60fpsの記憶
高校からの友人と喋ると、どうしても高校生の時の思い出話になる時間がある。例に漏れず、後期試験終わりにお酒を飲んだ時もそうなった。その時、「記憶がどんどん美化されていくの、良くないね(笑)」という話になった。ただの苦い思い出はどんどん記憶から抜け落ちて、良い面だけ残り、そこだけどんどんビビットになっていく。多分4Kだし、多分60fps。そのうちVRになんじゃねぇかな。
朝井リョウさん原作の映画『少女は卒業しない』を観て、その想いがより強まりました。苦くない部分だけになる前のリアルタイムの記憶はあんな感じだったなと思い出しました。「何が自分にあれば自分もああいう記憶を刻めたんだろうか」と考えてしまう日々が、原作を読んだあの日から、そして映画を見た日からはそれが強まって、続いている。ただ、それでいいのやもしれない。
#340 60fpsの記憶