【MTG】マジック・ザ・ギャザリングにはまってから人生が変わった話
はじめまして。あるばすと申します。
一発目の記事ということで、自分のMTGの経歴について語ろうと思います。
僕は普段、紙はパイオニアと統率者(最近始めた)、アリーナではエクスプローラーで遊んでいます。
最近は、スタンダードでオリジナルデッキを作って、トスカさんの生放送に挑戦するのが趣味です。(ついに7/7の生放送で念願のサムネゲット)
とはいえ、MTG歴は一年半くらいのペーペーです。(5年以上前に、MTGアリーナに触れた事はありますが、2週間程度でやめちゃったので、実質やってないに等しいです)
※画像は以下のサイトから引用
1.一番最初のMTG
一番最初にMTGに触れたのは、最近のエキスパンションがカルドハイムだった時です。
確か「世界初のTCGをPCで遊べる」みたいなWEB広告に釣られて、PCにMTGアリーナをダウンロードた気がします。
当時は、メタゲームだとか、デッキのティア表みたいな存在も分かりませんでしたし、スタンダードとヒストリックの違いも分かっておりませんでしたので、とりあえず、一番最初に貰ったスタータデッキをひたすら回してました。
無料でもらったコインでパックを剥いて、デッキを強化!みたいな事もしてましたが、どういうカードが強いのか、どういうカードが自分のデッキに合っているのか、何も分かりませんでした。
そんな状態でランクマッチに行っても、ブロンズ帯から抜け出せる訳がなく、、、当時はMTGって何が面白いんだろう?と思いながらプレイしてました。
ただ、何故か使ったカードの事はよく覚えているんですよね。
「硬鎧の大群」です。
たまたま引いたパックから当たったんですが、効果を一読して「土地を一杯だして、一杯並べて殴ればよくね?」と思いました。
その発想から「硬鎧の大群」を軸にした緑単「上陸」デッキを作成しようとしました。
「硬鎧の大群」の能力を活かすには、なるべく早く土地を6枚以上出す必要がありましたので、「耕作」みたいな土地を伸ばすカードを大量に入れた記憶があります。(確か、「硬鎧の大群」以外クリーチャー0、後は土地伸ばすカードだけだったかな)
それで、ランクマッチに挑んだんですが、結局「硬鎧の大群」を除去されたら終わりだったので、ブロンズ帯から抜け出せませんでした。
今思うと「何も分からない状態で、一人でオリジナルデッキ作っても、勝てないし、面白くないんやで」って自分に言うと思うんですが、当時の僕は、オリジナルデッキが全く歯が立たないデュエルに疲れ果ててMTGをやめ…た訳ではなく、
「硬鎧の大群」のせいでやめました。(と言っても過言ではない)
このクリーチャーの最大の魅力は、トークンが大量生産される事にあります。が、大量生産されたクリーチャーは、パソコン&スマホに強い負荷を与えるので、処理落ちを誘発させます。(wikiをみたら「硬鎧の大群」の処理落ちを改善するためにアリーナのトークンの表示処理が変更になったらしいです。まぁ、僕が引退してから直ったみたいですが…)
5回に一回くらい、たまたま上手く回って、トークンが大量生成されると、そもそもゲームがプレイできなるという事象が連発する訳です。
つまり、基本的に負けるわ、勝てそうな試合は物理的に勝てなくなるわで散々だったのでやめたという感じです。
新しいデッキを作るにしても、WCの枠を使ってどのカードを作成すれば何も分からなかったので、モチベが沸かず、僕のMTGデビューはあっけなく終わりを迎えました。
2.カードゲームに対する熱意について
少し話は変わりますが、自分は遊戯王出身のカードゲーマーです。
小さい頃、100円で4枚入りの遊戯王のカードダスを回したのが、カードゲームとの最初の出会いでした。
今でも、当たった4枚のカードは鮮明に覚えている(「魔導騎士ギルティア」「牛魔人」「笑う花」「人造人間7号」)くらいに、当時の自分にとっての遊戯王は特別な物だったと思います。
なぜ、自分が遊戯王にはまったのかは、正直覚えていませんが、自分今カードゲームをしているのは、間違いなく遊戯王のお陰です。
遊戯王に対する思い出は、良くも悪くも沢山あります。
あきれる親に懇願しながら、リビングを独占して見させてもらっていた、毎週火曜7時半から始まる遊戯王のアニメ。
「カードなんてゴミを買うな」とあきれる親に𠮟られながら買った遊戯王のパック。
引き当てたカードだけで組んだ、自分だけのデッキ。
友達と遊戯王で遊んで勝つことの喜び。
自分が持っていない・知らないカードを沢山出させて、圧倒的火力で焼かれて負けた時の悔しさ。
自分が持っているカードの効果を読んでにやついていた、放課後の日々。
遊戯王は、人生で初めて出来た趣味だったと思います。
ただ、問題だったのはその趣味に対して、今一本気になりきれなかったことでした。
そもそも、両親にはカードを買う事を反対されていましたし、何度も没収されました。じゃぁ、カードショップにいけばいいじゃないか、という話もあると思いますが、自分が住んでいる所は田舎で、カードショップにいくためには、隣町まで電車でいかないといけませんでした。(基本的に車社会なので、車がないと行けません)
そんな中で、秘密裡にカードを買って、デッキを組んでは友達と遊んだりしてたのですが、友達はパックを箱買いしていたり、兄から譲り受けた強力なカードを沢山持っていたりして、全くといっていいほどカード資産に差がありすぎて歯が立ちませんでした。
また、「どのようにデッキを組めばいいのか」「どういうカードがこのデッキには必要なのか」みたいな情報を何1つ持っていなかったので、中途半端なデッキがいくつも出来ては、友達のデッキに殺される事が連発しました。
遊戯王のBOXを箱買いしている友達が本当にうらやましくて仕方がありませんでした。
高校生になってようやく、箱買い出来るようになったのですが、狙いのカードは中々手に入りませんでした。「カードを個別に買えばいいのでは?」というツッコミは、今だから自分にできることで、当時は、定期的に集英社から発行されるカード図鑑(ヴァリュアブルブック)を眺めて欲しいカードを選定し、収録されているパックを只管買う事しかできませんでした。
自分が高校生の時は遊戯王ブームが過ぎ去っており、シングルカード所か、パックを売っている店の方が珍しいくらいだったので、カードを手に入れて遊ぶという事が難しかったです。
この時点で「カードゲームに金を掛ける人間はバカ」(親に沢山言われたので、今でも心に残っている)と言われている人間が出来るのは、せいぜい学校帰りに、イトーヨーカドーに売られている遊戯王のパックを買ったり、ブックオフのストレージから欲しいカードを引き当てるくらいしか出来ませんでした。
ただ、引いても引いても、狙いのレアカードが手に入ることはありませんでした。特に、遊戯王の場合はエクストラデッキが充実していないと戦えない事が多かったうえに、エクストラデッキのモンスターを活躍させるためには、相性のいいカードも集める必要があり、当時はデッキを作るのが大変でした。
そういった、フラストレーションの中で、初めて組んだがガチデッキが「ガエル」デッキでした。
「ガエル」デッキとは、星2 水族から構成される、ガエルモンスターを駆使して、盤面に沢山のガエルを並べて殴るビートダウン&コンボデッキです。「ガエル」デッキの特徴はとにかく「安い」&「強い」です。
エクストラデッキをガチると、とたんに必要なカードが増えますが、正直メインデッキでも十分に戦える強さを持っているいいデッキです。
なんでこのデッキを組んだのかというと、理由は単純明快で「自分が引いたパックから沢山の「ガエル」カードが出てきたから」です。一部レアがありますが、どれもほぼノーマルカードで構成されているので、入手性が非常に高かった。だからこそ、自分の目についたとも言えます。
沢山引いたパックから無限に出てきた外れのカードを使って何かできないか。。。と考えている内に、相性のいいカードが沢山見つかり、いつの間にかデッキができていました。
エクストラデッキはリサイクルショップでたまたまみつけた「氷結界」シンクロモンスターをお年玉で購入して強化しました。ガエルデッキは水属性なので、水シンクロモンスターと相性が良く、その点、当時エラッタ前の「ブリューナク」が使い放題だったので、最強だったわけです。
とはいえ、普通にメインデッキで勝てるデッキでしたので、エクストラデッキのモンスターはほぼ相手の盤面をバウンスするか、カタストルで盤面を無理矢理突破するくらいしか使ってなかったですね。
この強さは世界大会で証明されており、実際に「ガエル」デッキはその当時の世界大会で優勝しました。
Vジャンプかなんかで、ガエルデッキ優勝!の記事を見た時は、本当に興奮しましたね。
本当に、自分のデッキは世界一なんだと思ってました。
勿論、今思えば別にオリジナルでもなんでもないのですが、当時の自分は「これが俺のオリジナルデッキだ」と思っていました。
それから月日も経たぬうちに、「ガエル」デッキの主要パーツが軒並み禁止されました。
ガエルデッキのメインエンジンとなるカードがまず禁止、ワンキルに使用するガエルを射出する置物の禁止、シンクロモンスターに繋げるチューナーの禁止、シンクロモンスター本体の禁止。
マジで散々でしたね。
その時、自分の遊戯王熱は一回終わりを迎えたというか、何かが折れてしまいました。
自分が心血を注いで作ったデッキが禁止されて使えなくなるというのは、悲しさもありましたが、なけなしの金をかけて作ったデッキが0円の価値になってしまったショックの方がでかかったです。正に、「カードゲームに金を掛ける人間はバカ」じゃないかと。
なんのために、こんなに金をかけてデッキを作ったんだろうか、と当時はかなりへこみましたね。
紙束から作り上げた、やっとできた自分のデッキを殺されたショックから立ち直ることはなく、そのまま大学受験を迎えて、親に全ての趣味を取り上げられ、いっちょ前に反抗期をむき出しにしながらもなんとか、大学に入った頃には、カードそのものから離れていました。
そこから、少しだけ遊戯王カードを買ってみたのですが、その時にはもはや遊戯王は別のゲームと化していました。(所謂9期のインフレです)基本的に先行一ターン目にどれだけソリティアを重ねて、エクストラデッキから優秀なカードを展開して強力な盤面を作り上げるかがミソのゲームになっており、自分が持っていた・知っていた遊戯王とは別物であることを痛感させられました。
また、遊戯王から離れていた期間があったこともかなりの痛手でした。
自分の知らないカードやテーマが跋扈する環境、新しく増えた召喚方法、それらを柔軟に組み合わせてエクストラデッキから適宜必要なカードを特殊召喚するには、知識だけでなく、膨大なカード資産が必要でした。
それらをゼロから学習して、身に着けたとしても、今度は遊ぶ友達がいませんでした。大学進学を期に、自分の周りから遊戯王を一緒にする友達が消えてしまったのです。
そういった著しいモチベーションの低下が重なって、僕は遊戯王を引退しました。
ただ、そうは言っても自分の中には色々な感情がくすぶっていました。
「カードゲームに没頭したい」「また、ガエルデッキみたいな自分なりのオリジナルデッキを作りたい」「カードゲームで友達と遊びたい」「そういった欲を全力で肯定されたい」
そういった思いが、自分をカードゲームから離してくれませんでした。
遊戯王から引退したとはいえ、遊戯王の対戦動画は常にチェックし、昔のテーマがリバイバルされた構築済みデッキを少しだけ買ったりしてました。
暇さえあれば、フラゲ専門のブログを見てましたし、遊戯王マスタ―デュエルが始まった時には、真っ先インストールして、自分が作りかけたデッキを完成させるために、昔自分が持っていたテーマのカードをかき集めてデッキを作っていました。
ただ、そうは言っても、ガエルデッキを作り上げて、遊んでいた時のような興奮は得られませんでした。
今思うと、自分の作り上げたオリジナルデッキを、友達でも誰でもいいから、人にぶつけたい、それで勝って満足したい、その部分が、大学以降の遊戯王には欠けていたんだと思います。
故に、遊戯王の対戦動画を見ては、ずっと憧れていました。
同じ熱意を持った友達同士が、オリジナリティを持ったデッキでぶつかっている様を見せつけられるのは面白くもあり、悔しくもありました。
自分がしたかったけど、出来なかったことをしている。
ああ、自分もああいう動画を作りたい。
作って、自分だけのコンボを、熱いバトルの応酬を世界に残したい。
みたいな事を思いながらみていました。
という感じで、長々と遊戯王の話をしてしまいましたが、なんでこういう話を書いたのかというと、書かざるを得なかったからです。
長年抱えてきたカードゲームに対する熱意とか、後悔とか、親からの言葉だとか、そういったものを救ってくれたのがMTGだった。
そういう話をこれからする上で、自分がどのカードゲーム出身なのか、どういうカードゲーム人生を歩んできたのか、書かずにはいられなかったのです。
3.統率者デッキを買った日
MTGを引退し、ほぼ惰性で遊戯王の対戦動画を見たり、最新カードを追いかけつつも、カードゲーム自体はほぼしていない、遊戯王マスタ―デュエルも、少し触ってほぼ放置状態だった、そんなある日のことでした。
中学から唯一仲良くしている友達から連絡がありました。
「MTGをやらないか?」
この一言で、僕の人生は変わっていきます。
正直、誘われた時は「もう一度MTGをするのか」と躊躇しました。
一度やめたカードゲームに戻るということは、ハッキリ言って遅れた部分を取り戻すだけでも一苦労ですし(遊戯王で痛い程痛感した)、またMTGの場合、フォーマットの知識すら分からなかった状態だったので、ゼロから新しいカードゲームを、更に20年以上の歴史のあるカードゲームを理解するとなったら、どれくらいの時間がかかるのかと考えただけで、気が遠くなりました。
という訳で、最初は「NO」と言ったのですが、友達が粘り強くMTGの魅力を語ってくれたこと、加えて、友達がデッキを貸してくれるということ、自分は今上京しており、友達のいる地元から離れた所に暮らしているのですが、関東まで来てくれるということで、色々押し切られた結果、MTGを再開することにきめました。
友達に誘われるまま、生まれて初めてMTGを扱うカードショップに行くと、そこには友達がいて、あるデッキを買うように言われました。
理由はあんまり教えてくれなかったのですが、勧められるがまま買わされたのが「常夜会一家の活動」という統率者の構築済みデッキでした。
生まれて初めて買ったMTGのカードです。
なんで「買わされた」と表現しているのかというと、MTGのカードがこんなに高いと思わなかったからです。
自分が買った事のあるカードゲームは遊戯王と、DM、ポケカ(旧の頃です)だけですが、基本的に1パック200円することはありません。構築済みデッキも、大体1つ2000円いくことはないですしね。(3つ買うのが前提とかは言わないお約束だぞ!)
そんな中、この構築済みデッキは、6000円します。
マジで高い。
しかも、別に本気で遊ぶと決めた訳でもない趣味に、こんなに金をかけないといけないのかーと当時は本当に、苦虫を潰したような顔をしながらこのデッキを買いましたね。大人になってからより金の価値を痛感しますが、本当に親が自分によく言っていた「カードゲームに金を掛ける人間はバカ」という言葉を自分で自分に言う日が来るとは思いませんでしたね。(今はある意味誉め言葉として自分に使っていますが。趣味に金掛けて何が悪いんじゃ上等!寧ろ誉め言葉じゃい!)
今思うと、収録されているカードがくそ強いので、定価で買う意味のあるデッキだということ、後々MTGをやっていく中で、買っておいて損のないデッキだったということが分かっていくんですが、当時の僕は、そこら辺の事情が分かっていなかったので、友達に「たけーよ」と連呼していました。
そのデッキを購入した後、「統率者」というフォーマットを友達のハイドラデッキを借りてやってみたのですが、正直、何がなんやらという内にボコボコにされたので、楽しかったというよりは「分からない間に終わった」って感じでした。
そこから、統率者を強化するエキスパンション「Commander Collection: Black」を買わされて、全体除去とか「ファイレクシアの闘技場」とかをぶち込み、別のカードショップで統率者の大会に挑みました。
これが凄く楽しかった。
カードゲームの大会に参加したことがなかった自分にとって、この経験が今につながっているのを強く感じます。
「人とカードゲームをするのは楽しい」
この気持ちを思い出させてくれたから、僕は今MTGにのめりこんでいるのだと思います。
ともあれ、最初に書いた通り、今の僕の主戦場はパイオニア&エクスプローラーなので、統率者はあんまりやっていません。(最近になって、ようやくカードの知識がついてきたので、少しずつ面白くなってきたという感じ)
その理由は、楽しかった統率者の思い出の中で、逆にいうと、自分がMTGを始める時に抱いていた「カードプールに対する知識の乏しさ」が牙をむいてきたからですね。
MTGはアメリカ原産のTCGの祖というべきカードゲームなので、英語のカードが沢山使われます。この時点で、まず盤面に出ているカードの効果が分からない。統率者の場合は、基本的に全てのフォーマットで使用できるカードを一枚使えるので、露骨に「カード知っているかどうか」「出てくるカードや統率者を見た時に警戒すべきカード」が分かっている方が有利にゲームを進められます。
勿論、多少なら分からなくても、プレイした時にやばさを判断して、カウンターや除去を打てればいいんですが、その判断基準がない状態でプレイするのは、ある意味拷問みたいなものです。(何度、「え?そっちに攻撃するの?」とか「その行動はない」と言われたことか)
おまけに、自分のデッキ自をどう回せばいいのか分からないというのが辛かったです。ハイランダー構築ということは、単純に考えて100枚違うカードがデッキに入っているということなので、その効果や使い所を理解するにはかなりの時間がかかります。
自分で0から組んだのであれば別ですが、自分が当時握っていたのは、ほぼ構築済みデッキなので、他人がある程度考えてくれたデッキな訳です。
そこに急ごしらえで買いそろえた強化パーツをぶっこんだ所で、今日明日で回せるかというと、そんなわけがありません。
勿論、事前にある程度把握した上で挑んだつもりではあったんですが、相手の場の状況を見て判断した上で、適切なタイミングでカードをプレイする事を即興でこなすのは難しかったですね。
とはいえ、見た事のない新しいカードがプレイされ、次々と変態的なコンボが決まっていく様を見ているのは楽しかったです。また、周りの方達も初心者に対して優しくて、丁寧に効果を教えてくれたのが嬉しかった。そこだけは確かでした。
大会終了後、友達や、同卓した方に教えてもらった強化パーツを買いました。内心は「訳分からんコンボを達成するにはこれが必要だとか、そのためには、ウン千円するカードが必要だとか、沢山言われても分からんけど、買っておいた方がいいんだろうなーでも、みんな高いよぉ」となっていましたが、同時に「俺は今カードゲームをしているんだ」という高揚感も溢れてきました。
当時、買った強化パーツで覚えているのは「神秘の教示者」です。当時はこのカードで何を持ってきたらいいのか、分かってませんでしたが、今思うといいカードを進めてもらったなぁと感謝しています。
という訳で、「統率者は自体は面白かった!」一方で、「カードの種類が多すぎて、構築やプレイをするにしても、ちょっと自分には難しい。」後、「金がかかりすぎる。これが全部無料だったら、やってみようとなったかもしれないが、安くはない金額をかけて、全ての情熱を注ぎこみたくなるような魅力があるか?」というと、そうでもない。
…という愚痴を友達に言いました。
その結果、統率者は一旦おいておいて、1対1で、そこまでカードプールが広くなく、またスタンダードみたいに、買ったカードの資産が落ちないフォーマット「パイオニア」はどうかと友達に勧められたのです。
3.パイオニアへの挑戦(初めて買った構築済みデッキ)
「パイオニア」のデッキを手軽に安価で作るには、構築済みデッキ(チャンジャ―デッキ)を改造するのがベストだと思います。普通に、今からMTG始める人がいるなら、僕はこの構築済みデッキを買う事からお勧めしますね。
自分が遊戯王出身という事で、一番最初に友達に勧められて買ったのは「ロータスコンボ」でした。
友人に理由を聞いてみた所、「パイオニアにあるアーキタイプの中で一番現代遊戯王っぽいデッキがロータスコンボだったから」とのことでした。カードゲーム=遊戯王という僕の肌に合うだろうという友人の見立てに敵ったのがこのデッキだったのです。
ロータスコンボは名前の通り、コンボデッキなので、ソリティア要素がかなりあります。実際に、遊戯王からMTGに移ってきた人が最初にロータスコンボからパイオニアを始めるケースは多いみたいで、ロータス使いの方に聞いてみると「遊戯王から移ってきて最初に握ったのがロータスだった」という話をよく聞きます。
…が、実際に買ってまわしてみて、自分には合わないなと思い、早々に使用をやめました。
この「合わない」というのは「デッキの回し方が難しすぎた」「自分が遊戯王で握っていたデッキって結局、ソリティアというよりは、毎ターンアドをすこしずつ稼ぎながら殴って勝つデッキ」だったので、性に合わなかったという意味です。
遊戯王とMTGの違いは、土地だと思います。
遊戯王には属性がありますが、これが作用するのって、結局「縛り」なのかなと思います。最近は属性シナジーも多いとは思いますが、ある程度デザインされたテーマ間の動きが、過剰に他のカードの役割を奪わないような手綱として機能する面が多い気がします。
その点、MTGの縛りというのは、パイオニアより上の環境においては土地に集約される印象があります。(モダンより下は、フェッチやピッチスペルや踏み倒しが毛量跋扈しているので、速度が段違いですがね)
要は、ターン内で出来る事=マナコストに見合う土地がしっかりないとなにも出来ない。ということです。その点、ロータスコンボは、3色を使うデッキなので、土地の管理がしっかり出来ないと、回すのが難しかったのです。
MTGになれた今ではそこまで苦に感じませんが、初心者の僕にとっては土地の管理がかなーり難しかったです。
また、これは構築済みデッキの弱い所だと思いますが、土地が完全体ではなく、単色土地やタップインランドが多く、当時はうまく色マナを出しながら、素早くコンボを達成するのが難しかったです。
というのと、「ロータスコンボ」を回して気が付いたのが「あれ?俺って一人回し好きじゃないかも?」という事です。
遊戯王をしていた時も一人回しをしてはいましたが、それは好きでしていたというよりも、「それしかできなかった」という方が正しかった。
結局、自分が追い求めているカードゲームの魅力の1つは友達と一緒に遊べることなんですよね。その点、「ロータスコンボ」は一度回り始めると、友達を結構長い間待たせます。友達がいるのに、自分は永遠と自分のカードと向き合って、回しているだけというのは、なんかちょっと申し訳ないというか、つまらないなぁと思ってしまいました。
(…とか書いてますが、最近久しぶりにロータス握って友達と対戦したのですが、一方的にコンボ決めてとっとと勝つのきもちいいとなりました。色々なデッキを握って戦ってみて、ようやくロータスコンボの回し方やその強さがつかめた感じです。
いやしかし、一年ぶりに握って回したら、スムーズにコンボが決められた自分に驚きました。勿論、その間に沢山ロータスコンボと戦ってきたり、土地が環境で通用するレベルにそろったから出来た部分もあるとは思いますが、自分でも「こんな簡単にこのデッキって回ったっけ?」となったので、知らぬ間に成長したんだなと実感しましたね。)
閑話休題。
という訳で、一旦ロータスコンボは脇においておいて、もっと直感的に扱えるデッキがないかな~と探した結果、チャレンジャーデッキの中におあつらえのデッキがありました。
単色かつ、ただ、相手のライフを20点削るデッキ「赤単バーン」です。
「単色」「デッキの完成度が高い(追加パーツを買わなくても戦える)」「相手のライフを20点削るデッキ」この3点が購入の決め手でした。
「ロータスコンボ」を使っていて不満だった点を全て解消するデッキでしたねぇ。
タップイン土地0!色マナの管理なんて必要ない!
この安心感は初心者の僕にとってなんとも魅力的でした。
また、結局MTGって土地をそろえないと始まらない部分が大きいのですが、赤単で必要な特殊土地というのは「バグベアの居住地」「エンバレス城」「ラムナプの遺跡」「反逆のるつぼ、霜剣山」ぐらいです。
このデッキには「ラムナプの遺跡」が4枚入っているので、せいぜい高い土地は「バグベアの居住地」ぐらい。(今思うと、別に「バグベアの居住地」は買わなくても問題ないっちゃない)
また、デッキリストがなんとも綺麗でした。
基本土地を除いたカードが4枚ずつ入った綺麗な構成で、赤単で絶対に入れないといけないカードが確定でフルで手に入るのはかなり偉かった。
勿論、このデッキの強化案というのは沢山ありますし、このリスト通りの構成で大会で勝てる訳じゃないですが「赤単バーン」というよりは「赤単ウィザードバーン」というデッキタイプの、1つの回答なのは間違いないです。
デッキのコンセプトも非常に分かりやすく、火力&クロックを只管相手に叩きつける。手札が減ったら、衝撃的ドローで補充。最後は土地で相手のライフを詰めて勝つ。本当にそれだけです。
マジでわかりやすーい!デッキです。
自分がMTGを他人にすすめるなら、このデッキを相手に貸すと思います。だって、手札にあるカードを使って、シンプルに20点どう削るか考えるだけでいいからです。(まぁそんな簡単だったら皆赤単使う筈なので、MTGは奥が深い訳ですが)
というのをこの動画をみて、知りましたww
ロータスコンボについての動画を探したら、赤単バーンとの対戦動画を見つけて、赤単いいなって、思ったんですよね。
こうして自分の意思で初めて買ったデッキが、僕に教えてくれたのはMTGの面白さと苦しさでした。
4.パイオニアへの挑戦(初めての大会)
さて、こうして初めて自分の意思で買った「赤単バーン」を引っ提げて、初めて「パイオニア」の大会に挑む事が決まりました。
友達が「じゃぁ、それで大会行こうぜ」と言ってきたので、「じゃぁ行くか」となった訳です。
大会に行くと決まってから、赤単の追加パーツを沢山買いました。
一々列挙する訳ではありませんが、友達が知っている赤単の必須パーツをまず購入し、次に基本的に赤単で勝っている人のリストを浴びるほど見て、必要そうなパーツを足しました。
その結果出来たのが「赤単バーン(サイドチェンジ後ミッドレンジに)」でした。キーカードは「大歓楽の幻霊」3点以下の呪文を唱えたプレイヤーに2点ダメージを与える置物クリーチャーを軸に、クロックを並べて呪文を連打することで、継続的に相手のライフを削り切るデッキです。
「大歓楽の幻霊」は、軽量呪文を多用する自分のデッキに刺さるので、使い所がかなり難しい側面もありますが、基本的に立てて殴るだけで強いカードです。
サイドには、全体除去やチャンドラやハゾレトなど、マナコストが重いカードを搭載することで、ミッドレンジやアグロデッキが来ても「大歓楽の幻霊」のダメージが相手にだけ及ぶように調整しました。
メイン戦はアグロ戦術、サイド後はミッドレンジ的にじわじわと後半から詰めていく、みたいな感じで戦い方を変える訳ですね。
その結果…初めての店舗大会で、ベスト8になりました。
僕は遊戯王をやっていたとは書いていましたが、所詮やっているとはいっても、身内で遊んでいるだけのカードゲーマでした。統率者の大会も、言うてどちらかというと、遊びのフォーマット(ガチではない大会だった)ので、所謂本気でカードゲームをした訳ではありません。
だからこそ、嬉しかった。
カードゲームの大会に出て自分の腕試しをした結果。割と自分のデッキがプレイングが通用すると思ってしまいました。
生まれて初めて本気で金と時間をかけて作ったデッキを使って勝てたのが本当に嬉しかった。これが、何物にも代えがたい巨大な成功体験となってしまい、ますますMTGにのめりこんでいく切っ掛けとなりました。
また、自分は晴れる屋の店舗大会に参加したので、「自分のデッキリスト」を残せた上に「景品のカード」が貰えて、更に「参加費分のポイントが戻って」きました。これが、本当に興奮しました。
だって、カードゲームで遊んでいるだけでお金が貰えるし、若干ですが、影響力を持つことが出来る訳です。自分の痕跡を残すことが出来るというのは、対戦動画を見て、指を加えていた自分がどうしても欲しかったものです。
「やればやるほど得があるカードゲーム、それがマジック・ザ・ギャザリング」という印象が色濃く残った大会だったと思います。
が、ここからが本当のMTGだったと思います。
この先、僕は一つもデッキリストを残せていません。
なぜなら、勝てなかったからです。
この先、何度も相手にする「ラクドスミッドレンジ」や「緑信心」に何度も苦しめられる所から、本当のMTGが始まるのでした。
5.パイオニアへの挑戦(赤単奮闘記)
ベスト8に残ったことから、自分の実力にうぬぼれた僕は、色々な大会に出ました。
その中で、一生懸命育てた赤単を手に一人でカードショップに出向いて戦いまくりました。
が、ここから全くと言っていいほど勝てませんでした。
結局一度もベスト8どころか、デイリーの大会で一回も勝てませんでしたね。
なぜ勝てなかったのかというと、理由は明白です。
パイオニアの絶対王者として君臨する「ラクドスミッドレンジ」にマジで勝てなかった。
ラクドスミッドレンジには赤単バーンの苦手な要素が全部詰まっています。
➀除去 →軽量クロックがゼンメツ
②ハンデス →火力やドロー呪文などのリソースが削られる
③クリーチャーの質 →クリーチャータフネスが高すぎてそもそも殴れない
④ライフドレイン →20点削るゲームから、30点削るゲームになる
画像にも出しているシェオルドレッド、このカードにきつい要素の全てがつまってますね。
タフネス5を削り取る手段は、赤単にはほぼありません。(あっても、デッキに1枚か2枚くらい)特に「大歓楽の幻霊」が本当に刺さらないどころか、赤単側に不利に働くのがかなりキツイ。
シェオルが立っているだけで、相手は毎ターン最低でも2点ライフゲインするので、「大歓楽の幻霊」の2点ダメージなど痛くも痒くもありません。
赤単のクロックはこの「5」というタフネスの高さの前では無力です。果敢でパワーを上げても、なぜか知りませんが「接死」が付いているので、貴重な軽量クリーチャーはことごとく瞬殺されるか相打ちされます。
結局、このカードを突破するために何枚のカードを使わないといけないのかと考えたら気が狂いそうになります。
という訳で、お気づきの方が多いと思いますが、僕が晴れる屋の大会で勝てた理由はただ一つ。「ラクドスミッドレンジに当たらなかった」だけなんですね。(あるいは、たまたま有利対面と当たって勝てただけ)
本当にただのビギナーズラックだったのです。
この経験から「パイオニアでは赤単は勝てない」と見切りをつけ、色を足したり、バーンを諦めたりと、種々様々な赤単バーンの派生に手を出す事になりました。
結局シェオルドレッドは突破できないのであれば、除去に強くなろうと考えて、緑の守り札を足せばいいかと安直に考えた「グルール果敢バーン」は速攻で崩しました。次は伝説系の呪文を軽くする「バードクラス」。これは、あまりにも回すのが難しくてやめました。次に、バーンを切り捨て、殴りに特化した「赤単ビートダウン」。「アタルカの命令」という赤緑の強力な命令呪文を軸にした「アタルカレッド」。新しく出た赤緑のチャレンジャーデッキのパーツを搭載した「果敢グルールストンピィ」。リストをあさっていたら出てきたラクドスミッドレンジ決戦兵器「グルール機体」。
全部負けました。びっくりするぐらいに負けました。
金をかけて作ったデッキが全く通用しないという、地獄の連鎖はマジで苦しかったです。ってか、正直かなり応えて、MTG引退を日々考えたり、なんでこんな趣味にここまで金かけたんだとか自分を責めました。
ある日、そんな僕を見かねた友達が「ラクドスミッドレンジ」を組んでみたらどうか?と提案してくれました。
僕は、たまたま団結のドミナリアの箱を開けてシェオルドレッドを3枚、ヴェールのリリアナを3枚を持っていたので、正直、土地を買えばデッキが組める状態でした。
ですが、正直「ラクドスミッドレンジ」を組むのは何か負ける気がしていました。が、敵を知らねば戦い方も分からんと腹を決めました。
敵を知らずんば己を知れず見たいな感じですね。
そこから、一念発起して都内のカードショップを巡り、年末のボーナス全部使って「ラクドスミッドレンジ」を作りました。
と言うわけで、初めてティア1デッキを手にして回すことになったのですが、自分が使ってきたデッキとの、あまりのカードパワーの差に圧倒されました。
今でも覚えていますが、この瞬間が一番マジックをやっていて辛かったかもしれない。
6.パイオニアへの挑戦(他デッキへの浮気)
マナカーブ通りにデッキがちゃんと動く。
一枚一枚のカードパワーが尋常じゃなく高い上に、それぞれのカードの動きがかみ合っている。
…というのが、素人ながら分かりました。
と同時に、自分が積み上げてきたデッキが、否定された気持ちになりました。
自分は何の為にMTGしているのか、という壁にぶち当たったのです。
別に赤単バーンは、1からデッキを考えた訳ではありません。とはいえ、市販の構築済みデッキに、自分なりに調べて見つけた相性のいいカードをぶち込み、メイン戦と再度入れ替え後で戦い方が変わる構築をそれなりに達成した気分でいたので、「オリジナルデッキ欲」みたいなのは満たされていたのです。しかも、それで一番最初の大会で勝ってしまったのが問題でした。
そう言った「オリジナルデッキ」を作って環境に出向いて勝ってドヤ顔したいという欲望や願望やプライドが、ラクドスミッドレンジによって暴かれ、ボコボコにされた訳です。
なんて完成度の高いデッキなんだろうと。
握って回しただけで分かりました。
と、同時に、自分には使いこなせる自信がありませんでした。
このデッキを持っていって、ミラー戦をするのが怖くなってしまったのです。
赤単使いはパイオニアに一定数いますが、当時の僕はミラーで当たった事がありませんでした。故に、気楽だったのです。自分のプレイングはそこそこ完璧なのであって、デッキの相性が悪かったり、引きが弱いから負けたのだ、とか思っていました。
ですが、一番強いデッキを持ってしまったらそうはいきません。
「ラクドスミッドレンジ」は、ゲームの状況に合わせてカードをプレイしたり、環境に適用したメタカードをサイドやメインに入れながら少しずつ勝ち取ったアド差を持って勝つデッキです(だと自分は思っています)が、そのためには、マリガンからカード一つのプレイから、自分の脳みそで考えてデッキを操るプレイスキルが要求されます。
その結果として、自分はカードゲームが弱いんだという事に気が付いてしまったらどうしようと怯えてしまったのです。
今までの自分は「環境が悪かった」という言い訳が出来た訳です。が、このデッキを握ったらそんなことは許されません。
結局、「ラクドスミッドレンジ」は数回の大会で使って、ミラー戦でボコボコにされたのがトラウマになり、握ることはなくなりました。
同時に、赤単を使うこともやめました。
まごう事なき敗走です。
赤いデッキは握らない。だって、赤を使うならラクドスミッドレンジ以外にないから。それが分かってしまった瞬間に、MTGに対するモチベーションがごっそり落ちました。
そんな僕が次に逃げ込んだのは、当時最新のエキスパンションとして発売されていた「ファイレクシアの肉体喰らい」というカードでした。
このカードのキーワード能力「試作」に魅了され、これをなんとか使いこなせないか、情報を探っている中で見つけた組み合わせが「本質の変転」と言うカードです。1マナの青のインスタントで、クリーチャーを何でもブリンクできる。という、マジで試作の為のようなカード。
これがパイオニアで使えると言うことを知り、「ファイレクシアの肉体喰らい」を使うために「エスパーブリンク試作」デッキを作ることに奔走します。
7.パイオニアへの挑戦(オリジナルデッキ病)
この2枚コンボを軸に据えたデッキを作っていくために、赤は使用できませんでした。理由は簡単で「赤青」土地が高すぎたからです。
パイオニアにおける土地の価格上位は赤青が占めているので、さすがに無理だと思いました。
そこで、目をつけたのが「白」でした。白にはブリンク意味にあるカード、ブリンクするカードが豊富にありました。
また、同じ兄弟戦争に収録された、「鋼の熾天使」が気に入りました。
「ファイレクシアの肉体喰らい」と「鋼の熾天使」をブリンクさせて勝つというシンプルなデッキで環境に挑む事に決めて挑んだ最初のデイリーで、2勝あげられた事は今でも忘れられません。
当時は、兄弟戦争が出たばかりだったことや、青白コン相手に長期戦でねばっていたということもあったのか、周りにギャラリーが沢山集まってきて、緊張しました。
そんな中で「本質の変転」を打ってブリンクが決まった瞬間の喜びは尋常じゃなかったですね。
また、今はリストから抜けてしまっていますが「深海住まいのタッサ」による毎ターンブリンクと、クリーチャータップ能力が強かった。
肉体喰らいで殴ったターンのエンドにブリンクすることで、擬似的に警戒を付与できる上に、相手のクリーチャーはほぼ殴れません。
自分で考えた最強のコンボが決まった瞬間の喜びは、まさにガエルデッキをこすっていた高校生の自分のようで、気持ちがよかったです。
が、それで一瞬勝てたからといってMTGで結果を残せたのかというと、そんなわけがありませんでした。本質の変転には弱点がありました。
「全体除去をかわせない」「クリーチャーが盤面にいないと意味が無い」「常に1マナ浮かせないといけない」「一回使ったら終わり」…
沢山ありますが、一番きつかったのが「全体除去をかわせない」ということです。「本質の変転」は一瞬だけ戦場から離れるので、全体除去のスタックに打ったとしても、結局破壊されてしまうんですね。
単体除去には滅法強いのは間違いないのですが、青白コンみたいなコントロールデッキには無力だったり、エニグマみたいなアーティファクトを割るカードが沢山あるデッキに対しては無力だったりと、中々思うようなプレイングができませんでした。
そこから、ディミーア型、オルゾフ型、エスパー型、マルドゥ型、グリクシス型と、色々試しまくりました。
自分がしたいのは「プレイングを磨いて勝ちたい」ではなく「オリジナルデッキを作ってぶいぶい言わせたい」だったので、「ファイレクシアの肉体喰らい」を使ったデッキの構築に奔走しました。
その過程で、沢山のカードや土地を買いあさったので、貯金は減ってカード資産は爆増しました。
この時期というのは、ある意味、自分のマジックの基礎を作った時間だったと思います。(多分、パイオニアで出来るブリンクのギミックについては、かなり詳しくなった)
ですが、その代わり失った物があまりにも多すぎました。
結局、勝てなかったんです。
これが本当につらかったなぁ。
あらゆる手練手管を尽くしても勝てなかったので、最終的に「本質の変転」を諦めてリアニメイトに変更しました。
パイオニアには、1マナで死亡時に戦場にクリーチャーを戻すリアニメイト呪文があります。
例えば、「不死なる悪意」というカードは、試作クリーチャーが場に出ていて、相手の除去を打たれた際にスタックして打てば、元の大型サイズで場に戻ってきます。相手からしたら悪夢ですよね。
また、このカードであれば、全体除去にも通用するので、場にクリーチャーがいて、黒一マナさえあれば、場持ちがかなりよくなるという訳です。
ですが、今後は、追放除去や墓地メタがきつすぎる事に気がつきます。
今度は、デッキからの踏み倒しを検討しました。
場に出したり、墓地に送ったりするのが難しいのであれば、直接デッキから出せばいいと思ったんです。
が、デッキからクリーチャーを出すデッキは勿論環境に存在していて、調べれば調べる程、絶対に試作モンスターを入れる理由がないことが分かりました。
この後紹介しますが、試作にぴったりのデッキから踏み倒すカードがあることも分かりましたが、しかし、そのカードにはかなりのリスクが伴うことがわかりました。この時点で、デッキから出すのはかなり難しいなと思いました。
そして、なにより研究を進める中で致命的な欠点に気づいてしまいます。
ラクドスミッドレンジに採用されるカードの質の高さに試作クリーチャーは敵わないという事です。
「ファイレクシアの肉体喰らい」は色的に、ラクドスミッドレンジに入ってもおかしくないのですが、現状採用されていません。なぜかというと「試作」能力を活かせないのであれば、墓所の侵入者やシェオルドレッドの方が素の能力が高いからです。
「ファイレクシアの肉体喰らい」は、モダンの赤黒想起に採用されてたりしますが、それはリアニメイトさせる意味がある(ETB能力の使いまわし、ピッチスペルなので最初のターンに打てる)インカーネーションなどのクリーチャーがいるから意味があります。+1のリアニメイトさせて旨味のあるカードの選択肢としては、かなり丸い効果を持ったクリーチャーなので、採用するに値しますが(といっても最近のリストからは落ちてますがね。かなC)、結局肉体喰らいは3マナで出したからといって強いかというと、別にそういう訳ではありません。
また、「試作」能力を活かすためには、+1マナがどうしても必要だということが問題でした。
「本質の変転」を使うには「青」を足さないといけないのが、そもそも辛い。青1マナを浮かせつつ、試作クリーチャーの厳しい色拘束を達成するというのは、フェッチのないパイオニアにおいては安定性を下げる要因として機能します。
では、黒マナのリアニメイト呪文を使うならオルゾフ型になってうまくまとまるんじゃないか?と思うかもしれないですが、「不死なる悪意」だけでは「ファイレクシアの肉体喰らい」を死亡させることができません。つまり、能動的に死亡を誘発できないんですね。
どうにかして、肉体喰らいを死なせないといけない。でも、こいつはよくも悪くも、素の能力的に戦闘で死ににくいんです。除去を使ってくれる相手ならまだ目はありますが、「魂の仕切り」や「放浪皇」で追放された暁にはもうどうしようもないです。手札で腐る「不死なる悪意」を握りながら侍に蹂躙されるしかありません。
また、一番欲しい時にリアニメイト呪文が手札にないという事象も頻発しました。
「本質の変転」もしかり、ですがブリンク・リアニメイト呪文を打つには、リアニメイトするクリーチャーが場にいることが前提です。
この状況をそろえるのは引きが良くないとそもそも難しい上に、ハンデスやカウンターによって、クリーチャーや呪文が落とされる事も考えると、案外成功しそうで成功しません。
初手でリアニメイトするカードが2枚きて、クリーチャーが一枚しかなかったら、ゲームになるのかというと、多分なりにくいです。
という所まで考えた時、「じゃぁ一枚一枚のカードの質が高いラクドスミッドレンジに、4枚のバニラカード(状況が揃わないと強くないっていう意味です)を入れられるのか?」という問題に向き合う必要がある事に気が付きました。
要は「ファイレクシアの肉体喰らい」がなぜ、ラクドスミッドレンジに採用されないのか、に加えて、そもそも「本質の変転」や「不死なる悪意」を入れるスロットなんてどこにあるんだろうか、という話ですね。
また、ここまでくると、シェオルドレッドを蘇生させるのと、ファイレクシアの肉体喰らい、どっちを蘇生した方が強い?みたいな事も考え始めちゃうので、かなり厳しくなってきます。
…ということを考えた上で僕が出した結論は「ファイレクシアの肉体喰らい」を使うのは難しいでした。
ここから、カードショップにいくモチベーションがかなり低くなり、大会に出る事はなくなってしまいました。
また、リアルでも仕事がうまくいかず、休職する運びとなり、そこで貯金をほぼカードに使ってしまった自分をかなり恨みました。
という状況の中で手を出したのが、自分の本当のMTGの原点であるアリーナの特有フォーマット、エクスプローラーでした。
8.パイオニアへの挑戦(エクスプローラー修行編)
MTGアリーナのエクスプローラーというフォーマットは、紙のパイオニアより出力が低いのですが、ほぼパイオニアと同じ環境で遊ぶことが出来るアリーナのフォーマットです。
正直、紙のパイオニアで強くなるためには、カードショップで対面で色々なデッキに揉まれるしかないと思っています。(対面から得られる情報や経験値というのは代えがたい物があるからです)
とはいえ、カードショップのデイリー大会では基本的に3戦しかできません。これでは、正直に言って訓練にはなりません。
試行回数が少なすぎるのです。
勿論、トッププレイヤーみたいに、一度本気でMTGがっつり挑んで、頭の中である程度MTGのセオリーが出来上がっていたり、体に叩き込まれているのであれば、ある程度練習しなくても対応できるかもしれないですが、僕はMTGどころか、カードプレイヤーとしては素人な訳です。
そんなプレイヤーが環境も知らず、自分のオリジナルデッキを持って大会に挑むだなんて、そもそも無謀なんですよね。
という訳で、デイリーの大会に週に1回くらい行くだけでは、ハッキリいって練習不足でした。それを考えた時に、家でもできる練習方法こそがMTGアリーナだった訳です。
そこで、パイオニアの訓練をするのであれば、エクスプローラーしか選択肢がありませんでした。
また、この試行回数が少ないという点を痛感したのが、プレイヤーズコンベンション横浜に行った時のターボタウンというイベントでした。
ターボタウンというのは、一回500円払って自分が選んだフォーマットでBO1が出来るというものです。景品としてパックが一つもらえるので、実質パックを買うお金で、日本中のMTGプレイヤーと一戦交えることができるというイベントな訳です。
ここで、僕は多分20戦くらいBO1をやったのですが、それがとても楽しかった。
1回戦っては、自分のデッキで上手くいかなかった所を調整して、再度挑む。そこで勝ったり負けたりしながら、色々なデッキの情報を集めていくという作業を永遠と繰り返していったのですが、その作業がとんでもなく楽しかった。
当時、自分が持ち込んだのは、マルドゥ型の試作リアニメイトデッキでした。
「向こう見ずな実験」でデッキから大型アーティファクトを踏み倒す豪快なデッキです。このデッキのポテンシャルを活かすために「ファイレクシアへの門」を気合で4投。墓地利用も加速するために、アーティファクト限定のリアニメイト呪文、「復元」を採用して最速4ターン目で「ファイレクシアへの門」を場に戻そうというデッキです。
その動きの中に「試作」クリーチャーを採用することで、「向こう見ずな実験」の当たりを増やしつつ、序盤戦を上手く固めようみたいな思惑でデッキを組みました。
自信満々で、会場に集まった歴戦の猛者に自分のデッキをぶつけて、感想戦を言い合いました。
その中で沢山の名試合が生まれました。
一番思い出に残っている試合ですが、お互いリソースを使い切って、最後に相手が打ったカードが思考囲いで、自分も思考囲いしかもっていなかった時です。
「思考囲いで思考囲い落とすのやめてもらっていいですか?」とお相手さんに僕が言った後、二人でバカ程笑いました。なんで笑ったのかなんて分からんのですが、なんか面白かったんですよね。
ちなみに、お相手さんのデッキは、良くも悪くも僕の目標である「ラクドスミッドレンジ」でした。結局負けてしまったんですが、その方が去り際に言ってくださったのが「昔のモダンみたいで楽しかったです」という一言でした。
という思い出が沢山あったターボタウンなのですが、その中で、本当に沢山の赤単使いと出会いました。
この時の経験については、後の記事で書こうと思っているので詳しくは書きませんが、赤単使いの彼らは、みんな独自の構築を持っていました。
自分が使った事のない赤単のパーツをガンガン駆使してライフが詰められていくというのは、初めての経験でした。
そうです、この時、僕は初めて赤単と対戦したのです。
この時、自分が如何に赤単を知らないのか分からされたと同時に、なんで、俺はこの日に赤単バーンを持ってこなかったのかと悔やみました。
その姿をみて、次第にもう一度赤単と向き合いたいという気持ちが出てきてしまったのでした。
ターボタウンみたいにBO1で自分のルーツである赤単をぶつけてぶつけて、磨き上げたいという欲。
それが急激に上がってきたのですが、自分は休職するほどにメンタルが壊れていて、色々とダウンしていました。そんな自分がカードショップに行かずに、カードゲームができるのはアリーナだけだったのです。
この二つの理由から、僕はエクスプローラーというか、ある意味勝つために、初めてMTGに本気で挑みました。
休職してから数週間経ち、おもむろに立ち上げたアリーナで過去の自分のアカウントにログインして、赤単のパーツを集め始めました。
そこから一日中ランク戦をしていました。
多分、人生で一番カードゲームをプレイした時間だったと思います。
プレイヤーズコンベンションで出会った赤単デッキの情報を活かしつつ、どうやったら今の環境に立ち向かう事が出来るのか試行錯誤を続けました。
その結果、生まれて初めてミシック帯に行くことができました。
先月5月末の話です。
9.最後に
という所で、あっという間にMTGを再開してから一年が経ち、色々な経験を積んだ結果、MTGに対する視野がようやく開けて、改めてスタートラインに立てました。
アリーナで修行した成果はショップでの戦いでも行かせていて、基本的にデイリーでは2-1をキープできるようになりました。(勿論、0-3する日だってあります。1-2だって沢山)
勿論、勝てないデッキやプレイングのミスから悔しい思いをすることはありますが、自分がマジックに求めていることが明確になった今では、デイリーで3勝するまでの自分の過程として、受け止められるようになりました。
自分がこれだと思ったカードを使って、デッキを磨いていく。
その過程が楽しいんだと。
また、自分との対戦を楽しかったと言ってくれる方がいる事が嬉しい事にきがつきました。「今日一番戦ってて楽しかった」とか、「またよかったら再戦したいです」みたいな一言がもらえた日には、もう勝敗なんかどうでもよくなります。だって、自分のデッキが面白いって言ってくれたようなものですからね。
それが達成出来たらいいやと思うようになってから、大会というよりは、自分が納得いくまでデッキを磨いて、その成果をどこかしらで書けたらいいなと思うようになりました。
というのが僕の経歴です。
色々書いてきましたが、まぁ、結局の所、僕はMTG素人です。
ですが、こうして自分の初めての趣味「カードゲーム」に本気で挑む機会をくれたMTGによって、なんだか、これは自分の「趣味」だって本気で言えるような気がします。
これは、僕の人生が変わったと言っていいと思います。
さっき書いた通り、自分は今休職しています。
この記事を書くだけで、3か月以上かかったのですが、本当に、色々な事があったなぁと、記事にしていないことも思い出して辛くなったりしたのですが、でも、今こうして、少しだけ前を向いて、自分のメンタルを治そうと思うようになれたのは、確実にMTGのおかげだと思っています。
そんな僕なりの記事がこれから書けたらなと思っています。
という訳で、ここは自分のリハビリの意味も含めて、のんびり更新していきたいと思いますので、何卒宜しくお願い致します。
※色々文章がおかしかった所とか、補足がある所を追記しました
初めてのエントリで、沢山の方に読んでいただけたこと、嬉しいです
ありがとうございました!
(2023/08/03)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?