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失恋。私の場合。

失恋、それは、何という胸の苦しみ。胸の痛み。

失恋て、こんなに辛いの?世の中の失恋した人は、本当にみんなこんなに苦しい経験をしているの?これを乗り越えられる人がいるの?すごい。
初めて味わったこの耐え難い苦しさに、世の中の失恋を経験した人や、果敢に乗り越えようとしている人に、ましてや経験談として話せる人には、偉業を成し遂げた偉人に対するような尊敬の念すら感じました。

いま思うと、失恋の苦しみは、大好きな人を失うことが悲しいと言うよりは、慕っている人に拒絶される、自分が否定されることにより、自己肯定感を見失い、心に傷がついたように感じる、その傷が痛くて苦しかったのではないかと思うのです。

私の場合、同じ人に何度も「失恋」をしたのです。

何故相手がそんなに怒っているのかを理解できませんでした。事情が呑み込めないまま、いつも気がついたら別れ話に発展し、呆然とするのです。つくづく自分は鈍感だと痛感するのです。

その時の辛さは、本当に、世界から音も色も消えてしまい、モノクロになったかのようでした。

自己嫌悪にもなり、お布団から出られなくなり、ごはんも食べられなくなり、体重は減る一方で、怖くなり無理矢理口に入れても、やっぱり喉を通らない。

結局いつも相手の気が済むのかその後会いにきてくれて、また元に戻る、そしてまた一ヶ月くらいするとまた怒らせて、の繰り返しでした。

そして、最後の最後は一番こじれました。でも、もういいやって思ったのです。

度重なる失恋で、私の方もだんだんと慣れてきていました。今なら胸の痛みを最小に、別れることができるんじゃないか、そう思いました。

だから、悲しかったし沢山泣いたけど、最初の時みたいに、この世の終わり、みたいには思わなかったのです。

それに、その人と入れ替わるように、わたしは、新しい恋をしました。

それにより、死んだかのように見えたわたしは、息を吹きかえしたのです。

好きになったその人は、ちょっと面白い人でした。

前の人に、してほしくてもして貰えなかった事を、その人は、次々とあっという間に叶えてくれました。わたしの心はほぐれ、失恋の痛みを感じている暇がないほど、満たされていきました。

そうして、まるで魔法が解けたかのように、前の人をどうしてあんなに好きだったのか分からなくなってしまい、混乱もしました。

わたしは嬉しかった。
その人が、ロングソードで、わたしの心に居座り苦しめていた鎧の騎士を追い払ってくれて。

こんなことがあるなんて、恋って不思議だな。

失恋の痛手を癒すのは、やっぱり恋。そう思ったのでした。

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