雑談
もう、バイト先の人に聞いてみたいことも話したいこともない。天気の話も飽きるほどされたし、した。「今来てるの台風何号でしたっけぇ?」とか、今の雲行きとか、天気予報とか本当にどうでもいい。飽きた。
アルバイトの日は、毎回シフト表を見て誰がいるかチェックしてこの前何話したっけとか思い出して雑談で何を聞こうかとか考える時間が30分ぐらいある。どう返してくるかなとか考えて、なんとなく返しによって話題の転換を何パターンか想像して、じゃあどういう話題運びで話してをふるかも考えて、ようやくバイトに行ける。
だけど、最近は自分が聴きに徹っせる雑談の話題が本当に思い浮かばなくて困っている。
「雑談における質問は、総じて聞き返されたいこと」みたいな論調がある。でも自分は「夏休みどっか遊びに行きました?」に対して聞き返されても答えることがない。この質問の回答が「どこも行ってないです」だった場合、話は途切れる。その場合、質問者側はその話題を引き取って自分の話をするべきな気がする。それはもう話を振った側としての責任のようなものだと思う。でも自分にはそれがないし、あっても話すのは気が進まない。理由は単純で、自分の話をする時間は、この世の全ての人にとって無駄以外の何者でもないと自覚しているから。
なるべく「他人への興味」を装って雑談したい。趣味の話よりも俺は「地元に愛着とかありますか」とかが聞いてみたい。でもそれは雑談に求めることじゃないし、頭を使ってまで話す価値が自分にないのも理解している。上部の雑談のネタはもう使い果たしてしまったし飽きた。自分が興味ある「他人の思考回路」は雑談に向かないし、自分は良くても相手方にとっては楽しくはないと思う。それに自分がどう思うか」をその場で殺せる自信がないし、話したとしても自分が“まとも”でないことが容易に分かる。「それを話してどうしたいんですか」と詰められた時に返せる理由がない。
だからと言って雑談をやめる選択はできない。機嫌が悪いとか思われたくないし、話す人間を演じることを無理やり選んだからには、続けるしかない。
この前、話すことが無さすぎて「もう聞きたいことも話したいこともないです」と後輩に言っていた時、もう純粋に○にたいなと思った。後輩に「でもいいと思います。それでも何も話さないよりは全然マシですよ」と言われて、より逃げられなくなった。
#378 雑談