を狙います
。
キーとなるのは「稲妻の斧」です。
「ポルクラノスの再誕」が出てきたらラッキーです「稲妻の斧」で焼いてしまいましょう。
「老樹林のトロール」は死亡時誘発の効果で、信心が稼がれてしまうので、できれば「熊野」の裏面が出てる時に処理したい所です。
とはいえ、熊野も万能ではなく、相手の「耐え抜くもの、母聖樹」に割られる事も多いので油断は禁物です。
尚、「ビヒモスを招く者、キオーラ」については、出てきたら無視です。無視するしかない。
なんというか、このカードを焼けるカードがメインにないんですよね。
結局、クリーチャーをピン除去で淡々と焼いたとしても、キオーラが場にいると、それだけでリソースを回復されてしまうのが、本当に難しい所ですね。
メイン戦は、出てしまったらほぼ負けです。
キオーラで稼いだドローから、デカブツが出ない事を祈りましょう。
デカブツが出てしまったら、本体火力を打ちまくり、どうにかライフを0にしましょう。
緑信心の唯一弱点というのが「ポルクラノスの再誕」以外だとライフゲインしにくいデッキだという事です。まぁ、「機能不全ダニ」みたいなカードもあるんですが‥(ラクドスミッドレンジを使っていた時、ダニのライフゲインで、負けた事が何回かあります)
という訳で、緑信心に勝つためには、相手のテンポをくじきながら、継続的にダメージを与える事です。
盤面除去も大事なんですが、それよりもライフを早目に削る事を念頭に置いてプレイしましょう。
結局の所、相手の勝ち筋は「殴って勝つ」だからです。
相手の場に沢山クリーチャーが出てきても、それらは速攻を持っている訳ではないので、時間的猶予があります。
緑信心の最大の弱点は、展開したターンは殴れない、つまり速攻を持ったクリーチャーがいないということです。
「収穫祭の襲撃」はカンパニーとは違い、ソーサリーなので、自分のターンに展開されるみたいなことはありません。大量展開されたとしても、まだ余命は1T残っているのです。
そのすきをついてなんとか20点削り切りましょう。
そして、20点削り切れなかった場合、つまり相手の盤面が完成してしまったら、クリーチャーを沢山並べて徹底的にブロックする事を心掛けましょう。
が、この時「増員された浪人」のある意味唯一の弱点、手札に戻ってしまうのデメリットが出てしまうのは忘れてはいけません。
「増員された浪人」はブロッカーになれないという性質です。
ここが本当にきついので「増員された浪人」はゲームの後半になったら「稲妻の斧」のコストや「爆片破」の種として積極的に運用しましょう。
血トークンは「本体火力」を探す最後の手がかりとして使いたいので、なるべく温存します。
ちなみに「大いなる創造者、カーン」が場にいると「ヴォルダーレンの美食家」で出した「血トークン」が使えない「実験統合機」の起動能力が使えないという大問題があります…この点はもうどうしようもないので、「爆片破」の種にしちゃいましょう。
という訳で、基本的にサイドインするカードの交換対象として「実験統合機」があげられる訳ですね。
サイドインカードとしては「真髄の針」がまずキーです。このカードがあれば、一旦「カーン」と「キオーラ」が止まるからです。加えて「爆片破」の種になるのもいいですね。
相手が「真髄の針」を破壊してきた返しに、そのスタックで「爆片破」を決めてあげると悲鳴があがっていいです。
という感じで「真髄の針」は極めてこのデッキと相性がいいメタカードなんですが、ニクソスが止まらないのがネックですね。
最近思うのは「高山の月」の採用です。
ロータス系にも強いので、入れて損はないと思います。
「稲妻の斧」については、まぁ当然入れない理由がないのでぶち込みます。
が、この「緑信心」に至ってはタフ6が焼けないと話にならない事が結構あります。
アグロ対策と称して、結構タフ6系が採用される事があるんですよね。
メイン戦だとそもそも「茨の騎兵」や「ヴォリンクレックス」がタフ6あること。
続いて「長老ガーガロス」。
赤単で戦った時にサイドインされてちゃんと死にました。本当に赤単に対する必殺の一枚です。
こういったカードをケアするために「バーニングハンズ」は2枚採用が必須だと思います。
このカード一枚あれば勝てた試合と、逆に所詮除去って感じなので負けたみたいな試合沢山あるので、未だに採用するかしないか悩んでる所もあるんですが…まぁないよりマシですね。
このカードの偉い所は、緑信心に採用されているクリーチャー・PWを一枚で処理できる点です。
タフ6系は言わずもがなですが、マイナス能力を一度使ったキオーラや、+能力を使った「世界を揺るがす者、ニッサ」も処理できる点です。
また、緑以外の場合でも最低保証として2点のダメージが飛ばせるがいいですね。緑タッチの多色デッキで、緑系のクリーチャーが出てこない!みたいな状況になっても、最悪打てるのが「引き裂く榴弾」にはない利点です。
例えば、グルール機体みたいなデッキに対して有効です。
「恋煩いの巨獣」をけん制しつつ、タフ2までなら焼けるという安心感は割と重要です。
という訳で、緑信心に対するマッチアップ、特に後手の場合はかなり厳しいので、サイドからメタを張らないと、マジで負けます。
ただ、逆に言うとテンポをしっかり取れたら、相手はそもそも妨害する手段が「王神の立像」くらいしかないので、あっさり勝てます。その分、こちらが負ける時はよりあっさり負けるんですけどね。
ちなみに、カーンから出てくるアーティファクトを割らないのか問題については、正直議論が分かれる所です。
要は「削剥」をサイドから入れるか?という問題です。
自分は入れない派ですね。
結局、カーンが出てきて、アーティファクトをサーチされて、それをキャストされている状況ってほぼ「劣勢」なので、その状況まで「削剥」を温存できるのかという事になります。結局、「削剥」が生きるのはゲームの後半になってからなので、それまでに無駄な手札を一枚でも残せる訳がないのです。
赤単バーンは、相手にテンポ取られたら負けです。それよりは「真髄の針」みたいなカードで相手の必殺の動きだけケアしつつ、「爆片破」の種として活用する方がいいと思います。
ちなみに、これは赤単ではないのですが白を混ぜて「石の宣告」というカードを採用すると、一気に動きやすくなります。
やはり、緑信心に強いのは追放除去なんですね。このカードは、ボロスゴブリンみたいなデッキに採用されていたりするのですが、より緑信心にガードを上げるなら、土地をいじって赤白にして、妨害札を若干足してあげるといいでしょう。(僕は基本的に殺意ましましが好きなので赤単にしてますけどね)
3-3.イゼットフェニックス
サイドアウト:僧院の速槍×4 実験統合機×2
サイドイン:風化したルーン石×2 引き裂く榴弾×3 稲妻の斧×1
最近「手練」を獲得したことによって、台頭してきたデッキです。このデッキに対抗するためには、兎に角本体火力を相手に打ち込む事。それだけです。
基本的に、相手のデッキには単体除去が8枚入っているということから、クリーチャーメインのデッキがこのデッキと当たると、本当に目も当てられません。相手の墓地肥やしを加速するお手伝いをしてしまうわ、フェニックスの蘇生条件に繋がってしまうわで大変です。
また、「氷の中の存在」、「帳簿裂き」などの青系でタフが高いだけではなく、放置すると、こちらのライフが一気に詰められてしまうクリーチャーが厚く採用されているのも本当にキツイです。
特に、こちらのクロックをゼンメツさせた後に「孤光のフェニックス」が3体くらい出てくると、お手上げとしか言い様がありません。「孤光のフェニックス」にはこちらの「引き裂く榴弾」が効かないので、サイド戦以降、如何にフェニックスを出させないように相手が常にカウンターを構えて動けないようにするのか、みたいな事が問われます。
個人的には、一回出されたら基本的に放置が無難です。熊野をなるべく場に残して、除去呪文で丁寧に除去していく、くらいしかないですね。
要は、ゲームが長期化したらこちらの負けの確率が上がるとおもってください。
とはいえ、相手のデッキは色拘束が強く、ショックランドはなるべく、アンタップインさせたいデッキなのは確かです。更に、ライフゲイン手段が多分ないので、20点削れば勝てる相手であり、更にドロースペルにスロットを多く割いている都合上、カウンターもそこまで積めない事から、バーンには弱いという側面があります。
また、「帳簿裂き」や「氷の中の存在」を出す時は、比較的相手の土地が寝ている場合が多いので、ここを隙と捉えれば軽量クロックが活躍する瞬間が結構あります。
結局の所、イゼフェニは殴って勝つデッキなので、2マナのクリーチャー達はマナを寝かせるリスクを負っててでも先に出したくなるんですよね。特に、普通の赤単だったらタフ3~4は処理しにくいので。
そこで「稲妻の斧」「引き裂く榴弾」を使ってうまく除去して空いた盤面で「増員された浪人」をプレイし、相手のライフを詰め切る事が重要になってきます。
フェニックスが出てくるターンまでに貯めていた本体火力を連打して速やかに相手のライフを0にしましょう。
サイド後は、結局相手のデッキに除去が沢山あることから、クリーチャーの価値が下がる点を考慮し「僧院の速槍」を大胆に抜く事をお勧めします。
その分、除去を厚めに採用し、負け筋である孤光のフェニックスを「風化したルーン石」で出させないようにするのが大事です。
「風化したルーン石」さえ出してしまえば、後は相手の2マナのクリーチャーをどうにか除去すれば勝てるからです。
が、とはいえ、本体火力の弱点であるカウンターに弱いというのが、結構辛いの事実です。今回、手練が採用される事によって、相手は1マナ浮かせてプレイをするという事が楽になってしまいました。
その1マナを使って「呪文貫き」を構えられると極めて厄介です。
最近、イゼットフェニックスと対面したのですが「熊野」や「爆片破」などのこちらのキーとなるカードを徹底的に「呪文貫き」された時は、本当に厳しかったですね。
リソース勝負になると、こちらは負けるので、序盤の攻防が本当に鍵になります。
という訳で、試合の最後でかなり重要になるのが特殊土地シリーズ「バグベアの居忠地」「ナムナプの遺跡」です。
このカードで最後の2~3点をいかにえぐり取るのかが勝負の鍵です。
「バグベアの居住地」は、横展開が出来るので、最悪ブロックされても、1点は取れる点がイゼフェニと相性がいいです。
とはいえ、スタッツは貧弱なので相手の単体除去に取られてしまう事も多いんですが、「バグベアの居住地」を出すまでに、多分こちらのクロックってほぼほぼ全滅してるんですよ。ってことは、相手も除去をかなり切っている筈なので、案外アタックが通ります。
ここが強い。
で、「バグベアの居住地」でギリギリまでライフを削った所に、イゼットフェニックスには絶対にカウンターできない「ラムナプの遺跡」を起動していきます。
この前、イゼフェニと試合をしたのですが、最後の最後までお互いにクリーチャーを除去しあい、ライフを削り合う展開になりました。
そこで最後の決め手になったのが「ラムナプの遺跡」だったのです。イゼフェニに採用されているカウンターでは、起動能力を止める手段がないし、スタックで本体火力を打ち込まれるみたいな事もないので、残りライフ2まで削れば、ほぼ勝てるという保険を与えてくれます。
3-4.ロータスコンボ
サイドアウト:実験統合機×2
サイドイン:稲妻の斧×1 乱動する渦×1
有利と言えば有利ですが、不利と言えば不利です。
結局の所、相手が最速の動きをされたら何も出来ません。
という訳で、こちらが取るべき手段は「じゃぁ僕も最速の動きしますね」という事です。
序盤から「増員された浪人」「僧院の速槍」を展開し、「爆片破」で一気に詰めにかかりましょう。最速4キルを如何に素早く決められるかが問われるマッチアップとなります。
天敵は「樹上の草食獣」。タフが3あるのが非常にネックです。
このカードを突破するためには「クリーチャー」+「火力」しかありません。
これが本当にキツイですね。
偶にブロックしてこない時があるので、その場合は「批判家刺殺」などで処理しましょう。
また、こういう時に助けになるのが「稲妻の一撃」です。初手に「稲妻の斧」があるのがベストではありますが、こちらについては「溺神の信奉者、リーア」の処理という仕事があったりするので、そういう事を考えたら、できれば「稲妻の一撃」で処理しつつ「僧院の速槍」の果敢と合わせて本体に打点を打ち込んでいきたいですね。
という感じで、このマッチアップについては、先にこちらがライフを削り取るか、ロータス側が如何にコンボを早く成立させるかの勝負になるので、非常にひりついた戦いになります。
何度か戦った事があるのですが、マリガンが全てですね。
油断した側、油断した初手から始めた方が負けます。
また、ロータス側は延命措置として「至高の評決」をプレイしてきますが、そうなった時はねらい目です。「増員された浪人」の手札に戻る効果を存分に生かして暴れてやりましょう。
また、こちら側が出来る対応として「乱動する渦」を出すというものがあります。まぁ、言ってしまえば「乱動する渦」がある状態だと、相手は「出現の根本原理」を打てません。「全知」対策にもなるので、本当に必殺の一枚です。サイド戦以降、絶対に引きましょう。
このカードに対応するためには、相手は母聖樹で割るか、大田原で戻すくらいしか手段がありません。
また、偶にザカマとか出して殴ってくることもありますが、その時はあきらめましょう。
3-5.ロータスコントロール
サイドアウト:実験統合機×4 稲妻の一撃×1
サイドイン:稲妻の斧×1 引き裂く榴弾×3 真髄の針×1
従来の青白コンであれば、割と有利に戦えたんですが、ロータスコントロール対面は、正直「厳しい」ですね。
特に厄介なのが「厳しい試験管」。
このカードがあると「ヴォルダーレンの美食家」のETB能力がそもそも使えません。また、タフネスが3もあるので、軽量クロックが軒並み止められてしまいます。
勿論、果敢等でパンプアップして打ち取りたい所なのですが、そこで「魂の仕切り」や「放浪皇」が飛んでくるのが通例です。
という訳で、なるべく除去呪文で処理しないといけません。が、タフが3あるので「火遊び」では処理できない。という訳で、メイン戦だと「稲妻の一撃」でなるべく処理する事になるのですが、この2マナの生物を処理する為に2マナは出来れば使いたくないですね。
唯一の救いがあるとすれば、青白コンの場合は、カウンターがバンバン飛んでくる怖さがあったのですが、ロータスコンに限っていえば、打消しの心配がそこまでない事です。(入っていてもせいぜい2枚程度なんで)
また、採用されているラスは、デッキ毎に様々ありますが、この「浪人破」は「至高の評決」「太陽降下」「告別」に対して、一定の強さをこのデッキは持つので、相手がラスをバンバン打ってきても、どうにかなります。
が、マナ加速が尋常じゃないので、ラスを打ちながら、2~4マナ構えられると死ぬんですけどね。
という訳で、このマッチアップの肝は「爆片破」です。
相手のマナが「記憶の氾濫」で消し飛ぶ時にスタックでどれだけ本体火力を打てるか、「不連続性」を打たれたスタックにどれだけ本体火力を連打できるか。そこが鍵です。
この「5打点」の強さが生きるのがロータスコンですね。相手からして「5点残しておけばどうにかなるだろう」と思わせたら一本取れる確率があがるので、絶対にメイン戦は取りたい所です。
という訳で、メイン戦は以下の➀~②をポイントに切り抜けましょう。
➀「厳しい試験管」が出てきたらすぐに焼く。そのために、1マナ常に浮かせる
②不連続性のスタックで本体火力を全ブッパする。というか4マナ溜まったらクリーチャーでは基本的にアタックはしない(放浪皇の餌食になるだけ。勿論相手の反応見ていける時は行く)
問題はサイド以降です。「敬虔な新米、デニック」などの絆魂クリーチャー、「龍王ドロモカ」などの一枚の除去で処理できない馬鹿デカクリーチャー、無限ドローされる「パルン、ニヴ=ミゼット」これらを上手く捌きながらゲームを進めないといけません。
これらに対する回答は「引き裂く榴弾」「稲妻の斧」です。これらを駆使して、不連続性のスタックで除去を打ちながら、頑張りましょう。
また、相手としてもクリーチャーで戦う=ラスを入れにくい筈なので、クリーチャーでガンガン攻める事を忘れずに。
また、「放浪皇」を止めるために気休めではありますが「真髄の針」を入れてあげます。相手が順当に土地を加速していったとしても、結局の所テフェリーが出てくるまで時間はあります。その間に相手がしてくるのは「放浪皇」で軽量クロックを除去しながらライフゲインすることなので、その動きをどうにかして封殺します。
テフェリーについては、正直、着地した瞬間に諦める方がいいと思ってます。テフェリーの忠誠値を削るくらいであれば、ライフを詰めに行った方がいいのでね。(結局、相手には「冥途灯りの行進」「告別」みたいな、アーティファクトの対策もとれるので、一時しのぎとして使った方がいい)
「真髄の針」を相手が咎めるというのであれば、4マナは多分浮いていないので、その隙をついて軽量クロックを連打してやりましょう。
2枚入れない理由は、先ほども言った通り「冥途灯の行進」等で除去される事も多い上に、このカードも勝ちに直結する一枚ではないからです。何回か、2枚真髄の針を引いてしまって、勝ち筋を失ってしまった。という事があったので、その点を踏まえると1枚で十分かなと思います。
「真髄の針」で相手の「放浪皇」のキャストを咎めつつ、相手が除去しようとしてきたら「爆片破」の種として使用して相手に5点火力を飛ばすのが一番うまい使いかたです。
そして、忘れてはならないのは、このマッチアップにおいて「ラムナプの遺跡」はかなり重要だという事です。「不連続性」のスタックに合わせて、いつでも相手に2点与えられるんだ。というプレッシャーを与えましょう。
3-6.異形化
サイドアウト:実験統合機×4 僧院の速槍×4
サイドイン:稲妻の斧×1 バーニングハンズ×2 削剝×2 風化したルーン石×2 兄弟仲の終焉×1
このマッチアップでは、基本的に、相手の異形化の種を潰す事が鍵になります。メイン戦で「アトラクサ」を出されたら負けなので、基本的に赤1マナを浮かせる事が大事です。キルターンは遅めにして、じりじりと根気よく戦います。
「僧院の速槍」は強いクリーチャーですが、基本的にサイド戦からは抜いた方が強いと思います。なぜかというと、相手の除去に弱いからです。
それと、結局の所、このデッキは「偉大なる統一者、アトラクサ」を止めれば割と生存しやすいので、できれば相手の動きを止める為に常に構える必要があります。
相手のマナが寝ている隙を使ってクロックを叩きこむ事が大事なので、基本的に、赤1マナは構えて、相手が異形化を打ちにくい動きをしつつ、土地が集まってきた所で相手のクロックを詰めていきます。
相手のビックアクションを徹底的にメタって勝利をもぎ取りましょう。
このマッチアップにおいては「エシカの戦車」「湧き出る源、ジェガンサ」が天敵となります。
これらのクリーチャーに対応するために、メイン戦では「稲妻の斧」が重要になってきます。この2枚はメインだと一枚で突破できるカードが「爆片破」か「稲妻の斧」しかありません。「エシカの戦車」は放置されるとあっという間に猫が増えてしまい、自分の軽量クリーチャーが除去されるだけではなく「異形化」の種を簡単に用意されてしまいます。
「ジェガンサ」については、タップして出た5マナで3ドローor「アトラクサ」を手札から素だしされてしまうので、生きて返してはいけません。マジで負けます。
という訳で、サイド戦からは、除去をガンガン採用して相手の場を壊滅させます。肝は「バーニングハンズ」です。最悪アトラクサが出たら、このカードで無理矢理焼却しましょう。
「削剝」については、アーティファクト対策と、異形化の種潰しに必要です。特に、「急使の手提げ鞄」の3枚ドローだったり、この一マナからアトラクサの素だしに必要な白マナを消すために必要です。
最近は「鏡に願いを」などを採用する事もあるので、その種としても有効なのが厄介です。まぁ、処理の優先度は低いので、このカードはつぶせるときに潰しましょう。
また、最近の型はPWの採用も顕著なので、そういったカードをまとめて処理するために「兄弟仲の終焉」を入れてあげます。
また、念には念を入れて「風化したルーン石」を入れる事で、異形化そのものの動きも封じてやりましょう。
このマッチアップの肝は、絶対に異形化を決めさせない事です。これに付きます。焦ってマナを寝かせて、自分のマナを0にしてしまうと、相手の場にクリーチャーが出てきて、あっという間にライフを回復されてしまうので、本当に根気強く戦っていきましょう。
また、このデッキも例にもれず、ライフゲインがアトラクサ以外ないので、20点削ればどうにかなります。序盤戦はクリーチャーで攻めまくり、ゲーム中盤からは「爆片破」などを駆使して、相手のエンドステップ中に本体火力を打ち込むなど、隙なく、でも確実に相手のライフを刈り取っていきましょう。焦ったら負けです。
3-7.ボロスヒロイック
サイドアウト:実験統合機×4
サイドイン:稲妻の斧×1 引き裂く榴弾×3
ボロス系のデッキってマジで、色々なアーキタイプが上に上がってきては沈んでいくの繰り返しをしているのですが、ボロスヒロイックはその中でも息が長いというか、少しずつ強化パーツを貰いながらメタゲームに食い込んでくるアグロデッキです。
基本的に軽量アタッカーを強化して殴るデッキになるので、相手がクリーチャーを出してきてマナを寝かせてきたら即除去を打つことを繰り返します。ただ、一発でも打ち漏らしたら負けなのは注意が必要です。
また、こちらのデッキはタフ5までは抑えられますが、それを超えられたら詰みです。また、プロテクション系も苦手なので、大型の除去は取っておいて只管相手のスペルを枯らしていくことを心がけます。(というかそれしか勝ち手段ない)
メイン戦はかなり厳しいので、サイド戦からが本番です。
3-8.白単人間
サイドアウト:実験統合機×4 稲妻の一撃×2
サイドイン:稲妻の斧×1 引き裂く榴弾×3 兄弟仲の終焉×2
「スレイベンの守護者、サリア」はマスト除去です。
サリアを守る「離反ダニ、スクレルヴ」や「不屈の騎士」が出てきたらそちらから優先的に処理します。
できれば2Tに出てきたサリアを潰しましょう。
メイン戦は正直除去が足りないので、サイド戦から頑張るしかありません。(特に、メイン戦は実験統合機がかなり腐ります)
サリアは「火遊び」などの1マナ除去で突破し「エーデリン」は「引き裂く榴弾」で除去。他のクリーチャーは「兄弟仲の終焉」で流しましょう。
このマッチアップはどの火力呪文で何を除去するのかが分かっていないと「あ~引き裂く榴弾足りない~」みたいな事になるので、どの除去を度のクリーチャーに当てるのかある程度想定して挑む必要があります。
が、サリアの2体目、「救出専門家」なんかが出てくると本当にきっついです。そうなったら自分のトップにお祈りするしかありません。
場にクリーチャーが沢山並ぶと「サリアの副官」が出てきて赤では対処できなくなるので、盤面にクリーチャーが並ぶのは絶対に避けましょう。
という訳で、このマッチアップは初手のキープ基準が本当に大事です。
特に、サイド戦以降、手札に除去が2枚くらいないなら絶対にマリガンします。っていうか、少しでもテンポを取られたら負けなので本気で警戒してください。
こちらの除去で盤面が流せたら後は、相手が再展開するまでに手札にためた火力を打ち込んでライフをとっとと0にしましょう。
理想としては、増員された浪人よりは「熊野」「ヴォルダーレンの美食家」を先にプレイする事を優先します。その理由は単純で、少しでも盤面にクリーチャーを残して、こちらが除去を打って盤面を綺麗にした所で少しでも相手のライフを削る為です。「増員された浪人」は手札に戻ってしまうので、除去を打つことで手一杯な時は相手にダメージを与えられないのが非常にネックだからです。
そのため、序盤戦は熊野の裏面だったり、僧院の速槍で攻めて「兄弟仲の終焉」で流した返しに「増員された浪人」をキャストし、一気にライフを詰めて「爆片破」の起動までこぎつけてください。
結局の所、相手は盤面のクリーチャーを流されたら何もできないので、その隙をつきましょう。
ただ、カンパニー採用型の人間デッキは諦めましょう。
本当に運がいい時は勝てますが、基本的に勝てないっす。
セレズニアカラー=カンパニー型なので、それをみて風化したルーン石をサイドからインするのもありではあります。
3-9.赤緑ビートダウン
サイドアウト:実験統合機×4 稲妻の一撃×3
サイドイン:稲妻の斧×1 バーニングハンズ×2 兄弟仲の終焉×2 削剝×2
こちらも、マナクリを焼く事から始めます。このマッチアップの肝は「恋煩いの野獣」を「稲妻の斧」で突破できるか「エシカの戦車」「スカイソブリン」を「兄弟仲の終焉」、「削剝」で突破できるか「ヴォルダーレンの興奮探し」のスタックに除去を合わせられるか、「無謀な嵐探し」が出てきたら「稲妻の一撃」等の3点火力で落とせるかにかかっています。
まぁ、つまり、相手が何か呪文を唱える→それに対する回答を提示し続けるのが大事って事ですね。
最近は「狩人の贖罪」も入ってきて、サーチ手段も手に入れてしまったのが本当に良くないです。徹底的に相手のクリーチャーとアーティファクトを処理しましょう。
逆にいうと、盤面のクリーチャーを処理すれば怖くはないです。リソースの回復手段等も乏しいし、結局ライフは20点から増えないデッキなので、相手のテンポを徹底的に崩せば、割りとやれるはずです。
が、サイドから「減衰球」などのメタカードが入って来ることがあるので、そういった致命傷を察知しながら動けるかも勝負の分かれ道でしょうね。
3-10.奇怪な具現
サイドアウト:実験統合機×4
サイドイン:稲妻の斧×1 風化したルーン石×2 乱動する渦×1
このマッチアップは兎に角時間がありません。なぜなら、エンチャントを割る手段がこちらにはないからです。で、サイドから入れたこちらのメタカードはガンガン割られます。ので、急いで相手のライフを0にするように心掛けましょう。
相手のデッキに搭載されたクリーチャー達は、ライフゲイン能力を多く持っているので、3T以降、ライフを5点以下に出来ないと、そのままジリ貧になって負けてしまいます。
という訳で、本当にジャンケンで勝つ所から試合が始まります。
先手が取れたら有利ですが、後手は本当に厳しいので覚悟してください。
「包囲サイ」などが怖いという事であれば「引き裂く榴弾」なども入れていいとは思いますが、入れたところで「機械の母、エリシュ・ノーン」には遠く及ばないし「産業のタイタン」なんか出てきたら実質詰みという事を考えると、実験統合機でちんたらやるのではなく、メタカードを張りながら、「爆片破」で一気にライフを詰めていくのが先決だと思います。
「乱動する渦」はライフゲインに強いですが、このデッキ自体がエンチャントの対処にも強いので、万能ではなく、一時しのぎをしながらダメージを継続的に与えられるという意味で相手だけ効く「大歓楽の幻霊」みたいな感じでサイドから入れましょう。
3-11.ラクドスサクリファイス
サイドアウト:僧院の速槍×4 稲妻の一撃×3
サイドイン:稲妻の斧×1 風化したルーン石×2 兄弟仲の終焉×2 削剝×2 真髄の針×1
「増員された浪人」はこのマッチアップかなり強いです。が、「僧院の速槍」は本当に利用されて捨てられるので、サイドに下げましょう。(入れてて、碌な事なかったです)
サイドからは「魔女のかまど」をメタりつつ「風化したルーン石」で「クロクサ」と「大釜の使い魔」を墓地から出させないようにします。
「真髄の針」で「魔女のかまど」を1Tに止められたら理想です。絶対に引きたいけど、まぁ中々引けないもんですからね…
で、盤面に「波乱の悪魔」などタフ3以下のクリーチャーが並んできた所で「兄弟仲の終焉」をぶち込みます。
また、サイドから「敵対するもの、オブ・ニクシリス」が出てくることもあるので、その場合も「兄弟仲の終焉」で流すことが大事です。
兎に角このマッチアップは相手に「思考囲い」を打たせないように立ち回る事。(「兄弟仲の終焉」「風化したルーン石」みたいなメタカード取られないようにしよう)相手の動きを真っ向から封殺する事が鍵です。特に「大釜の使い魔」によるチャンプブロックのループが決まると、一瞬で負けてしまうので、そこだけは絶対に避けましょう。
このマッチアップだと、熊野の裏面も大活躍しますが「初子さらい」で撮られる事は常に念頭に置きましょう。できれば「ヴォルダーレンの美食家」を相手に取らせて「初子さらい」を使わせる方向にもっていきます。
3-12.スピリット
サイドアウト:実験統合機×4 稲妻の一撃×2
サイドイン:稲妻の斧×1 引き裂く榴弾×3 兄弟仲の終焉×2
このマッチアップは、絶対に相手にイニシアチブを取らせない事です。こちらの軽量呪文は基本的に「霊灯の罠」「交渉な否定」で打ち消される事を念頭に置きます。ほぼ確実に1Tにスピリットが着地するので「火遊び」が手札にあると最高にいいのですが、ない時は極めて難しいです。
単体除去をプレイする際は、基本的に相手のマナが寝ていないとほぼいみがないのが辛い所です。「鎖鳴らし」で呪禁を付与されると、試合がマジで終わります。
キーとなるのは「僧院の速槍」です。できるだけ果敢を誘発させて、相手のスピリットを防戦一方に追い込む事が鍵となります。要は、こちらの除去のスタックにスピリットを出させるのではなく、相手をマストブロックの状況にしてから単体除去を打ち込む為ですね。
という訳で、序盤戦は徹底的に相手の本体に火力を打ち込みます。相手が溜まらずカウンターを使って来たら、それに合わせて除去をプレイする事で確実に盤面の脅威をクリアすること。これが絶対です。
また、基本的に相手は殴るデッキなので、クリーチャーをプレイせざるを得ないのも重要ですね。
相手のマナが余っている状況で、ロードを出されるとほぼ詰みですが、ブロッカーを立てて守りの体制に入ってきた時に、その隙をついて「兄弟仲の終焉」を打ち込みましょう。
また「増員された浪人」もかなり大事です。「増員された浪人」は毎ターン唱える必要があるので、相手がうざがって「カウンター」を使ってくれたらラッキーです。その隙をついて相手のクリーチャーを除去していきましょう。
サイド戦からは打消しの効かない「引き裂く榴弾」がキーとなります。
また、一番肝心なのが、スピリットはドローソースを「執着的探訪」に頼っている事です。
これが付いたクリーチャーを除去できれば、リソース勝負的にどうにか勝てます。ってか処理できないとほぼ負けなんですけどね。
最近はあまり見ませんが、バントスピリットは本当に厳しいです。っていうか、赤単自体「集合した中隊」がキツイんですけどね、沢山除去を入れているとはいえ、間に合わない事の方がおおいので。
3-13.パルヘリオンシュート
サイドアウト:実験統合機×4 稲妻の一撃×2 批判家刺殺×4
サイドイン:稲妻の斧×1 引き裂く榴弾×3 兄弟仲の終焉×2 風化したルーン石×2 削剝×2
今までの記事では「赤単バーン以外に3キルデッキはない!」みたいな過激な発言を書きまくったのですが、実は「パルヘリオンシュート」については殆ど言及していませんでした。
理由は単純で、このデッキだけ動きのピークが3Tなんですよね。(や、最近はローナコンボとかもありますけど)
このデッキはマジで別格です。墓地メタをしっかりすればどうにかなる訳でもなく、墓地がダメなら「エシカの戦車」を素直にプレイ。場にメタカードがあったら「ウィザーブルームの命令」で処理しつつ墓地を肥やす。みたいな器用な動きもできるので、3Tコンボを内蔵したミッドレンジというのがこのデッキの正体です。
「抹消する稲妻」のようなソーサリータイミングの除去を採用しにくいのはこのデッキが環境に存在するからと言ってもいいでしょう。
2Tに「忌まわしい回収」で機体を墓地に落とす、3Tで「大牙勢団の総長、脂牙」が出てきたら終わります。
本当になすすべもなく終わります。
赤単バーンの戦い方は、とにかく1~2マナを残しつつ、絶対に「脂牙」を3Tに着地させないように動く事が大事。アブサンカラーだと、2Tまでに判明したら「あ、脂牙処理できるように構えよう」という動きにシフトします。
「稲妻の一撃」「稲妻の斧」は脂牙を処理するために存在します。
サイド戦は徹底的にメタりましょう。
「脂牙」をリアニメイトする「未練残り」、機体復活能力を阻害するために「風化したルーン石」を採用。(とはいえ、破壊される事は前提で動く事)
相手が、メタカードの処理にマナを使っている内に、ライフを詰めていきます。
エシカの戦車が出てきたら「兄弟仲の終焉」「削剝」で流しましょう。
とはいえ、相手は3色デッキ且つ、3Tで勝負を決めにくる都合から「ショックランド」「マナの合流点」などのダメージランドを多用してきます。「思考囲い」などのハンデスも使ってくるので、意外と相手のライフは減りやすく、「脂牙」を一回しのげば割と勝てたりします。
そのために、相手の土地を見てデッキタイプを判断し、即座に構えるなど、動き方を調整することが大事になってきます。
そしたら、意外と20点削るのは難しくないのでがんばりましょう。
4.終わりに
という訳で「増員された浪人」と「爆片破」を採用したデッキについて、色々と解説してきたのですが、実は「エルドレインの森」に収録されたカード群によって、更に赤単は強くなってしまいました。
という訳で、この記事の内容は若干古い部分もあるので、書いていてちょっと消化不良な部分もあるのですが、それはまた次回の記事で触れようと思います。
ただ「増員された浪人」が今の環境に合っている事、特に次の段のイクラサンにて「魂の洞窟」がパイオニアにやってくることからしても、カウンターより除去の方がより多く採用されるようになると思います。
という中で「増員された浪人」の価値は多分これからますます強くなりますし、5点火力の偉大さみたいな物も増えると思います。
そういった所いついて少しでも伝わったらと思います。
それでは、ここまでお読みくださった方、ありがとうございました。