帰り道
一年半前のとある日、大学の講義の関係で20時過ぎまでキャンパスにいました。
グループワークで男子4女子3で作業をしていたのですが、流石に帰ろうということで建物を後にしました。
キャンパスを歩いていて、なんとなくみんながバス停に向かっていることがわかりました。
僕はバスを使うよりもそのまま歩いたほうが早く家に着くので、「いつここから抜け出すか」をずっと考えていました。
でも結局それを言い出すことができず、「遠回りだけどバスに乗って帰ろう」と心の中で決めました。
そのままバス停に向かって歩いていると、途中で一人の女子が「私歩きで帰るからここで、じゃあね」と言って抜けていきました。
本当に申し訳ないのですが、
「『歩きのほうが家まで近い』とか自分が言わなくて本当によかったぁあああ!」って思ってしまいました。
「『じゃあ、俺歩きだからここで』とか言わなくてよかったぁあああ!」って思ってしまいました。
「二人で歩いて帰ることにならなくて本当によかったぁあああ!」って思ってしまいました。
ギリ1回目はおざなりの会話で間をつなげますが、その後も一緒に帰る機会があった場合のことを考えるともう苦しみのほうが大きくなってきます。
まあとにかくこの瞬間、「グループワーク後に歩いて帰る」という選択肢が爆散し、バスで遠回りをして帰り続けることが確定しました。
後々、グループの人に「お前、家まで歩いたほうが早くね?」とバレてしまい、「なんでバス乗って帰ってんの?」と詰められたりしました。
そんで「終電逃したから家泊まらせてくれや」とこき使われる羽目にもなりました。
俺はどの段階でどの選択肢をミスったから、こうなってしまったんですかね。
#224 帰り道
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