米山隆一議員による「蓮舫議員の二重国籍問題(私見)」について(3)
からの続き。
米山議員の論考はこちら
米山議員の論考は読んでいて、台湾関係者の立場に寄り添って考える姿勢は感じます。
相手の土俵
ただ、「攻撃側」への反論・論破を主とするあまり、相手の土俵に不用意にのせられちゃっているんじゃないの?という懸念を覚えます。
仮に、論戦が、見かけ上、互角ないし、やや優勢になったとしても、相手の土俵に乗ることは、相手側の思う壺ではないでしょうか?
私が特に引っ掛かりを覚えた部分はこちら
「グラビアアイドル時代やキャスター時代」「二重国籍であるかのような発言や記録が残っていますが、当時日本経済が・・・」
これ、何か悪いことなのでしょうか?
米山議員も別に「悪いこと」とはストレートに書いているわけではない。それはわかる。ですが、米山議員に「イメージ戦略の一環だった」などと書かれると、
>「時代背景もあるし、酌むべき事情があるから許容範囲だよね」
みたいな、弁解的なニュアンスが生じてきてしまいませんか。
「当時日本経済が・・」ということは、たとえば今現在、一般人がそういう発言をしたとしたら、否定的にとらえられても仕方ないのでしょうか?
この件はそもそも、攻撃側が「過去に自分で『二重国籍』だと言っていたじゃないか」という揚げ足取りを仕掛けたものです。
しかし、当時の記事内容は一般人である蓮舫氏が
「自分はダブルルーツを活かした、物事の見方を大事にしたい」
という程のことを表現していたに過ぎない。
ここで登場する「二重国籍」の語が、
「日本の国籍法上の「外国の国籍を有する日本国民」の意味」
で持ち出されたはずが無い。
あまりにも馬鹿馬鹿しい「論点のすり替え」トリックです。
そのつまらない仕掛けにまんまと乗っかってしまうのは、下手をすれば、攻撃側の思惑への加担にもなりかねません。
王貞治さんのインタビュー
産経新聞の、2008年12月の王貞治さんのインタビューでは
「私は疑うことなく日本人」とタイトルをつけている。
でも、これで「王さんが自分の国籍法上の事実について嘘を言った」なんて話には、まさかならないでしょう?
「過去に自分で『二重国籍』だと言っていたじゃないか」という揚げ足取りは馬鹿馬鹿しい「論点のすり替え」トリックだとわかるはずです。