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マディソン郡の橋のフランチェスカは…。その時、わたしは…

むかし、「マディソン郡の橋」という映画がありました。
田舎に住む平凡な主婦のフランチェスカが、家族が牛の品評会に出かけている間に、その土地にある屋根付きの橋の写真を撮りに来たというカメラマンと出会い、恋に落ちるという、地味で真面目な奥さんの、世間的にいうとフリンのお話です。

この映画が話題になったのは、わたしが20代の時でした。わたしは映画は観ていませんが、原作を貸して貰って読みました。
若いとは言えない二人の恋は、とくにフランチェスカの方は、味気ない生活が一変する程の出来事に感じられました。

妻としての役目、家を守る役目、
フランチェスカは、それらを捨てることができるのか。

それはそのまま、20年の時を経て自分の身に降りかかりました。

今のままの、穏やかだけど退屈なような幸せと、新しく芽吹いた新緑のような変化に揺れるフランチェスカが、自分と重なりました。

女性の幸せは、人それぞれだとおもいますが、
わたしは、女の人は何かを追いかけているのが一番自然な感じがしたのです。

そちらを選んだわたしは、世の厳格な女性を出し抜いたような気さえしていました。

元いた場所を離れるとき、わたしは何人かの知り合いの女性に事情を話しました。

きっと保守的な考えの人は非難すると思いました。だけど、話した女性はみんなそうではなかったのです。

あ、なんか元気出た、ありがとう、そう言ってくれたひとがいました。
それが、とても嬉しかったのです。

フランチェスカは、フランチェスカの道を選んだのだし、わたしはわたしの道を決めたのです。

長いスカートを持ち上げて、興味に向かって走っていく。

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