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【ライブ配信編】全部ワイヤレスで配信してみる
秋は、芸術の秋、食欲の秋、読書の秋などなどいろいろな場所でさまざまなイベントが行われました。みなさんは、どんなイベントに参加しましたか?
この2か月間は、ライブ配信と音響とイベント運営三昧で、なかなか記事を書く時間とれなかったのですが、ようやく落ち着いたので、この期間に担当させてもらったライブ配信とPA音響に特化して、トラブルや勉強になった点をご紹介していこうと思います。。
めちゃくちゃ件数が多かった中で、前回はPA音響篇ということでご紹介しました。
今回は、ライブ配信篇の中でチャレンジ的なことを実施した事例をご紹介します。
今回は、映像も音声もすべてワイヤレス伝送で行うライブ配信をやってみました。
調整した中で、気になったところをまとめてみました。
配信や音響がかぶりすぎて、機材が足りない。。
1日で、3か所の配信や音響、ビジョン管理となぜか同じ日に集中してしまって、大変だったとある1日のこと。
まずは、自分が行けずにほかのスタッフにお任せする現場にできるだけいい機材を割りふって、残った最低限の機材で、配信と音響を行うことに。
レンタルも考えたんですが、予算の都合上、それも難しい感じだったので、なんとか工夫して配信を行いました。
しかも、この配信、ハイブリッドなので、会場にも音をださないといけませんw
残った機材は、ワイヤレス機器ばかり
残った機材は、カメラとスイッチャー以外は、ワイヤレス機器ばかりで、長めのケーブルも無しという状況で、以下のような機材でチャレンジすることとなりました。
Accsoon CineView SE 3セット
Shimbol TP Mini 1セット(モニター用)
SONY UWP-D21//KBJ 3波
【映像伝送】Accsoon CineView SE
個人的には、映像無線伝送で最強だと思っているAccsoon。
CineViewシリーズは、2.4GHzと5GHzの両方で映像を飛ばし、ブロックノイズ等映像の乱れが起きた場合、2.4GHzと5GHzの良い状態の映像を自動的に出力してくれる独自技術が売りの機材です。
主な仕様は以下の通り。
レイテンシー(遅延) 50ms以下
伝送範囲 1200フィート(約350m)
SDI &HDMI 入力と出力(※SDIは入力レベルA/B対応、出力レベルAのみ対応)
入力フォーマット 1080p 23.98/24/25/29.97/30/50/59.94/60fps
出力フォーマット 1080p 24/25/30/50/60fps
注意点は、SDI出力がレベルAのみ対応なので、Blackmagic等のスイッチャーに入れる場合、レベルAにする必要があったりしますが、スイッチャーの設定をレベルAに変えてしまうと、他のSDI機器が認識しない恐れがあるので、スイッチャーにはHDMIで入れるという部分です。
最新版では、従来のデュアルバンドに加え、6GHzを追加したトライバンドの製品も出ています。値は張りますがw
【映像伝送】Shimbol TP Mini
カメラマンさんがたまたま持っていたShimbol TP Mini。
ドラゴンのシールが付属している一見超怪しい製品。
これの上位機種(1000フィート対応版)は、パンダの絵柄がついているといるものもあります(笑)
実際使用してみましたが、消費電力が少なくてバッテリー持ちがとってもいい印象でした。5GHzで伝送していますが、伝送範囲もよっぽど遮るものがなければ、特に問題ありませんでした。主な仕様は以下の通り。
レイテンシー(遅延) 70ms以下
伝送範囲 600フィート(約180m)
HDMI 入力と出力(※SDIは入力レベルA/B対応、出力レベルAのみ対応)
入力フォーマット 720p@50/60Hz / 1080p@24/25/30/50/60Hz
出力フォーマット 720p@50/60Hz / 1080p@24/25/30/50/60Hz
注意点としては、音が映像よりも遅れてくるという部分と1080P60設定にしても実際は1080P30で伝送されるところ。でも、この価格であれば納得という感じです。配信自体も1080P30でやっていたのですが、画質的には、ライブ配信レベルでは十分。本線で使用というよりは、カメラマンへのモニター用で使用するほうがいいかもしれません。
軽いし、バッテリー持ちもいいので、1つは持っていると役に立つ機材です。
あと最大の注意点!Amazonで売っているShimbol TP Miniは2種類あって、ドラゴンの絵柄が直接筐体にペイントしてあるものとシールタイプのものがあります。機能的には一緒のようですが、海外向けと日本向けで違うようです。現場でドラゴンは、ちょっと目立ちすぎますもんねw
我々の間でも通称ドラゴンと呼んで使いましたw
リンクは、シールタイプのものです。
【音声伝送】SONY UWP-D21
映像だけでなく、音声もワイヤレス。
ハンドマイク型のワイヤレスがほかの現場で使われてしまっていたので、これのラベリアマイクをSM58に差し替えて使用w
アンプ、スピーカーはもちろん有線で行いましたが、マイクは、すべてこのセットで行いましたw
なぜフルワイヤレスでハイブリッド配信をしたのか
配信や音響を行う場合、できるだけ有線でやったほうが安定・安心です。
今回ワイヤレスを中心に構成したことには理由があります。
もちろん、残った機材がワイヤレス系ということもありますが、実際のところ、めちゃくちゃカメラが動く配信だったからです!(イイワケw)
配信内容が、アーティストの作品のギャラリートーク。展示された作品の前に移動して、そこで作品の説明をするという感じです。また、ハイブリッドなので、作品の説明を聞いているギャラリーもまわりにいる状態。ケーブルの引き回しはほぼ無理な状況でした。
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ワイヤレス機器を使用するときに大切なこと
そんな理由でほぼフルワイヤレスで行うことになったハイブリッド配信。
準備をしているときに注意した点をご紹介します。
映像伝送機器は、すべて同じものを使用する。
ワイヤレス伝送機器は、メーカーや機器によってレイテンシーが異なります。しかも、レイテンシーは一定ではないということを頭にいれておかないといけません。今回使用したCineViewもレイテンシーは、メーカー発表で60ms以下ですが、かならず前後します。平均60msと思っておいた方がいいでしょう。
一番大切なリップシンクを調整!
有線でも必要なリップシンク調整。音声にディレイをかけて、映像と音を合わせます。ワイヤレス伝送の場合、前述した通りレイテンシーが一定ではないので、ぴったりあわせることは難しいですが、できるだけ気にならないレベルまで追い込む必要があります。ひどい場合は、本番中に再度調整する必要もでてきます。
カメラの音声は使わず、ミキサーで一括管理
カメラにSONYの受信機をつけて、音声を拾うことも考えましたが、ハイブリッドなので、ミキサーで一括管理しました。というか、ミキサーで一括管理は、ワイヤレスじゃなくとも必須だと思っています。
コンプをかけたり、音を上げたり下げたりできないと話になりませんもんねw
バッテリーに注意!
カメラによって搭載できるバッテリー容量に違いがあると思いますが、できるだけバッテリー交換が少ない方が、危険もありません。
機器によっては、モバイルバッテリー(PD対応品)で給電できるので、できるだけ容量の大きいバッテリーを使いましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
できれば使いたくないワイヤレス機器。
でも使わざるを得ないワイヤレス機器。
使用する場合、有線と同じ感覚で使用すると音がズレたり、途中で接続が切れてしまったりすることを考慮して準備をする必要があります。
今回も、切れたときのために、1台多くカメラを設置する等、バックアップを用意したのですが、なにかあったときのために、有線のときよりも「保険」を厚く準備する必要があると思います。
この情報がみなさんのライブ配信ライフのお役に立てば幸いです!
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