ねこのこと~プロローグ~
玄関の扉を開けると、リビングへと繋がる扉の向こうで、
おかえりと迎えてくれる顔は、もうそこにはない。
昨年、21年間共に過ごしたネコを看取った。
今でも私にとってとても大切でかけがえのない子。
1年経ったら、少しずつ思い出を整理していこう。
そう思ってNOTEという場を選んでみた。
最後の最後までこの子を撮り続けました。
たくさんの思い出を写真とともに整理していく中で、
何か形にできたらな、そんな風に思っています。
旅立ちの朝、撮った1枚とその日その時の気持ちを綴ったブログから。
この時のこの気持ちは大事にしたい。
そんなことを思って、、
プロローグはお別れから。
ここから始まる私と君の物語。
<旅立ちを、祝う>
21年を共に過ごした愛猫、ちょこ(通称:兄ちゃん)
深夜、手足を突っ張らせ、深い呼吸の後、声にならない声で「さようなら」と呟き、浅い呼吸を繰り返し、最後にまた深く呼吸をし静かに息を引き取りました。
突然逝ってしまったチビの時は、気持ちがついていかず冷たくなったその姿をみるたび1日中涙が溢れていましたが、
兄ちゃんは、笑顔で、よく頑張ったね。21年間ありがとうって。
いやこんなに冷たい人間だったけかな私、、
と思うほど涙が全然出てこない(笑)
淡々と、部屋の中に”モノ”という気配は残したくない、
と食器とかトイレとか愛用してたお布団とか片づけはじめていて、
自分でも驚いています。
癌にかかって治療はしないと決めたときから覚悟はしていたし、
1年という長いスパンがあったこと、
動けなくなってから4日間寄り添うことができたことで、
お互いに、もうここまででいいよね、と
きちんとお別れができたからかなと思います。
旅立ちの日の昼間、
日曜日からまったく動くことのできなくなっていたこの子が、
何度も起き上がっては冷たい場所へと移動しようとする姿をみて、
実は、あ、もうお別れだね、と思って、
泣きながらいっぱい話しかけていました。
「いっぱい、頑張ったね。」
それに反応してくれたのかな、
ふり絞るようなとても大きな声で「にゃ」と鳴いてくれて。
「まだ一緒にいたい、生きたい」だったかもしれないし、
「ありがとう」だったのかもしれないし。
言葉は通じないのでわかりません。
でも、もうお別れだね、
というのはお互いがたぶん感じた。
21年間、よく生きたね。頑張ったね。
一緒にいてくれてありがとう。
最後まで頑張る姿にたくさんのことを教えてもらったよ。
これでもう痛みも消えたね。
なんだかとても清々しいお別れで。
旅立ちを祝う。
今、まさにそういう心境です。
冷たくなった姿を見ても涙は出ないけど、
いただいたたくさんのお見送りの言葉を見ると涙が止まらなくて、
お返事ができずにいます(^^;
職場、仕事先の方、友達、、
たくさんの方々の励ましや、お言葉、、お気遣い。
そんなものに囲まれて、こうしてよいお別れができたこと、
ただただ心より感謝しています。
写真は、無理して起き上がっては場所を移動しようとする昨日の兄ちゃん。
抱っこして介護しようとしたら、手足突っ張ってキョヒられたので、
ならば最後まで頑張る姿、ちゃんと写真にとってあげないとねってひたすらカメラマン(笑)
一緒に過ごした最後の日々、
この子の生きることへのパワー、頑張っている姿を
撮りたい、残したい、、と
たくさんの写真を撮りました。
この子との毎日を大切にしようとカタチにした君と私の17年目から3年ちょっと。
あの時の思いを再び思い出しながら、
~結~として、再びまたカタチにできたらなと思います。
この1年、いやこの数週間に、この子と私の関係のすべてが詰まっていた。
楽しく過ごした20年間は序章だったのかもね、と。
そんな風に今思います。