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細かすぎる赤紫離宮解説Part2(イジンデン3弾環境)
こんにちは。
イジンデンを遊んでいるやはぎと申します。
新セット:Revolution and Restoration の発売を前に、3弾で愛用した「赤紫離宮」なるデッキはどのような構築だったのか、その記録を残せればと思います。
本記事では、秋葉原のマッチ戦(BO3)採用大会におけるメタゲームを踏まえて赤紫離宮の構築を解説していきます。
前回のおさらい
前回の記事では、当時の秋葉原BO3環境に台頭する強力なデッキを3つ取り上げ、その強み弱みを紹介しました。
仮想敵は青黄コントロール徴募、赤紫決起LO、スカーレット執筆LO。
これらと相対して勝つための要点は以下のとおりです。
シェア率で圧倒的な青黄コントロール徴募を対策するために除去をふんだんに盛り込む。
一方、コンボ系の赤紫決起LOに対しては、ハンデスもしくはワンショットが優先される。除去札はだいたい腐る。
スカーレット執筆LOにはメタ札を置かないと即死。
要求が多すぎますねえ。
実際に各対面でどのように抗うのかは後半に紹介するとして、早速デッキレシピからご覧ください。
メインデッキ
![](https://assets.st-note.com/img/1732172853-02nMOuEHt6IlJ3STigQ87CYc.png)
コンセプト
赤の除去札と紫のハイケイ・森閑たる離宮によるハンデスを掛け合わせた中速デッキです。
仕上がりこそ異なるものの、当初このデッキは青黄コントロール徴募のコンセプトを参考にして生まれました。
青黄徴募の強さはあらゆる対面を見れる広い対応力。その秘訣は除去とハンデスを両立させることです。盤面に残してはいけないカードはメロウで裏返し、プレイされてまずいカードはメアリー1世で抜く。この2ウェイの干渉手段があることで、ビート系にもコンボ系にも、ひいては同型にも戦える優秀な構築、それが青黄徴募です。
除去とハンデス、これはカラー的には赤×紫でもできることです。ただし、細かい部分で青黄とはできることが違います。
まず除去に関して。
赤の除去手段は全て「破戒」。メロウやストーム、清少納言のチップ効果(場に出た時効果)と違って、偉業能力を発動させてしまい、相手にリソースを与えてしまいがちです。
次にハンデス。
相手の手札を見て抜くカードを選べるピーピングハンデスは、現状メアリー1世固有のものであり、紫によるハンデスは質より量を稼ぐことに特化する必要があります。
さらに、青の強力なワンショットカード・円形闘技場も採用できないため、打点数をいくら高めても殴り勝つには2~3ターン掛かります。ここでも、相手ガーディアンの偉業能力が発動し、逆転を許す可能性が極めて高いです。
これら赤紫による除去ハンデスの問題点を上手く解消するカードが森閑たる離宮になります。離宮によって、赤が得意とする「除去って殴る」動きの裏目を無くしつつ、ハンデスを付け加えられます。この動きを2ターン目に行い、相手の盤面テンポとハンドリソースを崩して攻めることがコンセプトです。
採用カード
キーカード① 森閑たる離宮(4枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732251673-kxUi18PmysEO4FgD0cz3qrJM.png)
赤の得意とする「破戒」除去やアタックの裏目を無くしてくれるハイケイ。コンボ系デッキでは1ドローや一枚の復元・魔力化がコンボを回す大きな助けとなってしまうので、離宮があることで初めて安全に殴ることができる。
さらにカードタイプを問わず、カードが戦場から墓地に置かれるたびに、そのカードのプレイヤーは手札を1枚捨てなければいけない。除去したイジンやハイケイのみならず、ブロックで破壊されたガーディアンにも反応する点が優秀(ただし冥府発動持ちマホウはすり抜ける)。
ちなみに、~~する「たび」と書かれた効果は、簡単に言えば重複するため、カードが2枚以上同時に墓地に置かれた場合はその枚数分手札を捨てることになる。
注意点は、離宮の効果は両プレイヤーに掛かること。ターンを返した後の相手の動きを予想して、自分の手札の内容と相談しながら離宮を置くタイミングや枚数を調整する。
キーカード② 北条政子(4枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732253215-JwMm2rHqkaBcCTKoIG8x4YbX.png)
2ターン目に自分と相手のイジン数を±2広げられる、序盤のテンポを崩すことに長けたイジン。除去範囲がパワー2000以下と、一見物足りないように思うが、相手1、2ターン目に出てくる除去必須のイジンはだいたい範囲に収まるので充分。追加コストなく召喚権を切るだけで除去を飛ばせる軽さと、種マリョクがあればロイヤリティを打って引いた後でも召喚できるレベル3という数値が便利。
キーカード③ ロイヤリティ(4枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732254499-y9Cx0uTFdBAg8psjmlD7WHRU.png)
1弾のころから赤軍勢がすがる唯一の単発ドロソース(ドローするための資源)。種マリョクの登場によって魔力コスト付きマホウはすべからく強化された。青黄徴募が2ターン目にリドローを打った後にメアリー1世を召喚するのと同様に、ロイヤリティ後にレベル3のイジンを出すことができる。もちろん召喚したいのは北条政子。
2ターン目に欲しいカードをそろえる役割に加え、キルターンに向けて後続を引きに行くことにも一役買う。
ゲームがもつれた終盤戦においては、剣術持ちの岡田以蔵を破壊しなければいけない場面もあるので、プレイの順番など慎重に。
マリョクカード(計15枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732255850-Jo6YentHucZ9OQs0wANT5v2a.png)
リンクはこちらの記事
1ターン目からプレイしたい色は8~10枚、2ターン目からの色は6~7枚ほどマリョクを積むのが相場。
紫マリョクはロイヤリティで引きに行く前提で、数を減らしても一見よさそうではある。しかしマリョク配置権の関係上、2ターン目にロイヤリティを打つ前に2色がそろっていないと理想ムーブにならないため、紫マリョクも素引きしたいところ。よって、決起でもないのにマリョク過多の構成になった。
ちなみに、キープ基準との折り合いで、1ターン目に赤のカードをプレイしないことも多々あるため、赤マリョクも7枚で良い説もある。ただ、片方が欠色した初期手札を考えた時、赤から紫を引きに行く動きはできるものの、紫から赤を引きに行く動きはできないため、保険として赤マリョクは8枚に落ち着いた。
その他補助カード① 栄西(4枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732257955-UyIdxBJRaCjm9n8NicVeMwhX.png)
赤単除去ビートでも厚く採用されるイジン。離宮の効果はガーディアンを割ることでも発動する可能性があるため、アタックの打点を増やすことはハンデスの量に直結する。できれば1ターン目にイジン召喚したい。
召喚が遅れた場合でも、戦闘の面差が重要になるビートプラン同士の対決では、ブロッカーを1体確保しながら2点生めるため優秀。自身がブロック+2000を持っていることも噛み合っている。
その他補助カード② イーライ・ホイットニー(3枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732259504-rKkh6sH9BjcuatF7MVbYZNg1.png)
2ターン目に除去を飛ばすことに注力するデッキなので、5~7枚目の政子として採用。政子より除去範囲が広いが、発動条件で魔力ゾーンからカードが減ることが序盤はキツいため、政子を優先して積んでいる。
以前は岡田以蔵4枚、ホイットニー2枚採用だったが、メアリー1世によるピーハンの受けを考えると、よりレベル帯が低く即プレイアブルなカードが手札に多い方が、ハンデスの選択肢を拡散できて良いと思っている。またゲームがもつれた時にはホイットニーから回収したカードが一発逆転に繋がるため、3枚採用に落ち着いた。
その他補助カード③ 岡田以蔵(3枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732260671-PVYq9ngfW0OwHSB67k2p5y4M.png)
条件を満たせば何でも除去or実質ダブルプレッシャーになる即応アタッカー。2ターン目で相手のリズムを崩した後は、岡田で蓋をするイメージで詰め切りたい。
特性:剣術を持っているため、政子のパンプを受けられる。パワー6000以上にならなくても、相手ブロッカーのパワーを超えてアタックしやすくなる点で有用なシナジーである。その場合も栄西の単騎アタックと合わせてハンデス量を稼ごう。
その他補助カード④ サンダーボルト(3枚採用)
![](https://assets.st-note.com/img/1732262203-PTUMHp8ezLBuWtcIladmKZ0C.png)
放置するとマズい浪士集う長屋や阿弥陀堂を焼く他、序盤のゲームメイクに失敗した時の逆転札として運用する。
レベル・魔力コストともに重めのカードではあるため2枚でもよい説がある。ただし、抜群のピーハンの的となり、他のカードを守ってくれる役割があるので、初期手札に来てもそれはそれでよい。よって3枚採用になっている。
デッキの動かし方
理想ムーブ
動き自体は赤単除去ビートと同様、「除去って殴る」を2ターン目から行います。そこに森閑たる離宮を敷いておくことで、相手のハンドを削ります。
<1ターン目>
赤のマリョクを配置。栄西を召喚。
<2ターン目>
紫のマリョクを配置。種を置けていれば、ロイヤリティで離宮、政子を引きに行く。
森閑たる離宮をハイケイ使用。
北条政子を召喚して除去、離宮効果で遺業封じ&1枚ハンデス。
栄西でダブルプレッシャーアタック。上手くいけば2枚ハンデス。
<3ターン目>
岡田以蔵を召喚。ここまでで相手墓地にイジンが2枚以上あることが多いので、寝たとき効果を使って除去か打点を飛ばしながらさらにハンデスして相手の返しを潰す。
次のターンでアタックを通してリーサルを決める。
キープ基準
理想ムーブで必要な札を初期手札で満たすのは難しいので、ロイヤリティで引きに行くことを前提にマリガン(手札の引き直し)を決めます。
離宮&政子のセットを2ターン目にプレイすることが最重要で、そのためにはロイヤリティで引きに行く前のマリョク配置で2色をそろえる必要があります。よってキープ基準(マリガンをしない手札の基準)は2色のマリョクとロイヤリティにしています。8積みのマリョクと4積みのキーカードから1枚ずつ計2枚は確率的に安定した基準で、そこに7枚積みの紫マリョクを合わせることも割と楽にそろいます。
残り3枚に栄西や除去イジンがあったら願ってもいない上出来な手札です。
1ターン目に出したい栄西ですが、それまでキープ基準に含めると安定しないので、対面にもよりますが、残り3枚にあったらいいなくらいに思ってます。
また、この構築の良い点は対面に合わせてキープ基準を変えて戦えるところにあります。2色マリョク+ロイヤリティはあくまでBO3の1本目、まだ相手の構築が割れていない時の、丸さを優先した基準です。
プレイのワンポイント
除去イジンと離宮を出して殴る、一見シンプルなデッキですが、プレイする上で細かいポイントがいくつかあります。
一つは、森閑たる離宮を戦場に何枚置くかです。ハイケイは使用にコストがかからないので、つい手札にあるだけ出しがちですが、ハンデスできる量を計算して、必要分以上の離宮は手札にがめておきましょう(カードを次のターンのために残すこと)。
離宮を取っておくことで相手のハイケイ除去を打ってきた場合も張り直しができますし、離宮のハンデス効果が自分に振ってきた場合の捨て札や、マリョクが無い時に配置してマホウの魔力コストにあてることもできます。
それから、ロイヤリティをあえて使わないことも時として必要です。他のデッキ全般にも言えることですが、何かしらのコストを支払うドロソは、
・このターンに引いて美味しいカードがあるかどうか
・それがどのくらい山札に残っているか
・引きに行った結果起こるデメリットは何か
を吟味してプレイしましょう。この構築においては、5レベルの岡田以蔵、6レベルのサンダーボルトをプレイするために魔力ゾーンをどれだけコストに当ててよいか、ガーディアンが減ることで面の数で負けてしまわないかなどを意識します。
サイドデッキ
![](https://assets.st-note.com/img/1732263860-TEh5Ddgv3utkIl2xbaNH0y6M.png)
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現状のサイドデッキは徳川慶喜4枚、徳川家康3枚、バレット3枚にしています。各対面でメインインするカードとキープ基準がかなり異なります。
vs青黄コントロール徴募:五分
OUT:森閑たる離宮1、栄西2
IN:バレット3
森閑たる離宮がキーカードの構築ではありますが、青黄徴募に対してはいらない寄りです。コンボ系ではないため遺業能力で与えるリソースがそんなに怖くありません。しかし無いに越したことは無く、蓋をして返しのターンを安全にしたり、劣勢の終盤にサンボルと組み合わせて逆転する役割もあるので3枚にします。
徴募ギミックへの対策は、とにかく除去を打つことです。能力の特徴上、徴募は機動役となる青イジンが召喚酔いしてない(アタックできる)状態でターンを迎える必要があります。徴募をするために確実に1体以上の青イジンを戦場にさらしてターンを返してくるので、それを除去れば徴募自体が発動しません。そのためこの構築では2ターン目に打てる除去がメインで既に7枚あります。
徴募側もそれを分かっていて、政子・ホイットニー・サンボルの除去範囲に引っかからないマルティン・ルターや、2体以上の青イジンを並べてターンを返しやすい衛青を入れてきます。これらに対処するためにバレットを積みます。
バレットは自分イジンも含めた交換になってしまいますが、パワーラインに関係なくピョートル大帝やルターを焼けます。
また、この構築には召喚権を増やす能力がなく、序盤は基本的に1ターンに1点除去どまりです。しかしマホウであるバレットを使うことで、サンボルを打てない2ターン目でも2体イジンを焼くことができます。
青黄徴募に対しては一度ギミックを達成されるとかなりきつくなるので、理想は毎ターン青イジンを0にして番を返すことです。そのためにはバレットで自分のイジンを犠牲にすることもやむをえません。
また毎ターン除去を飛ばすにあたってネックになるのが相手のメアリー1世によるピーハンです。次のターンに飛ばす予定だったカードを抜かれることで除去に漏れが生まれて徴募が発動してしまいます。そのため、キープ基準は赤マリョク+除去いっぱいです。ロイヤリティも後続の除去を追加するために重要なので、複数枚あれば除去がなくてもキープする可能性アリです。
vsスカーレット執筆LO:有利
OUT:栄西4
IN:徳川慶喜4
スカーレットLOはストウとレベル2のハイケイでドローしてパーツを集めるのが鉄板の初動です。徳川慶喜は能力によるドローに反応して手札を捨てさせるので、ストウ軸の構築には相性が良いです。スカーレットLO側は除去札を厚く積む枠も無いので、慶喜1枚で2ターンほど遅らせられます。よってキープ基準は紫マリョク+慶喜です。
vs赤紫決起LO:微不利
OUT:北条政子4、サンダーボルト3
IN:徳川慶喜4、徳川家康3
この対面が一番キツいです。ストウ同様、慶喜のハンデスは石田三成にも反応しますが、土方歳三で大量ドローし除去を打った後で展開を始めることで容易に回されるので、慶喜でターンを遅らせることはできません。
赤紫決起LOに対しては離宮を張った上でアグロで攻めるのが有用です。除去の対象となるイジンがキルターンまで出てこないことがほとんどなので、除去札をサイドにしまって、代わりにアタックの速度に寄せます。
慶喜のメタ性能には期待できませんが、レベル1・2帯イジンが栄西と合わせて8枚になることで、2ターン目に栄西ダブルプレッシャーを出せる確率が上がります。キープ基準は2色マリョク+栄西です。
vs円形4積み系:微有利
OUT:森閑たる離宮2、岡田以蔵1
IN:徳川家康3
Tier1構築にこそ挙げませんでしたが、円形闘技場を4枚積んでとにかく早く打点を飛ばすことに注力したデッキは、種類も多くシェア率も高いので対策必須です。
円形対策は、ストウなどのメタ札を積めない場合、1ターンに1体以上ずつ、着実にイジンを並べることが最低限です。徳川家康はブロッカー用のイジンを並べるのにうってつけですね。
そして序盤から相手のガーディアンを削って円形着地時の打点を減らすことも大切です。栄西は1体をブロッカーとして起こしたまま2点アタックができるので、地味に対円形闘技場として有能である感覚があります。
キープ基準は赤マリョク+栄西+2ターン目以降のイジンです。
検討中のサイド
サイドデッキの調整は大会に出るたびに変えています。最近注目しているのはファイナルアタックです。
![](https://assets.st-note.com/img/1733217847-oErwmefRBi5PhNgLXCdva7Jz.png)
微不利対面の赤紫決起LO対策として、よりアグロに寄せれる幅を持たせることが原環境での課題です。有利対面のスカーレット執筆LO用に入れてる徳川慶喜との入れ替えを検討しています。慶喜が無くても、ストウを除去することで戦える可能性があるからです。まだまだ遊び足りないぜイジンデン第3弾!
おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございました。4弾のカード先行公開に心躍らせながら、3弾環境を最後まで遊びつくしましょう。
また、この記事が次弾以降の環境の足掛かりになれば僥倖です。
余裕があれば、この構築の弱点や、他の構築から見た赤紫離宮対策の記事も書きたいと思っているのでお楽しみに!
※サンプルカード画像はイジンデン公式ホームページカードリストからの引用です。