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イスラエルのラファ侵攻

主要7カ国(G7)は17日、ドイツのミュンヘンで外相会合を開いた。パレスチナ自治区ガザの最南部ラファに地上侵攻する方針を示すイスラエルに「深い懸念」を表明したとのこと。

要約文

G7外相はドイツ・ミュンヘンでの会合で、イスラエルがガザのラファに対する地上侵攻の方針を示したことに「深い懸念」を表明しました。ウクライナへの「揺るぎない支援」の継続も確認され、ウクライナ外相も出席しました。イスラエルの侵攻が進めば、ラファの140万人の住民に対して壊滅的な被害が出る恐れがあると警告されています。また、イエメンの武装組織による商船攻撃への非難と、米英の対応への支持も示されました。ウクライナ復興には約73兆円が必要とされ、EUがロシア資産の利用を決定したことをG7は歓迎しました。ウクライナの損害に対するロシアの賠償、ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の死亡に対する憤りと調査要求も表明されました。

ラファ侵攻方針に各国懸念

イスラエルのネタニヤフ首相がガザのラファに地上侵攻する方針を強調し、国際社会から懸念の声が上がっています。ラファは過密状態で、エジプトは避難民流入に警戒を強めています。バイデン米大統領は少なくとも6週間の戦闘休止を働きかけ、人質の解放や長期停戦を目指していますが、地上侵攻は避難民の安全確保がなければ進めるべきではないとけん制しています。国連はラファの人口が140万人に膨れ上がっていると報告。エジプトは侵攻による深刻な結果を警告し、和平条約の停止をちらつかせるなどしています。一方で、エジプトは重傷者の治療や人道支援を続けていますが、避難民の受け入れは否定しています。イスラエル軍はハマスに拘束された人質2人を救出したと発表しましたが、侵攻が始まればイスラエルによる人質解放は失敗に終わるとハマスは警告しています。

日経新聞の図引用

G7とは?

G7(グループ7)は1975年に発足した、世界の主要先進国の非公式な集まりです。対象となる国は以下の7カ国です:

1. アメリカ合衆国
2. イギリス
3. フランス
4. ドイツ
5. イタリア
6. カナダ
7. 日本

G7は経済政策に関する意見交換を目的としており、世界経済に大きな影響を持つ国々が集まっています。最初の会合は1975年にフランスで開催されました。

G8とは?

G7は一時期G8となっていました。これは、1998年からロシアが加わったためです。G8は、G7にロシアが加わった形で、より広範な国際的な課題に対処するために拡大されました。ロシアの加入は、冷戦後の国際関係の変化と、ロシアと西側諸国との関係改善の象徴と見なされていました。

しかし、2014年にロシアがウクライナのクリミアを併合したことに対する国際社会の非難を受け、G7はロシアをグループから除外することを決定しました。この結果、グループは再びG7となり、現在に至っています。ロシアの除外は、国際法の遵守と地域の安定を重視するG7諸国の立場を反映しています。

G7の重要な決定

G7の歴史を通じて、多くの重要な決定がなされてきました。具体的な決定事項は会議のテーマやその時々の国際情勢によって異なりますが、以下にいくつかの大きな決定事項と成果を挙げます:

1. **エネルギー政策と石油危機への対応**:1970年代の石油危機時、G7はエネルギー政策の協調と石油依存度の低減を目指した対策を議論しました。

2. **世界経済の安定化**:1980年代から1990年代にかけて、G7は世界経済の安定化を図るための協力を強化し、特に為替レートの安定化に注力しました(プラザ合意やルーブル合意など)。

3. **財政と金融政策の調整**:各国は経済政策の調整を進め、インフレ抑制や経済成長を目指して協力しました。

4. **環境問題への取り組み**:地球温暖化対策や持続可能な開発に関する議論がG7で行われ、環境問題への国際的な取り組みが強化されました。

5. **テロリズムとの戦い**:2001年の9月11日のテロ攻撃後、G7はテロリズムとの戦いにおける国際協力を強化しました。

6. **金融危機への対応**:2008年の世界金融危機を受け、G7は金融市場の安定化と経済回復に向けた政策の協調に努めました。

7. **ロシアのG8からの除外**:2014年のクリミア危機を受けて、G7はロシアをグループから除外し、再びG7となりました。

8. **グローバルヘルスとパンデミック対策**:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに対する国際的な対応として、ワクチンの公平な分配や経済復興策が議論されました。

これらはG7が取り組んできた主要な課題の一部ですが、各国が協力して国際的な課題に対処しようとするその姿勢は、G7が世界政治や経済において重要な役割を果たしていることを示しています。

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