ケーキ(短編小説)
白河莉央と佐伯光の物語の1作目はこちら↓
お休みの昼下がり、自分には何にもない気がする、と莉央はぼんやり考えていた。
毎日それなりに充実しているはずなのに、
なんでこんな風に思ってしまうんだろう。
このまま、ただなんとなく日々を過ごしていていいのかな。
目標に向かって頑張っているわけでもなければ、夢中になれる趣味も特にない。
ていうか、夢中になるってどんな感じだっけ。
…やめやめ、このまま家で暇してると嫌な考えがどんどん巡る気がする。
散歩がてらケーキでも買ってこよう。
あ、そうだ、玲奈も誘って一緒に食べるのとかいいかも。
こういう時、親友と家が近いって最高だな。
莉央は長い髪をシュシュでまとめて外に出た。
つづく