見出し画像

エネルギーの現状

エネルギー資源に関して興味深い記事が日経から出ていた(2024年1月6日)ので、Chat GPT4で要約した上で感想を述べる。

Chat GPT4の要約

2023年に米国の液化天然ガス(LNG)輸出が国別で世界首位になりました。これは、ヨーロッパがロシアからのエネルギー依存を減らすために米国からの輸入を増やしたためです。シェール革命※とウクライナ危機がエネルギーの勢力図に大きな変化をもたらしました。

米国のLNG輸出は前年比で約10%増の8700万トンに達し、オーストラリアやカタールを抜いて首位に立ちました。ヨーロッパはロシアのガスに代わる米国のLNGを大量に輸入し、米国の輸出先の約70%を占めました。

一方、日本は再生可能エネルギーや原子力発電の増加により、輸入量が減少しています。しかし、日本も官民で米国からの調達を強化し、エネルギー安全保障を目指しています。LNGは石炭や石油に比べてCO2排出が少なく、脱炭素社会への移行において重要な役割を果たしています。

※シェール革命

2000年代にアメリカで起きた、エネルギー産業の大きな変化を指します。これは、新しい技術のおかげで、「シェール」という特殊な岩石層から天然ガスや石油を掘り出せるようになったことを意味します。

シェールは、以前は掘削が難しく、エネルギー源としてはあまり利用されていませんでした。しかし、技術革新により、このシェールから油やガスを効率よく採取できるようになりました。この技術は「水平掘削」と「水圧破砕(フラッキング)」という二つの方法を組み合わせたものです。水平掘削は、地下深くまで垂直に穴を掘った後、水平に方向を変えて掘り進める技術です。水圧破砕は、水、砂、化学物質を高圧で岩石層に注入し、岩石を割って中のガスや油を取り出す方法です。

この革命によって、アメリカは天然ガスや石油の大量生産国に変わり、世界のエネルギー市場に大きな影響を与えました。天然ガスの供給が増えることで、価格が下がり、多くの国でエネルギー源として使われるようになりました。また、アメリカが以前はエネルギーを輸入する国だったのが、輸出する国に変わったのも、このシェール革命の結果です。

日本の原子力発電と火力発電のそれぞれのメリットとデメリット


### 原子力発電
#### メリット
1. **低い二酸化炭素排出量**: 石炭や石油と比べてCO2排出が非常に少ないため、気候変動対策に効果的です。
2. **エネルギー密度が高い**: 少量の燃料で大量の電力を生成できます。
3. **安定した電力供給**: 天候や季節に左右されず、連続して安定した電力を供給できます。

#### デメリット
1. **放射能のリスク**: 事故や災害時には重大な環境汚染や健康被害を引き起こすリスクがあります。
2. **核廃棄物の問題**: 使用済み核燃料の処理や最終処分が大きな課題です。
3. **建設と廃炉のコスト**: 原子力発電所の建設と廃炉には莫大なコストと時間がかかります。


### 火力発電(石炭、石油、天然ガス)
#### メリット
1. **柔軟な出力調整**: 需要に応じて出力を比較的容易に調整できます。
2. **初期投資が比較的低い**: 原子力発電所に比べて建設コストが低い傾向にあります。
3. **エネルギー供給の多様化**: 輸入燃料を使うことで、エネルギー源を多様化できます。

#### デメリット
1. **高い二酸化炭素排出量**: 石炭や石油はCO2排出量が多く、気候変動問題に影響を与えます。
2. **燃料コストの変動リスク**: 国際市場での燃料価格の変動が電力価格に影響を与えるリスクがあります。
3. **エネルギー安全保障の課題**: 燃料の多くを輸入に依存しているため、国際政治の影響を受けやすいです。

日本は地震や津波などの自然災害が多い地域に位置しているため、原子力発電のリスク管理が特に重要です。また、環境保護とエネルギー安全保障の観点から、エネルギーミックス(様々なエネルギー源の組み合わせ)の最適化が日本にとっての大きな課題です。


日本の原子力発電の原子炉

2023年12月時点で、日本には33基の原子炉があり、そのうち12基が稼働しています。これは、CO2を排出しないエネルギー源としての原子力の段階的な再稼働の一環です。


感想

アメリカがエネルギー分野でのリーダーとなるのは、自然な流れだと思われる。これは、地政学的リスクが低いことから輸入国にとって望ましい状況であるためだ。欧州向けの輸出が増加することは予測されており、これがNATOの結束をさらに強化するだろう。そのため、カタールやオーストラリアにもこの分野で活躍してほしいと願っている。

一方、日本はエネルギー戦略において難しい立場にある。フクシマ原発の事故があったとはいえ、原子力発電に依存する戦略は有効ではないだろうか?自然災害による放射性物質漏れのリスクは確かに存在するが、原子力発電の高いエネルギー効率はこれを上回ると考えられる。何より家計にとっての電気代の高騰を防ぐことが可能である。安全性に関しては、将来的にAIを活用することで、現在よりもリスクを低減できると思われる。

原文

米国の液化天然ガス(LNG)輸出が2023年、初めて国別で世界首位となった。欧州がエネルギーの脱ロシア依存を狙って米国からの輸入を大きく増やしたためだ。日本勢も官民で米国からの調達拡大を狙う。「シェール革命」とウクライナ危機がエネルギー勢力図に地殻変動を引き起こした。

欧州調査会社ライスタッド・エナジーなどがLNG運搬船の位置情報などをもとに算出した。23年の米国のLNG輸出は前年比約1割増の8700万トン程度になったようだ。直近まで1位を競ってきたオーストラリアと中東カタールはそれぞれ前年から横ばいだったとみられる。

2000年代、米国では新技術によって「シェール」と呼ばれる種類の岩石の層に含まれる石油や天然ガスを掘削できるようになった。いわゆる「シェール革命」によって生産が急拡大し、本土で16年からLNG輸出を本格的に始めた。23年の生産は年間で過去最高を更新した。

画像
米LNGの輸出先として急速に伸びたのは欧州向けだ。背景にはロシアによるウクライナ侵攻がある。ロシア産原油やガスへの依存度を減らすため、地政学リスクが小さい米国を代替調達先として頼った。

欧州のパイプライン経由のロシア産ガスの調達は23年、前年比で6割近く減った。LNG換算で2600万トン程度の減少幅になったもようだ。代わりに米国からの調達を増やしており、米国のLNG輸出先の7割が欧州になった。侵攻前の21年は、3割程度にすぎなかった。

世界的にLNGの需要は拡大している。LNGは石炭や石油に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、脱炭素社会への移行期間中の低炭素エネルギーとして存在感が高まっているからだ。

米国では需要拡大を見越してガス生産能力の拡張や輸出基地の整備を進めている。LNG輸出は24年以降も拡大する見通しだ。世界最大の原油生産国でもある米国は、エネルギー強国としての地位を着々と固めている。

もっとも世界的なLNG需要の急拡大に対して、供給側はまだ追いついていない。輸入国の間ではLNG争奪戦が起きており、欧州と中国の攻勢が目立つ。

欧州と中国のエネルギー企業4社は昨秋、カタールと相次ぎ27年間の長期契約を結んだ。カタールは米国に対抗する形で26年から増産する計画で、販売先を開拓している。各社とカタールのLNG取引は50年代まで続く見通しだ。

中国の輸入量は23年、前年比約1割増の7000万トン弱となったようだ。国別の輸入量では日本を抜いて2年ぶりの世界首位だ。環境対策で石炭火力発電からガス火力発電へ燃料の転換が続く。LNGの大量買い付けでカタールでの権益獲得にも成功した。

日本の輸入量は23年、約1割減の6500万トン程度となったとみられる。原子力発電所の再稼働や再生可能エネルギーの増加で需要が伸び悩んでいる。取扱量が減れば権益獲得が難しくなったり、購入条件が悪化したりする可能性がある。

九電、米LNG開発に出資検討 日本勢は官民で巻き返しへ

日本は官民の協力で巻き返しを図っている。九州電力は米国南部ルイジアナ州の液化天然ガス(LNG)計画への出資と調達の検討に入った。日本政府も後押ししており、日米のエネルギー協力案件にしたい考えだ。欧州と同様に米国産LNGの調達強化でロシア産の代替を目指す。

九電が交渉するのは米エナジー・トランスファーが開発するルイジアナ州のLNG計画「レイクチャールズ」。日本政府は国際協力銀行(JBIC)やエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて支援を検討している。生産能力は年1650万トンで28年にも稼働する計画になっている。

画像
九電は地方の電力・ガス会社などの必要な量を「まとめ買い」する方針で、約20年間で年160万トン程度を軸に交渉している。日本の出資比率は1割前後を想定する。事業費は2兆円規模になるとの見方もある。

日本の電力・都市ガス各社はこれまで極東ロシアのLNG事業「サハリン2」から合計で年約600万トンを輸入してきた。日本の輸入量の1割弱を占める。30年ごろまでに長期契約が相次ぎ失効する見込みで、代替調達先の確保が課題だ。

日本勢は米国の既存プラントの拡張も検討する。三井物産・三菱商事はルイジアナ州、発電大手JERA・大阪ガスはテキサス州でそれぞれ参画する事業の増産計画を進めている。

日本にとって米国でのLNG調達強化はエネルギー安全保障を考えるうえで極めて重要だ。買い付け競争で劣勢を挽回するチャンスともいえる。九電の満吉隆志執行役員は「一定の量を長期で買えるLNGは限られ、今後2〜3年で調達を進めないと日本は不利になる」と話していた。

(ヒューストン=花房良祐、小田浩靖)

出典は日経

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?