あと13日になりました。
今回、ひとりだけリハーサルをやらない人がいます。
毎週20時から23時まで練習場としてグラムシュタインを使っていて、出演者の方々を一組ずつお呼びしてリハを行っています。
本番のステージで練習できるというのは、なかなかないことです。
ヴァレンタイン・イブライブの時は、当日のみでした。
それは一般的なことで、ゲネプロなどはよほど大きなイベントでないかぎりありません。
だから、きっと人に話せば、ずいぶん贅沢なことだと驚かれることでしょう。
その点でもグラムシュタインはすごいライブハウスだと思ってしまいます。
その資金はどうしているの?
そもそもイベントの資金はどう賄っているの?
素朴な疑問が湧いて出てくると思います。
スポンサーを募集している様子もないし、チケットも売ってないし、大丈夫なの?
大赤字ではないの?
うーん。
実は、その点かなり無頓着です。
先月行った還暦ライブも、当然のことながら、貸切料金には最低保証料金がありまして、それを人数で割ったものが動員ノルマになります。
いくら友人の会社のお店で、お安くしてくださったとしても限度があります。
けれども、いざ会計しようと精算したところ、来てくださったお客様からいただいたお金以外は受け取ってくださらなかったんですね。
……え? いやいや、だめでしょう。
かなり押し問答をしたのですが、結局受け取ってもらえませんでした。
「大変勉強になりました。とてもいいイベントで感動しました。そのお手伝いができてうれしかったです。ありがとうございました」
店のマネージャーがそうおっしゃったくださったのです。
大先輩のソムリエの顔を立てることができたことと、その友人のライブを無事に終えることができ、店としては儲けはなかったにしても良しとしたのだと思うと、頭が下がりました。
それに近いものがあります。
私が、イベントを興すことが自分にとって勉強だと思えば、それは授業料を支払うべきことであるし、損得を考えていたらそこで足は止まります。
赤字を出さないことが大前提であるのならば、それに見合った収益を考えなければなりません。
もしくは、収益が決まっているのならば、そこからはみ出ないコスト管理をしていかなければなりません。
でも、それって窮屈極まりないことです。
それに、私はこのイブイブライブ、仕事として請け負っているわけではありませんので、黒字でなければ事業に損失を与えるということもありません。
先日、お友達のライブにお邪魔してきたというお話をしましたが、彼はレコーディングをして、その発売のためのお誕生日にライブをセッティングしたのでした。
そのハコ代金、グラムシュタインの倍料金。
満席でも黒字にはならないと単純計算でわかります。
その上、プロのミュージシャンを押さえて、録音スタジオでのレコーディング、いったいお金いくらかかったんだろう…と心配になりましたが、やはりかなりかかったようです。
でも、そうしてやった結果、凄まじさが生まれています。
そして、これからはそれを売っていこうと戦略を練っていて、つまり宣伝広告をかけることになるわけで、またそこには投資が必要になります。
要するに、ずっと黒字にならないことをやり続けているわけです。
しかし、それが、小さくまとまることなく、夢を追い続け、作品の色となって表れているということなのでしょう。
勉強をする、というのは、夢をかなえていく、ということと同義語なのかもしれません。
ということで、グラムシュタインでの練習日は、あと二回。
リハーサルができなかった人も、ばっちりやった人も、結局は出たとこ勝負です。
あと13日でございます。
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