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Live2Dモデルを依頼するときに確認すべきこと「イラストレーター編」

Vtuberの肉体をLive2Dモデルとして作成する場合、イラストレーターの作業は『キャラクターデザイン』『実際のイラスト制作』『パーツ分け』といったように、通常よりも多くの段階を踏むことになります。
今回、この中で『キャラクターデザイン』に伴う権利関係の注意事項と、『パーツ分け』に伴う技術的な注意事項について記述していきます。
ぜひ「Live2Dモデラー編」と合わせてお読みください。

権利について確認するべきこと

イラストレーターにパーツ分けイラストを依頼するとき、多くの場合は描かれるキャラクターのデザインから発注するでしょう。
その場合、キャラクターの権利関係についてお互いに確認する必要が出てきます。
イラストレーターとの意思疎通がうまくいっていない場合、モデルの使用を禁止されることもありえます
これをふせぐためによく紹介される方法として「著作権を譲渡してもらう」ということがよく挙げられますが、一般的に譲渡までは必要がないことが多いです。
いかに解説するような使用上の権利や取り決めについてイラストレーターと話し合うことでほとんどの場合解決します。

キャラクターを描く権利について

もしVtuberになることを目的にパーツ分けイラストを依頼しているばあい、そのイラストのキャラクターが使用されるシチュエーションはLive2Dモデリング以外に様々が考えられます。
例えばファンアートの制作や、キャラクターを創造したイラストレーター以外のアーティストによるサムネイルイラストやアイコンイラストの依頼などが挙げられるでしょう。
ほとんどのイラストレーターはこれらの活動を許可する傾向にありますが、著作権を所有しているイラストレーターによってはこれらの活動を禁止することも可能です。
ですので、これらの項目について事前に確認することが重要です。

イラストを使った活動内容について

Vtuber向けモデルを作った立場のクリエイターにとって、モデルを使って活動するVtuberはある意味で広告塔のようなものです。
Vtuberの界隈の中でこの関係は「ママ」「娘」「息子」など家族を想起させる呼び方をすることが多いです。
もし本人が実際にその呼び名を使っていなかったとしても、強く繋がっているイメージを持たれることは必至でしょう。

よって、自身の活動内容についても具体的に伝えることが重要です。
例えば、大人向けの活動を行う予定がある場合、一部のイラストレーターにとってはブランドイメージとの整合性に問題があるかもしれません。
最悪の場合、使用許可が取り消される可能性もあります。
依頼を行う前段階で明確に示すことがトラブルの回避につながります。

イラストを加工することについて

VtuberはLive2Dモデルづくり以外の目的で自身のイラストを使用することが多いです。
サムネイルづくりや、VtuberのSNS間で人気のコラ画像の作成などが挙げられますが、これらについても注意が必要です。
基本的には問題のないものが多いですが、場合によっては作品が損なわれていると感じるイラストレーターもいるかもしれません。

AIイラストについて

AIを使用して生成された素材と自身のイラスト組み合わせられることにいい気持ちがしないイラストレーターは多いです。

AI関連についてはクリーンになるまで使用しないことをおすすめします

また、イラストをAIへ読み込ませ新しいイラストを生成する行為にいたっては禁止している方もいらっしゃいます。
イラストレーターを支持するファンの間でも、AIについていい気持ちがしない人は少なくないでしょう。
使用するか否か最終的に決めるのは使用する本人ではありますが、個人的にはAI関連については法整備が整えられるなど、クリーンな環境になるまで使用しないことをおすすめします。

【権利に関係する確認事項テンプレート】

〇ファンアートについて
リスナーなどからファンアートを描いてもらってもいいですか?
〇イラストの外注について
(イラストレーターさんの名前)以外の方にアイコンやサムネイルイラストなど活動に使用するイラストを描くことを依頼しても大丈夫ですか?
〇Vtuberとしての活動方針について
(簡単にまとめた活動内容[例…ゲーム実況、雑談])のような活動をする予定です。活動内容についてしてほしくないことなどはありますか?
〇イラストの取り扱いについて
イラストについて活動のために加工をしても大丈夫ですか?(できれば例を見せる)また、してほしくない加工などはありますか?

パーツ分けイラスト制作にあたって確認すべきこと

Vtuberの肉体は主に『Live2Dモデル』と『3Dモデル』に分かれます。
『Live2Dモデル』は原画イラストのクオリティをそのままにアニメーションさせる機能をもった身体として人気です。
アニメーション部分について制作するソフト、『Live2D』でLive2Dモデリングを行うためには、原画イラストにパーツ分けという作業が必要になります。
このパーツ分けを『イラストレーター』へ依頼するとき注意すべき点について紹介します。

パーツ分けイラストの制作経験について

パーツ分けイラストは通常のイラスト制作と違いが多いです。イラストレーターにパーツ分けイラストの制作経験の有無について確認しましょう。
もしそのイラストレーターがパーツ分けイラストもLive2Dモデリングもできる方なら問題ありません。
パーツ分けイラストの経験がない場合は、Live2Dモデラーと連携をとることで何度もイラストの修正依頼をしなければならなくなるといったトラブルを避けることができます。
もちろん、パーツ分けイラストの経験があるイラストレーターであってもLive2Dモデラーとの連携はあるにこしたことはありません。
最低でも、清書を開始する前の段階で連携をとることが望ましいでしょう。

イラストレーター様へお渡しする資料の一例

パーツ分けイラストの修正依頼について

パーツ分けイラストが完成、納品され、Live2Dモデラーへ渡った後のことについても確認しておくべきでしょう。
もし更なるパーツ分けが必要だった時にどう対応するのかを事前に決めておく必要があります。
まず、イラストレーターへ追加のパーツ分けを依頼する場合、どの範囲から追加料金の必要か否かについて事前に聞いておきましょう。
・公式が提示していない範囲のパーツ分け
・依頼するときに明言していなかったパーツ分け
などを依頼するときには追加料金を支払う必要があるでしょう。

公式が提示している範囲のパーツ分けについては、Live2d公式マニュアルをご確認ください。

もしハイクオリティなモデルを望む場合、この公式が提示している以上のパーツ分けを必要とする場合が多いです。
その場合はLive2Dモデラーと連携を行い、パーツ分けについてアドバイスをもらうことが重要になります。

また、イラストの修正を他人に許せる範囲についても確認をするべきでしょう。
具体的にはLive2Dモデラーが必要な時にパーツ分けを追加でやってもいいか、それともすべての修正をイラストレーター本人がやりたいのか確認することです。

まとめ

Live2Dモデルを依頼する際に確認すべき事項について、要点は以下の通りです。

  1. 権利について確認すること: イラストレーターとキャラクターの権利関係や使用上の権利について話し合い、納得のいく取り決めをする必要があります。

  2. キャラクターを描く権利について: Vtuberとしての活動だけでなく、他のアーティストによるイラストやファンアートなどの使用についても許可を得る必要があります。

  3. 活動内容について伝えること: Vtuberの活動内容やイメージによって、イラストレーターが許可するかどうかが異なる場合があります。明確に活動内容を伝え、トラブルを避けるようにしましょう。

  4. イラストの加工について注意すること: 自身のイラストを加工して使用する場合でも、イラストレーターによっては損なわれていると感じる可能性があるため注意が必要です。

  5. AIイラストについて: AIを使用したイラストとの組み合わせやAIによる新たなイラストの生成に関して、イラストレーターの意向を尊重することが重要です。

  6. パーツ分けイラスト制作に関する確認事項: イラストレーターのパーツ分けイラスト制作の経験や修正依頼についても事前に確認しましょう。

  7. パーツ分けイラストの修正依頼について: 追加のパーツ分けや修正が必要な場合、追加料金や修正の範囲について事前に合意を取りましょう。

Live2Dモデルを依頼する際に確認すべきポイントのまとめでした

余談

クリエイターと意思疎通をするコツ

ここまで大事なことについて事前に確認しよう、話し合おうということを言ってきました。
ですが私を含めクリエイターは往々にして会話が苦手意識があったりします。
簡潔に、わかりやすく意思疎通をするために、連絡をするときは箇条書きを意識することをお勧めしておきます。

①見やすい
②わかりやすい
③番号をふれば番号別に返事できる
④敬語じゃなくてもいい
⑤羅列した後に順序を調整できるとなおいい

おわりに

ここまでお読みくださりありがとうございました。
よろしければ過去にLive2Dを担当したモデルの映像も見ていってください👇


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