【富士山お中道の植物観察日記】 2023年12月9日
初冬
今年の富士山は雪が少なく、冬富士らしい姿がなかなか見られませんでしたが、12月6日の朝に降雪があって、ようやく白い山体となりました。
12月6日は、スバルラインの道路の積雪のため、途中までしか開通しませんでしたが、12月7日には全線開通したので、12月9日に行ってきました。
ただ、お中道は冬季閉鎖となっていたので、残念ながらお中道の入り口付近と奥庭で観察をしてきました。
登山道にはほとんど積雪はありませんが、日陰では凍結していることもあるので、この時期は軽アイゼンを持って行ったほうが良いと思います。
定点観察
5月の新緑と10月の黄葉の写真を撮ったのと同じ場所です。すっかり寂しくなりました。
写真で振り返ってみると・・・
白い樹皮のダケカンバが青空に映えます。
タコ?火星人?
ハクサンシャクナゲの葉は、筒状に巻いています。気温が低下してくると、このような形態をとり、厳冬期の厳しさに耐えられるようになります。
タコとか火星人みたいですね。
タコ姿のハクサンシャクナゲの頭の部分は、来年の葉や花の芽です。
もうすでに準備されているのですね。
初夏の華麗な花が楽しみです。
(ハクサンシャクナゲの花の様子はこちら↓)
(ハクサンシャクナゲを含む、常緑広葉樹の越冬についてはこちら↓)
今年は(も)暖冬?
この日は暖かく、13時の気温は10℃でした。
例年12月初旬の気温は―7~-10℃くらいで寒く、土壌は凍結して、常緑樹は水の吸収が止まって、葉が乾燥してくる様子が見られます。
ところが今年は、まだ土壌凍結はしておらず、乾燥してきた様子は見られませんでした。今年は今のところ、例年になく暖冬です。
シラビソの葉はまだ、寒冷ストレスを受けた様子はありませんでした。
前回(11月)のようすはこちら↓
富士山お中道を歩いて自然観察」の連載はこちら↓
「富士山お中道の生物図鑑」の連載はこちら↓
今回の登場人物たちの紹介もあります。