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恋ってなんだろう。
人が恋をしている話を聞くと、なんだかウキウキしてしまって、失恋した話を聞くと、いい経験だったー! もっといい人がいる、次行けー、なんて励ましたりして、そんな風に人は出会って別れて、それを繰り返していくなあ、と中島みゆきの歌のように、しみじみ思ってしまったりする。
しかしながら、恋とはいったいなんだろう。
「私、恋をしているの?」
小説の中では、そういう台詞をヒロインに何度か言わせてはきた。
けれども、私自身が、
「私は恋をしているのね」
なんて呟いたことはない。
過去を振り返っても、一度もなかったのではないだろうか。
それでも結婚するときはするし、ご縁というのは不思議なものである。
え? マジで? じゃあ、あれは? とすかさずツッコミが来るのはわかっているのだが、やはり振り返っても、恋、とは違ったものだったろうと思う。
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