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子どもがアナログに価値を見出した日

算数の授業中。


「1時間20分ってなんで、1と1/3時間なの?」


この感覚は、身につけるまではイメージし難いものらしい。


どうにか伝えようと、繰り返し丁寧な説明をし続けた時もある。しかし、この感覚がない子どもに説明を繰り返しても埒があかない。


そんな時、私は決まって次のように話す。


「教室の壁にある時計を見てごらんよ。」


意図がわからない子どもは、驚いた様子でただただ時計を見ている。素直に私の声に耳を傾けてくれる。


次はこうだ。


「アナログの時計って便利なんだよ。」


時計の種類によっては形状が異なるものもあると思うが、1〜12の数字が書かれている時計は、時間と分数を結びつけるのにもってこいのものである。


「わからなくなったら、時計の針が指している数字を使おうよ。」


今回の質問であれば、20分という捉えを、4/12と考えるということだ。


20分を指すのは4の時、もともと時計の針は一周まわると12まで進む。これをそのまま分数にして考えるということだ。


もちろん約分が必要な場合もあるが、小学校の問題に関しては、さほど難しい数処理にはならない。


例えば25分を考えると、時計の針は5。つまり5/12となる。


そうこうしているうちに、徐々に感覚的に時間を分数で捉えるようになっていく。


デジタル化が進む今でも、アナログが活躍する場面はなぜか嬉しい。また、それが子どもの役に立つとなるとさらに嬉しい。


日常の何気ないところに、学びがあるのは素敵なことである。

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