
梟月Last story④オルタ双子編
⚠️オルタ双子編とはレトロチカ・サーカス梟月シャロンとは別世界線のサイドストーリーのようなものです。
オルタ編は、男癖の悪い母親が主人公である双子(兄・シャロン←サーカスシャロンとは別人と弟・涙奇)を出産した事により男に捨てられた事を機に酷い虐待をしており、それにずっと耐えてきた双子の兄が精神を病み母親を○害するというお話。
今回の④は、母親○害後サーカス編と共通の死神ジェームズにより発見され生かされていた為、この双子にもジェームズが別れを告げに来たところから始まる。
以下本編⬇️
俺はシャロンとアイリーンの魂を回収後、別の世界線へ来ていた。
目的はとある双子の魂を回収する為だ。
「よぉ、久しぶりだなガキ共」
「ん?…ああ!貴方は!いつぞやの。」
「何…?兄さん知り合い…?」
「あぁ、弟の方は知らなかったか。初めて会った時気失ってたもんな。俺はジェームズってんだ。」
「あぁ、話してなかったよね。この人はね、僕たちの母さんの魂を回収しに来た死神さんなんだって。信じられないかもしれないけど、僕はこの人が母さんの身体から何かを抜き取る所を見たから信じていいと思う。
それに、僕達を今まで生かしてくれていた人なんだ。ねっ、ジェームズさん。」
「あぁそうだな。お前らは母親を○してからもずっと2人きりで鎖で繋がれたままだったんだ。それで俺がお前らの母親の魂を回収しに行った時に、瀕死のお前らを発見して、記憶を読んだ結果、お前らに第2の人生を生きさせてやりたいと思って蘇生したんだ。
俺の力で創り出した偽物の魂を入れてな。」
「ふーん。そうなんだ。じゃあ俺らはアンタの優しさがなかったらあの時に死んでたんだね。」
「あぁ、そうだ。ただな、そろそろ俺も力の限界で、直に消えるんだ。だからお前らの魂を回収しに来た。」
「そうだったんだね。なんか最近体調が悪い日が多いなぁと思ってたから、原因がわかってスッキリしたよ。僕は全然もう回収してもらっちゃって構わないよ。充分楽しい時間は過ごせたし。」
「うん。俺も兄さんと一緒にいられるなら別に生きてる必要はないから何でもいい。兄さんが逝くなら、俺も一緒に逝く。そうじゃないと本当に死んだ後はぐれちゃうかもしれないから。」
「ふふっ、そうだね。一緒に逝かないと心配だもんね。小さい頃みたいにしっかりと手を繋いで一緒に回収してもらお。」
「お前らは…なんというか物分りがいいと言うか、命に執着がなくて助かるよ。本当にいいのか?」
「うん、構わないよ。僕に関しては既に1人の命を奪ってるんだもん。別に自分の命になんて執着しないよ。あの時に死んでいても良かったくらいだもの。生きてても死んでても、僕が僕であるのは変わらないし、僕たち双子が一緒に居るのも変わらない。だったら別に要らなくない?」
「兄さんの言う通りだと思う。俺も俺の命なんてどうでもいい。大事なのは兄さんと一緒にいることだからそこに命は必要ない。」
「そうか。じゃあお前らには申し訳ないが、俺もそろそろ力が完全に消え始めてるから回収出来るうちにさせてもらうな。」
「うん!今まで生かしてくれてありがとね。」
「うん。」
「じゃあな。死後の世界でも2人仲良くな。」
そういうと俺は2人に向けて手を翳す。
大人から愛されず、歪んだ愛でお互いを愛し続けるうちに自らの命に価値を見いだせなくなってしまった哀しい双子。
それでも俺はアイツらの幸せそうに2人で手を繋いで笑いあってる顔がどうしても愛おしい。
どうかあちらでも2人仲良く安らかに眠ってくれ。
母ちゃんのことなんて忘れて、2人っきり幸せに。
2人の魂を回収した俺は、現代へ移り、自らの魂を終わらせに向かった。
-----------------
オルタ編END
⑤はジェームズの最期で、⑤を以て梟月シャロンLast storyは終了となります。よろしければ最後までお付き合いくださいませ。