キングオブコント2024感想

今年も最高に面白かったです。

面白かったのは勿論なんですけど、それ以外にも
子供の頃に比べて、面白いと思えるものが増えたように感じます。

2007年のM-1、サンドウィッチマンが優勝した年、まだ小学生だったんですけど
サンドウィッチマン以外ほぼ笑えなかったんですよね…。
でも今見るとPOISON GIRL BANDの空気感とかトータルテンボスの展開の運び方とか
めちゃくちゃ面白いなって思いますし、
知識以外にも、表情とか雰囲気とか、笑いの作り方の多様さを受け入れられるようになったのかもしれません。

ネタに関しては純粋に自分の好きなネタ、好きな箇所を見つけながら、
賞レースは賞レースで人生ドラマを見届けるぞ、って気持ちで楽しませていただきました。

1、ロングコートダディ「花屋」

セット何も無しで、人間力と発想力をこれでもかと見せてくる2人が、
めちゃくちゃかっこよかったですね。

笑いの取り方の王道として「ツッコミが観客の代弁をする」ことで共感の笑いを生む、というのが
ある(と思う)んですけど、その意味では最後の「まだ、マイナスです」の破壊力は半端無かったです。
観客の気持ちを代弁しながら、
でもそのセリフはコントのありがちな結末に対して裏切っているから予想できなくて、
更に現実じゃ命を救ってくれた相手にそんなこと言えない、という毒舌としての痛快さも上乗せで、
ウケが凄いことになったのかな、と思いました。

2、ダンビラムーチョ「富安4発太鼓」

僕はめちゃくちゃ好きでした。
原田さんの最初のセリフとか結構わざとらしくて、リアリティは無いのかもしれません。
でも僕は逆に、肩の力を抜いて見られるからいいなあって思います。
くだらなくて最高でした。
音響に強く当たるとか、太鼓を5発以上叩かれちゃう、みたいな可哀想なシーンがあっても、
2人とも、なんかほのぼのとしてるから可哀想に見えないんですよね。だから安心して笑えるのが不思議な魅力です。

あと、最後「ソイヤ!」と叫んで終わってたのは、コントの設定に被せて
「大原さんがソイヤと言ったらこのコントは終了」と番組と打ち合わせてあるかのような見え方になっていて
オシャレで好きだな、と(勝手に解釈して)感動していました。

3、シティホテル3号室「通販番組」

勿論めちゃくちゃ面白いのですが、
個人的な好みでは前2組の方が上でした。
ネタバラシの瞬間は最高で、それが分かった上で2人のやり取りと演技で
魅せていくのが見事ですよね。
けど自分の中では、ネタバラシの笑いを越えては来なかった、と思いました。

4、や団「休憩時間」

3年連続、見終わった後の満足感が凄いです。
色んな要素をずっと擦りながら話が進んでいくのと、
それを忘れかける度にツッコミワードで思い出させてくれるので、
ずっと予想外の角度からパンチが飛んでくる感覚でとてもワクワクします。
3位→5位→4位で相当悔しいでしょうね…。

5、コットン「おままごと」

面白かったですし、完成度が凄すぎますね。
最後の展開でそういえばおままごとだったな、そりゃ子供視点ではそういう反応になるよな、
ということを思い出させられて完璧の構成だったと感じたのですが、
賞レースで審査されるとなるとこういう評価になってしまうんですね…。

6、ニッポンの社長「新入部員」

僕の母親はニッポンの社長が落ちた時に不満を爆発させていました笑
僕も、自分が笑った量で言うと1番でしたね…。
2人の醸し出す雰囲気があってこそだとは思いますが、
やっぱりオーバーアクションが1番面白いなあって思ってしまいます。

7、ファイヤーサンダー「毒舌散歩」

僕は今年の準決勝、ネタバレしたく無いので
ネットで話題になっていた何組かだけ見たんですけど、その中ではこのネタが1番好きでした。
そしたら決勝もちゃんと1位通過になってくれてシビれましたね…。
ネタバラシの瞬間感動してしまいました。
素人目ですが、警察官が相手の身分確認をする件がコントの設定の説明にも自然になっているのが上手いですよね…。丁寧な前振りから予想外の方向に持っていかれるのがたまらないです。

8、cacao「部屋練」

これもめちゃくちゃ好きでした…
ネットで新世代のジャルジャルって言われいたのを見ましたが、確かにって思います。
ネタの構造もですし、3人の口調もなんとなく想起させられます。
キャラ勝負じゃ他に勝てないと踏んでのことなのか、状況の面白さで会場の空気を掴んでいたのがカッコ良すぎました。
平場のコメントやYouTubeもネットで話題になっていますが、
この人達はまだまだ面白いものを生み出してくれそうだなって凄くワクワクします。

9、隣人「チンパンジーとおじいさん」

面白かったのですが、今日の激戦の中では最下位も仕方ないんですかね…。
ちょっと展開がわざとらしく感じたかも…
と思ったのですが、わざわざネタの粗探しをするなんてつまらない行為ですね。やめます。

セリフに無駄が無くてスッキリしてるのが見事だなあと思ったのと、
おじいさんの驚き方や怒り方が個人的には凄く好きでした!
これ去年の2本目に用意していたネタなんでしたっけ?
その流れでも見てみたかったですね…。

10、ラブレターズ「光」

正直、ファイナルに残ったのは意外でした。ごめんなさい。
でも飯塚さんが仰っていた通り、哀愁の部分が会場に刺さったんでしょうね。
空気階段の火事のコントみたいに、2人が同じ方向を向いて全力な様が面白い、という構図は
ここまでの9組には無かったな、と、振り返ってみて気づきました。

個人的な好みではニッポンの社長、や団、cacaoあたりが落ちたのは残念でしたが、
ラブレターズが高得点で喜んでいる様子は感激しましたし、
これで優勝して報われる展開をちょっと期待もしてしまいました。
(でもロングコートダディが優勝だろうな…とこの時点では思っていました笑)

1、ラブレターズ「YOUは何しに海岸へ」

溜口さんのビジュアルが良すぎるのと、片言が上手すぎて感動しました。

ラブレターズって、カオスなストーリーのある部分を無理やり切り取ったような、
よく言えばリアル、悪く言えば荒削りっぽい側面があるような気がして、
作品として完璧じゃなさそうに見えるのが、
今回に関してはなんだか妙な説得力を感じました。
いや、わかんない。一言で言うなら訳わからないけど面白かったです。
ある意味、会場にハメるのが難しい凄く繊細な、ナマモノのコントな気がします。

見た瞬間は正直優勝はどうだろうと思いましたが、
これを見た後だと、残りの2組のコントはちょっと都合が良すぎるように感じてしまって、
それで他を抑えることができたのかな、という気がしました。

2、ロングコートダディ「岩壁に封印されしウィザード」

でも個人的な好みではロングが優勝だと思いました。

物に頼り過ぎている所がどう評価されるかな、という気持ちもありました。
けど彼らは今まで、漫才でもコントでも沢山の手数を見せてきて、
テレビにも沢山出るようになった今、
地上のスター(地下芸人という言葉に対して)になっていくことが期待されると思うんですよね。
そういう意味では、テレビショーに相応しい楽しいネタだった、
それを披露してるのが今の2人の立ち位置に凄く合ってるな、と感じました。
このネタで優勝して、晴れて来年から賞レースの1つ上のステップで活躍、
というストーリーが僕には見えたんですけどね…。
とにかく面白かったです!ラストイヤーのM-1も楽しみです。

3、ファイヤーサンダー「野球」

これもらしさ全開で面白かったのですが…
ちょっと1本目と比べてしまったのと、オチが唐突に終わってしまったように自分には感じました。
でもファイヤーサンダーの飛躍を今年は期待していたので、嬉しかったです。
そしてラブレターズの優勝も納得でした。

色々言いましたが、見てる時は細かいことなんて考えず全組めちゃくちゃ笑ってました。こんなに笑えるネタが何通りもあるのが凄いなあって毎年思います。という素直な感想を最後に書いておきます。

何がどう面白かったとか考えるのが僕は好きなので、こういう感想文も好奇心で書かせていただきました。


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