思い立ったが吉日
今週は火水木とアルバイトがなかった。まあ、バイトはなかったものの連日大学へは通っていた。
3月末ぐらいからずっと"悩み"とか”ストレス”みたいなものが溜まりまくっていて、それが大学の始業とそれに伴う人との関わりの増加で限界突破しそうであった。それに関しては都度都度noteに書き殴っているので、改めて書くのはやめておく。
そしてここ数日はラジオを聴く気力すら浮かばなくなったりして、外食をしたりお金を無理やり使ったりしてそれを紛らわそうとしたがミジンコほどの効果もなかった。
昨日(2022.4.18(木))、その日の講義を午前中に終わらせて暇になった。なんと炊くもやもやして、贅沢にマクドナルドをデリバリーしてやった。チキンタツタのセット(ポテトはS、ドリンクはコカコーラZEROのM)とチキンマックナゲット。天気も良く昼飯時から外れた時間帯ということもあり、すんなり届いた。それでも紛れず、別にまだ使い切っていないけどど柔軟剤を買いにホームセンターへ行った。その後は適当にYouTubeを見ていた。そろそろ夕方だなという頃、noteに何か書こうとパソコンを開いた。僕のパソコンのデスクトップ画像は東京の空撮夜景のフリー素材を使っている。
その場で東京の天気を調べると、晴れ。翌日の天気予報に目をやると雨。
僕は金土でバイトのシフトが入っていて、金曜からはゴールデンウィークが始まる。
スカイツリーのチケットの値段を調べると、18時以降の入場が安くなる夜割プランを見つけ、4/28(木)がその最終日だった。通常の当日券と比べ、1000円ほど安くなっている。
これは行くしかない。350mにある展望デッキへの最終入場が20:00。そのさらに上、450mにある天空回廊の最終入場が20:30。東京スカイツリー自体の営業終了時刻は21:00。今からならギリ間に合う。
急いで準備を始めた。夜に散歩をしても寒くないくらいの服装、財布、モバイルバッテリー、スマホ、ワイヤレスイヤホン。
「このままだと走らないと電車に間に合わないかも」くらいのシビアな時間に家を出た。
電車で「フワちゃんのオールナイトニッポン0」をタイムフリーしていたが、駅に着くたびにカスフリーWi-Fiを受信し、駅を離れるたびに再生が停止された。Wi-Fiの接続を大元から切ってもなぜかそれが治らなかったので、音楽を聴くことにした。
「こんなに時間かかるっけ?」と途中で疑問に思った。初めにルート検索した時に見た所要時間をその時すでに超えていた。電車の乗り換えをした時に各駅停車に乗っていたらしい。そこから一生懸命同じ路線の「快速」の停車駅を調べ、その駅で一旦下車して後からくる快速を待った。だが、それをするのが遅すぎたため、最初に乗っていた各駅停車の電車の到着時間の5分後くらいに快速の電車は到着した。スカイツリーの最寄駅についたのが19:45くらい。もし俺が15分でスカイツリーのエントランスまで行けなかったら、時間と金の無駄すぎる。電車の中で「スカイツリー 行き方」で検索して見つけたサイトを沸き目に、若干早歩きで向かう。
結果、5分くらいでスカイツリーに到着した。全然時間は余裕だった。
あらかじめチケットは購入済みであるため、スマホに送られてきているQRコードを読み取らせてチケットを発行。順路に沿って行くと350mの展望デッキへ繋がるエレベーターへ案内された。
僕が一人でエレベーターを待っている間に、後ろに何組か来た。男女の2人組、女子二人組、家族連れ。そこに、独りで全身黒色の服を着た手ぶらの俺。完全に浮いていた。
エレベーターが到着すると、アトラクション的なアナウンスを係の方がしてくださる。エレベーターそれぞれに四季のテーマがあるらしく、今から乗るのが「秋」ということを言っていた。
僕が先頭に立ってたため、エレベーターの一番奥へ行き、ドアの方へ振り返る。自分以外の人たちには「連れがいる」という事実が重くのしかかった。
エレベーターが上昇し始めると、「耳キーンってする」「耳痛かった唾飲みな」なんて”会話”が聞こえてくる。自分以外の人たちには「連れがいる」という事実が重くのしかかった。「独りだと、思ったことを口に出すことはないんだな」と当たり前のことを思った。「#248 一人で行きたい」に、「一人なら、他人の目を気にせずにうまい"とか"すごい"が言えるのにな」みたいなことを書いたのですが、一人だったらそんなこと口に出すわけがなかった。350mの展望デッキにつき、とりあえず今目の前の景色を拝みたいと思い、空いてるところへ向かった。でもそれが完全に同じエレベーターに乗っていた女子二人組と被って隣同士になってしまい居心地が悪かった。とりあえず一周ぐるっと夜景を見ようとしたのですが、カップルが所狭しと並べらていた。人一人ならいれるくらいの隙間はたまにあるが、そこに入り込む勇気なぞなかった。
街路樹みたいに面白みもなくただ並んだカップルたちを見て、「この人たちは俺と違って、人として存在することに需要がある人たちなんだなぁ」と思った。
スカイツリーの展望デッキをちょうど一周したところで、先ほどの女子二人組を見かけた。「今からスカイツリー行かね?」と気軽に言えて、遠慮なく断れる雰囲気もちゃんとあるくらいの関係の友達がいればなぁ、とそこでなんとなく感じた。
結局、3周くらい展望デッキをしたが、その中で3人くらい独りの方を見かけた。
時間が経つにつれ人も減り、好きな場所で気兼ねなく夜景を見れて写真を撮れるくらいになった。無意識的に僕は東京タワーばかり見ていたように思う。写真に撮ると覇気がなくなるが、肉眼であれば十分なくらい覇気を感じられた。無駄に200円払って、望遠カメラを使ってみたりもした。横にバカでかいモニターが置かれていて、僕が操作する画面を後ろの人が見れるようになっていた。残り時間30秒くらいのところで視線を感じ、一瞬後ろを見ると一組のカップルがそのバカでかモニターを見ていた。居た堪れない残り時間30秒。「お前らさっさといなくなれや」とカップルに願うまま、僕は東京タワーをアップにし続けた。
350mの展望デッキからさらにエレベーターで100m上がった先にある展望回廊。こちらの最終入場は20:30ということでしたが、まあ余裕を持って20:15くらいにはエレベーター待ちの列に並びました。僕の前にカップルが二組、後ろに一組の家族連れ。こちらのエレベーターは天井が一部ガラス張りになっており、エレベーターの構図が見えるようになっている。家族連れの小学校低学年くらいの男の子が、天井をキラキラした目で見つめている。もうずっと見つめていた。こんな無邪気な頃が俺にもあったんだろうか。エレベーターの速さに純粋に対して純粋に驚くなんてことを、俺はしていただろうか。
天空回廊に着く。景色の見やすさでいうと下の展望デッキの方がいいのだが、”浮世離れ感”が増してこれはこれでよかった。見ようと思えば下の「展望デッキ」を視界に入れることができ、上昇した”100m”というものを感じ取れた。下の展望デッキでは、見下ろした時の「シムシティ」感が強かったが、天空回廊はもうそれどころではなかった。現実感はなかった。
先ほどの閑散とした展望デッキとは違い、天空回廊は人が多かった。他人の会話がとにかく邪魔だったので、イヤホンをしてシンプルにノイズキャンセリングを発動させた。一箇所、写真撮影ができる煌々と光る床と壁に囲まれた空間があった。「こんな写真、スカイツリーで撮ることに全く意味がねぇだろ」とか思ってしまったが、それは俺が独りだったからだろう。思い出なり写真を共有する相手がいなければ、観光中に撮る写真の8割は不要である。
天空回廊は二周くらいして、普通に下に降りることにした。
展望デッキへ降りるエレベーターでは、男女のカップル、夫婦、そしてクソうるせぇ男2女4の若者グループと一緒だった。「感染症対策のためエレベーター内での会話はご遠慮ください」と5秒前に言われたばっかりだぞ。会話を控えるよう言った職員さんが再度同じことを言ったが、それでも黙らない奴ら。こいつらが喋り続けるから職員さんがエレベーターの扉を閉めてくれない。そのうちの女性一人が「シーー」と注意し、バカ共が静かになった。エレベーターが動き出してすぐ、一番うるさかった男が「お前ら静かにしろよ「俺は静かにしてたけどな」とまた口を開き出した。この世で一番しょうもない奴というのを目の当たりにしたようで、大変気分がよかった。さっきの純粋無垢な男の子を見習え、アホ。
展望デッキへ戻り、改めてもう一周景色を楽しんだ。実は展望デッキは三層になっていて、降りる時に345mの層と340mの層に行くことになる。夜帯であったためほぼおまけみたいなものではあったが、いくつかの小さなソファとガラス床があった。
エスカレーターで降りた先に配置されていたソファにカップルが座っていた。正直、人間があんなに深くハグをしているところをAVとドラマ以外で久しぶりに見た。多分、高3の文化祭以来だと思う。「意識的に自分が人間とハグしたのは高3の文化祭終わりの教室だなぁ」という謎の記憶も蘇ってきた。「釜飯が作った前夜祭の動画最高だったし、もう全部上手くいってよかった」と泣きながら友達に抱きつかれた。「俺が見る限り、お前が一番学校の廊下を走り回って仕事してたぞ」という思いを込めて、僕も抱きつき返した。
俺みたいに独りじゃなくて連れがいる人は、みんなガラス床でヒェーッと盛り上がっていた。
「記念に写真どうですか」と聞いてくる職員さんを無視し、最後のエレベーターへ。時刻はまだ20:40くらいであったが、もう十分楽しんだ。
東京ソラマチを後にした。遠巻きでスカイツリーの写真を一枚取っておきたいと思い検索すると、「十間橋」という名前の橋がヒットした。ソラマチから水路沿いに暗い道を歩いた。途中で「西十間橋」という橋を発見し、試しにそこで写真を撮ってみて僕は満足し、浅草の雷門へ向けて歩いた。
歩いている途中、定食屋をたくさん見かけた。何度も入ろうか迷ったが、終電のこともあってゆっくりはできないなと思い何度も諦めた。苦渋の決断ではあった。
アサヒビール本社の横を通り過ぎ、橋を渡り切ったところで「TOKYO CRUSE」と書かれた建物を見つけた。そういえば家族で一度ここでクルーズ船に乗ったことを思い出した。そして、その待ち時間で浅草寺に行ったことも同時に思い出した。
浅草寺に着き、閑散とした仲見世商店街を歩いた。おみくじを引いて、ほのかに出る常香炉を頭にかけ、お賽銭をし、浅草寺を後にした。
最初に雷門に着いた時、人が多くてあまりいい写真が撮れなかったのでリベンジをしたかったのですが、再び行ったらそこでTikTokを撮ってる輩がいて、萎えて帰りました。(振り付けを確認してる様が、最高に滑稽でした。)
浅草駅に向かう途中でなんとなく「かんのん通り」に入ってみた。全身酒の匂いに包まれた人たちと何度かすれ違った。そういえば、こういう匂い好きだったなぁと小学生の頃を思い出した。地元の祭りでたくさんお酒を飲んで酒臭くなった親たちを、友達それぞれ介抱しながらつれて帰り、酔ってる勢いでコンビニでアイス買ってもらったりしていたのが懐かしい。
浅草周辺は蕎麦屋が特に目に入った。あの辺は石を投げれば定食屋・和食屋・蕎麦屋に当たると思う。
かんのん通りの入り口にコンビニがあったのだが、「深夜の公園でおにぎり食べたいな」という欲が急に湧いてきた。マップで「公園 近く」と検索してみるも、ちょうど良さそうなところがなく諦めた。
そこから長時間電車に揺られ自宅の最寄駅へ到着。駅構内のコンビニでおにぎりを買い、適当な公園で食べ、無事ミッションコンプリート。
「次に行くなら、山から見下ろす夜景だな」と今回スカイツリーに行って思った。圧倒的な高さではあるが、ガラスと柱が惜しいなと思ってしまった。
よし、今度は函館だな。このnoteを書きながら、なんとなくそう思った。
#267 思い立ったが吉日