デジタルイラストで泣き顔を描く
創作工程の3回目です。
今回もデス・ストランディングのゲーム画像に極力近づける、写実模写に挑戦してみました。
題材はロックネを描きました。演じたのはマーガレット・クアリー。彼女も新進気鋭の役者さんで、最近だとブラピとディカプリオの競演で話題になったタランティーノ監督作品「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」への出演でも話題になりました。
60年代後半のヒッピー文化と新興宗教のイメージガールとして、印象的な演技でしたね。
元ゲーム画像はこれです。
※画像はクリックすると拡大表示します。
ロックネの登場シーンは劇中で少ないのですが、その中で印象的なシーンを抜粋しました。彼女の感情が露になる瞬間です。澄ました表情ではなく、崩れた顔を描きたいというのもありました。
下書きとしてトレースして線画にします。相変わらずこの段階だと似ていません。
今回は人物の顔部分をどう写実的に描いていくのか説明しますと、まずこれ。色々試行錯誤の末辿り着いたひとつの形、顔型パレットです笑 人物の顔の描き込みは大まかに置いた絵の具を混ぜながら陰影やグラデーションを付けてゆくのですが、いちいちパレットを開いて色を置くのが面倒なので、ざっくりとした色配置で顔の形のパレットを作ってしまいます。
ただこのパレットに直接描き込んでいくわけではなく、横に配置して色を取っていきます。
ざっくり色を置いてから、色の輪郭を混ぜて陰影を自然に、滑らかにしていく過程です。元絵を別モニターに出しながら、ひたすらなぞる作業です。だんだんとツルツルになっていきます。一番時間のかかる工程ですが、だんだんとクオリティを上げていく作業はやっていて楽しい部分でもあります。
耳を別レイヤーで描いて、ぼやかして結合します。なんだかこれだけ見ると、マーガレットってナタリー・ポートマンに似てないですか?似てないか笑 次に背景です。
ほぼ真っ黒ですね。おそらく部屋の天井の構造物と思われる部分をエアブラシで描いて、ピンボケさせます。ここにレイヤーごとに描き込み、重ねていきます。
まず顔と髪。髪の毛はこの段階ではほぼ、エアブラシでざっくり流れだけ表現しています。
胴体を描き込みます。相当適当に描いて、ぼやかして結合です。
手前にある人物の顔の一部を描いてぼやかします。本編をプレイした人は誰なのか、どのシーンなのかピンとくると思います。今思い出しても泣ける。
忘れてました、耳を合体。
各ディティールを加えます。前髪と生え際、流れる涙の粒。輪郭をエアブラシで潰したりなどなど。最後にタイトルと署名を入れ、最終調整をして完成です。
トータルの制作時間は12時間くらいだったと思います。顔以外は割と工数がかからなかったですね。写真やゲーム画像など、人物の写実表現についてはだいぶ慣れてきた感はあります。ただこれが魅力的な絵なのかというと個人的には微妙かなと思っていて、どうイラスト調に崩せるかはセンスなのかなと思っています。
今は画力を上げるために模写を繰り返していますが、いつかオリジナリティのある、見てくれた人の記憶に残るような絵が描けるようになりたいです。
ご覧いただきありがとうございました。