発音はノリと気合いで何とかなるのか?
いきなり答えを出します。
「なりません。代わりにボディーランゲージが上手になります」
僕は英語学習を始めて、しばらくしてからそれに気がついたので、結構遠回りをしてしまいました。
今回は、どうにもならない理由を説明します。
まず、当たり前なのですが、会話は、音で成り立っています。そして、音は空気の振動によって作られます。音単体では、会話は出来ませんが、音を組み合わせ、その組み合わせた音に対して意味を持たせた事によって、人々は会話(自分の思いを音にして相手に伝える事)が出来るようになりました。
そして、日本語、英語、中国語やスペイン語など全ての言語は、それぞれ独自の音の組み合わせによって形成されており、その言語用の音の出し方に沿って言葉を発する必要があります。
あなたが英語の発音をそこまで気にせずに学んできて、もう大人になっている場合、あなたの口は、完全に日本語専用の口になっています。
細かな説明をすると、めちゃくちゃ長くなってしまうのでバッサリ省きますが、日本語の母音の数5個(あ、い、う、え、お)に対して、英語の母音の数は20個位そして、子音の数も日本語の16個位に対して、英語は24個位あります。(位というのは、人によって意見が異なったり、アメリカ英語やイギリス英語によっても異なる為です)
もし、日本語の音の出し方しか知らずに英語を話そうとした場合、どうやって対処するかというと、取り合えず一番近い音を使おう。という事になりますが、英語を話す方からすると、全く違う音に聞こえるので、いくら声を大きくしても、伝わらない、という現象が起こります。
例えると、鍵盤が20個位しかないピアノ(日本語用)で、鍵盤が40個位あるピアノ(英語用)と同じ曲を弾こうとしている感じです。
必要なのは、英語用のピアノになるように鍵盤の数(日本語には存在するしない音)を増やしていく地道な作業であり、日本語用の少ない鍵盤しかないピアノを使って英語の曲を何度も練習する事ではありません。それだと寧ろ逆効果です。
カタカナで記載すると同じ日本語の音になってしまうような下記の英語は、しっかりと英語の音を学ばないは話すことは出来ません。そして、話せない音は聞き取ることも出来ません。
SeeとShe
WriteとLight
SinとThin
更に、日本語は、子音と母音が常に1セットになっているが、英語だと子音だけで発音される。という非常に大きな違いがあります。
例えば、Salad
僕はNew Yorkのレストランやデリでサラダの注文がいくら頑張っても出来なく、紙に書いて注文していました。(実話)
日本語だと、サ(SA) ラ(LA) ダ(DA)と子音のS,l,dに対して必ず母音のAがくっついています。
それが英語の発音記号だと、sǽlədとなって、サラダの最後のdは子音だけになります。
つまり、サラdと言わないと伝わりません。(ダとdは全然違う音です)
それに加えて、日本語には存在しない母音のǽ(CatやHatと同じ母音)も混ざっているので、結構難易度が高い単語になっています。
更に更に、英語の発音を難しくする要因として、英語のSpell(スペル)から発音を正確に予測する事が出来ない。というのがあります。
僕個人的は、これが日本人が発音に苦労する一番の理由だと思っています。
日本語は、書いてある(スペル)通りに一言一句漏らさずに読めば正しく読めます。
対して英語はというと、スペルにはあるのに一切発音しない音があったりします。
例えば、Debt(借金)ですが、bは一切発音しません。発音記号はdetで片仮名で表現するとデットなり、デブトとはなりません。
Walk(歩く)なども、lがスペルにあるので、Lを発音したくなりますが、発音記号はwˈɔːkであり、Lは一切発音しません。
なので、単語を覚える時には、必ず音と一緒に覚える事と、発音記号も合わせて確認する癖をつける事をオススメします。そして、発音はReadingやListeningと比べて独学で学んでいく事が非常に難しいので、先生をつけて指摘してもらいながら学んでいく事をオススメします。
最後にまとめると、
1. 英語には日本語に存在しない音が多数存在する。
2. 日本語は子音と母音がセットになっているが、英語は子音だけで発せされる。
3. 日本語は書いてある通りに読めば良いが、英語は発音記号を確認しないと正しい読み方が分からない。
4. 独学での発音学習が困難。
というのが、英語の発音を難しくしている要因なので、ノリと気合いに頼らず、コツコツと勉強していきましょう。
時間はかかりますが、正しい方法で学習すれば、英語の発音は大人になってからでも必ず上達出来るものなので、是非諦めずに取り組んでみてください!
発音の知識が今全くなくても伝わる発音を身に付けることが出来る学習法については下記のnoteをご覧ください。
【プロフィール】
・小田倉 晃 / Hikaru Odakura
・1985年11月30日生まれ、34歳
・茨城県水戸市出身 → つくば → ニューヨーク → 赤坂(← 今ここ)
・中学校で生徒会長を務めたお陰で推薦で全寮制の日立工業専修学校に入学するも学習の意義を見出せず3ヶ月で中退、親友の家に居候させてもらいながらイタリアンレストランで働きつつお金を貯めて16歳から一人暮らし、1箇所に留まるのが苦手な為、通算10回以上引越ししている引越しのプロ
・20歳で茨城県つくば市にある珈琲哲学つくば大穂店の店長になり閉店ギリギリの状態から5年間かけて月商を倍にし、最優秀社員賞を2年連続で受賞
・今でも尊敬している最初の上司に「10年やってから文句言え」と言われた為、10年同じ飲食店で働いた後、26歳の時にキャリアチェンジを決意。英語力0、人生で初のフライトでニューヨークに渡米し、日系で唯一のシェアハウス運営会社CrossOverのマネージャーとして全業務を担当する
・英語のもつ無限の可能性と美しさに魅了され、取り憑かれたように英語を学習しTOEIC990点を日本帰国後一発で取得(通算では3回目の受験)
・日本帰国後は都内の英語コーチング会社で主に大企業の役員の方を対象にコーチングを行いながらも、CrossOverのSVPとして海外メンバーとのオンラインミーティングのファシリテーターや日本での代理店営業を行う
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