夏川椎菜 ライブツアー Pre-2nd アンコール3曲の思い
はじめまして,(はやと)@Litvyak_eil4と申します.夏川椎菜さんのオタクをしています.
今回は先日千秋楽を迎え無事終了したライブツアー,
「LAWSON presents 夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd」
に参加してきたので感想を書き留めておこうと思います.
僕は札幌,福岡,名古屋,羽田,大阪,お台場の全6箇所11公演すべてに参加しました.はじめは札幌福岡大阪のみチケットを持っていましたが,延期したこともいい方向に働き,結果的に全公演に参加することができました.武者修行だと始まったこのツアーの経過と結果を直に感じることができ,全通できて本当によかったなと思います.
予備知識
今回のライブツアーの情報をかんたんに残しておこうと思います.(プロットポイントのライブアーカイブページがPSから消えているので..)
参加したとか知ってるという人は飛ばしてください.
2020年12月19日の札幌公演を皮切りに2021年1月24日の羽田公演まで全5ヶ所9公演が予定されていました.しかし,covid-19の再流行に伴う緊急事態宣言に伴い,2021年01月9日愛知公演以降のすべての公演が延期が発表(※1).3月のYouTube生配信(※2)において,延期日程と追加公演が発表されるも,再度の緊急事態宣言発令に伴い再延期と振替日程が発表されました.(※3)
結果,2020年12月19日から2021年07月29日までというThe TrySail Odysseyを超える超大ツアーとなりました.
本ツアーのセットリストは3つありました.
色分けはMCのはいる区切りで,最終3曲はアンコールパートです.
札幌,福岡,羽田day1,大阪ではパターンAが,名古屋,羽田day2,大阪ではパターンBが,最終公演でパターンCが披露されました.
パターンBは延期後に考えたとMCで言っていたと思います.また,最終公演では開演前にDaisy Days,gravityが流され,実質の全曲ライブでした.
アンコールパートの個人的解釈
さて,早速ですがアンコールパートの話をしたいと思います.というのも,本編にあたる部分ははしゃぎすぎて記憶がないわけです.
先に注意ですが,僕はライブ後最初の5曲が何やったか覚えていないくらいライブ中の記憶がなく,メモ等もとっていないので脳内補正がかかっているかも知れません.ですが,感じたことはすべて事実なので一人のオタクが感じたことくらいのつもりでいてもらえると嬉しいです.
まず札幌公演で聴いたときこのセトリな理由がよくわかりませんでした.はじまりは夏川椎菜さんが魅せ,ライブの始まりを実感させるような怒涛の5曲から,一緒に踊りクラップして楽しむパート,聴かせるパート,最大限ぶち上がるパートと解釈していますが,そのときにアンコールは何だっただろう?と感じました.
先に僕の答えを示しておきます.
「プロットポイントを経て,Pre-2ndに立つ夏川椎菜のストーリー」
端的に書くとこんな感じでしょうか?正解か,間違いかはわかりませんが僕が受け取ったものはこれでした.この答えにたどり着いた経緯を次に書こうとおもいます.
パレイドという曲は救いのない曲で,同時に救える曲だと思っています.これは夏川椎菜さんのブログにも書かれていたことですが,とても共感しています.以下,ブログの一部引用です.
パレイドは、救いはないけど、救える歌だなぁと思うようになりました!
箱を引っ張り出して来れたら、捨てるも、共存するも、また元の場所に戻すもその人次第なので、パレイドが直接解決に繋がるわけじゃありませんが、劣等感を隠してる全ての人に、寄り添えるような、そういう曲なのかなと、おもいます!
救える曲ではあるけど根本的には解決しているわけではない,この曲自体に救いは示されていないですよね.
パレイドを話したらファーストプロットを語らずにはいられませんし,語るべきだと思っています.ファーストプロットはパレイドのアンサーソングだとされることが多いです.実際それはそうだと思うし,パレイドの主人公に手を差し伸べているかのような印象を受けます.
正確にはまだ手を差し伸べられてはいないでしょうか.でも自分の経た経験を教えて道を示しているような印象です.
そんなわけで先にファーストプロットが披露されたなか,パレイド→ワルモノウィルの流れは完全に予想外でした.意味がわからなすぎた.
公演中,ファーストプロットが先に披露されたときもうパレイドを歌う意味がなくなったのかなと考えました.が,劣等感を持つ気持ちはいつだってあるだろうしプロットポイント大阪公演で「自分を大好きで同じくらい大嫌いでいたい.それが自分の成長につながる.」という言葉に,この考えは否定されました.
結局このときはわからないままでした.ただただ楽しい!と思いながら北海道を去ったことだけ覚えています.
時は進み,季節ももう夏となった2021年07月04日,福岡公演に参加しました.この日は比較的前方席で見ることができ,表情や歌い方がよくみれました.(札幌は2階席であったこと,パレイドが衝撃的すぎてそれどころではなくちゃんと見れなかったです)
パレイドを歌う夏川椎菜さんは僕の知っている姿とはまるで違う姿でした.
初めてパレイドを聴いたのはThe Travels of TrySail 新潟公演でした.客席を見るような感じはなく,ただただ自身の叫びのように歌うパレイドでした.
しかし,福岡公演(それ以降の公演も含め)はそれとは違う姿を感じました.
特に歌い始めはすごくやわらかい,笑顔のような表情をしていたと思います.また,客席を全体を見ながら歌うことが多いなあという印象です.これは僕の持っていたパレイドとはまるで違う,全く別のパレイドなのだろうか?と思った瞬間でした.
それがなんなのか,僕は一つの考えが出てきました.
「プロットポイントのあとを語る夏川椎菜のストーリー」
夏川椎菜というアーティストはこれまでたくさんの歌に思いを載せて発信してきました.プロットポイントというライブをはじめ,パレイド,ファーストプロットはまさにそう感じられると思います.
本編では魅せる,一緒に創る,聴かせる,悔しい楽しいをぶつけあう,そんな夏川椎菜さんが次に見せたいのは自身の思いやストーリーなんじゃないか?
さて,結論はこんなところですがさすがに根拠がなさすぎるのでもうちょっと述べようと思います.
今回はパターンAのセットリストについてです.パターンAでは,パレイド→ワルモノウィル→クラクトリトルプライドというようなアンコールです.
ゆらゆら 空は沈む 真っ白な雲はどこへ行く ふわふわ 過去を超えて 僕はどこまで行けるかな
パレイドの最初の歌詞です.配信を見た方ならわかるかと思いますが非常にやさしいやわらかい表情で歌われています.「僕はどこまで行けるかな」,プロットポイントを終えた彼女の次への期待を感じさせるようでした.
きらきら 見つめていた 背伸びで届いた夢の世界
プロットポイントは彼女がたくさん口出しをして,思いのままに作り上げたライブです.ソロデビューしたくない,自分の好きな歌がわからないといっていた彼女が背伸びして歌いたい歌をお願いし自らも作詞し,さらに背伸びしてプロットポイントを作り上げる,まさに「背伸びで届いた夢の世界」がプロットポイントを経た夏川椎菜さんが見ていた世界だと思います.
イヤと言えるほど強くなくて なくしていくよ 大事なもの 素敵なものを手に入れるけど 描いてた自分は もう どこにもいない
まさに2020年上半期の情勢を物語っているように感じてしまいます.ライブ(大事なもの)が次々と中止しなくしてしまい,ライブができるという当たり前がかけがえのないものだと改めて認識する(素敵なものを手に入れる).でも今の自分は思い描いていた自分じゃない.
僕自身,Agapanthusを始めライブが中止され,ライブができていたことの貴重さを感じた一方,思い描いていた2020年とはだいぶ変わったし,できなかったことも多い年でした.まさに歌詞のように.
ああ きれいな言葉とか 言えるほどの 自分じゃない
(*>△<)<クショがーーーーーー!!!
(*>△<)<クショがーーーーーー!!!
(*>△<)<クショがーーーーーー!!!
(”夏川のスーパーボール講座”,ナンス・アポン・ア・タイム!,夏川椎菜,2020-03-31)
不釣り合いの言葉を連れてパレイドは つづいてく
コロナだから仕方ないよね,そんな言葉で2020年はどんどん過ぎていった気がします.
ああ うまく笑えてたら 今の僕は こんなじゃない だから 身の丈に合わない きれいごとを くりかえしてる
思い描いていた違う未来を思ってしまうことはよくあったんじゃないでしょうか.それでも「仕方ない」,と大人が子供に言い聞かせるように繰り返していたかもな,なんて思う部分です.
ワルモノウィルに移ります.
ワルモノウィルって,こどもな一面をだして反抗的な曲だと思っています.いつまでいい子だった?とか,もうわるい子なの?とか.
溜まりに溜まった反抗心をぶつけてくる,うまく言葉にできていないですが,,なんというか爆発させてるなあって思うんですよね.本当に爆発させてるのはまさにアンチテーゼって感じですが,なんというか,密かに訴えているようなイメージです.ブログで(*>△<)<クショがーーーーーー!!!とか叫んでいたことに通じていそうです.
少し視点は変わりますが,ワルモノウィルについてインタビュー(※4)で次のように答えていました.
あと、このMVでいうと“ループ感”を大事にしたくて、最後のほうから最初に戻っているような構成になっているんです。「ワルモノウィル」の歌詞で伝えたいことって、何を言われても解決しないというか、何があっても解決しないこと、というか。一度これに気づいてしまったら絶対にもとには戻れない、それから先は誤魔化していくしかない、という内容になっているんです。だから、“解決しなかったです”というバッドエンド感を表現したくてループものにしました。
「何を言われても解決しない,何があっても解決しないこと」,仕方ないって言われても何も解決できていないわけで,結局は振り出しに戻ったのおなじですよね.「仕方ない」って嫌ほど聞いたし僕もそう言い聞かせていたけれど,何も解決はしていなかったのだと.ワルモノウィルってそういうことを伝えたかったのかなと解釈しました.
最後の曲,クラクトリトルプライド.
まさにこのライブのために作られた曲かのようです.最終公演はめちゃめちゃ楽しんでいたのに気づいたら涙してました.このライブとその次への道をまさに表現してきたなって思います.
歌詞にあるすべてが夏川椎菜という一人が挑戦してきた道だったり,かける姿勢だったりを歌っているみたいな.YouTube活動もこのライブもほか全ても.
ライブではクラクトリトルプライドを歌う前にMCがありました.ほぼ毎公演でクラクトリトルプライドの歌詞にあるフレーズを含めてお話をされていました.
あるときは熱く真っ赤になって汗だくだよーだったり次がいつかわかならない状況だけどーだったり,
最終公演では「またね」という言葉についてでした.
「またねって簡単に言えない世の中になったけれど,尊い言葉としてみんなに伝えるよ,またね!」
そして,最後捌けるときにも「またねー!」と残していきました.
実は札幌公演からわからなかったことがもうひとつあり,札幌公演でも「またねー」(か,それに似た言葉)を残して捌けていったと思います.
歌詞にはこんな部分があります.
次はわかんないし またねとか言えんからさ
いや,言うんかーいみたいな思いでした.またねって言えないんじゃないのか,と.だからこの「またねー」ってなんだったんだろうとわからなかったのです.
そして最終公演にてその真意を直接聞くことができました.またね,ってかんたんにいえないだけで言うことはできる,ヒヨコ群が集まれる場所を準備して待っている,と.
先の公演では,ヒヨコ群は私がライブするよ!と言ったら行くよ!って人が多いと思う,とも仰っていました.すごい信頼されてるなって.かんたんには言えなくなったまたねだけどヒヨコ群には自信を持って言える,そんな思いが伝わってくるような気がしました.
ファーストプロットはアルバム「ログライン」までの夏川椎菜という一人の集大成でした.その歌詞の最後は
君の歌もいつか歌えますように
クラクトリトルプライドも,プロットポイント後の夏川椎菜をまとめる集大成だと思っています.そんな曲の最後の歌詞は
それじゃ,受け取って
この曲を通して,このライブを通してまさに受け取れたなって思います.そしてこのフレーズの変化が夏川椎菜という一人のストーリー,変化を示しているのだと僕は思います.
「プロットポイントを経て,Pre-2ndに立つ夏川椎菜のストーリー」
またねーと去った彼女の次のストーリーはどうなるのか,これからも見届けていきたいなと強く思いました.
※1:”LAWSON presents 夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd 開催延期のお知らせ”,2021-01-07
※2:”4.17万人行けたらいいな生配信”,2021-03-09
※3:"LAWSON presents 夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd 開催延期のお知らせ",2021-04-28
※4:”夏川椎菜さんのこだわりが詰まった『Ep01』インタビュー――ファミ通TUBEで始まったゲーム実況についても語り尽くす(1/2)”,2019-11-08
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?