二人暮らしの高齢両親と還暦ムスメ
人物紹介
父92歳。
脊髄小脳変性症による足の不自由と言語の不自由ありの車椅子生活。
要介護2。呂律は回らないがおしゃべり大好き明るいマイペースじいさん。
デイサービスでも人気者(らしい)
母87歳(もうすぐ88)。
腰椎狭窄症と変形性腰椎症により歩くのにやや不自由あり。
要支援2。心配性なわりに時に大胆。思い切りはよい。
いまだにGパンを履く若いつもりのおしゃればあさん。
娘(長女)、60歳。
夫婦二人暮らし。
ウェブの仕事に携わる。ほぼフルタイムに加え、在宅ワークもこなす。
親からもお墨付きのマイペースおばさん。
加齢性によるあれこれ、が出始め、ただいま慣らし中。
現在、マンション二人暮らし
5年くらい前、自宅を売り払い、現在高齢者二人のマンション生活。
引っ越しした当初は、身体の不自由はあるものの、行政サービスフル活用でなんとか二人だけで生活できていたけれど、母の腰の具合が悪化してきたことで、年々やはりそれだけでは難しくなってきて。
病院の付き添いの他、施設へのショートステイなど、こちらの都合は優先できないことも多く、さらに本人に決定権があり、決断能力があるのでと言っても連帯保証人の方も同席していただかないと、と言われ、仕事を休まざるを得ないことも増えてきた。
私幸い理解のある職場なので休みは取れないことはないが、時間給での契約なのでその分収入は減る。
妹は休みすら取れないというので、私がやらざるを得ない。
そんな状況が続き、私自身還暦を過ぎ、家庭の環境が変わったり、自分の家族も身体を少し壊したり、さらに自分の身体の不調も増えてきたこともあり、休みの日も両親のことに振り回される日々に少し疲れ果てていた。
話し合い
今後こういう状態が何年も続いたら、こちらも倒れるかもしれないし、生活が成り立たない。
母が昨年施術した腰の状態が良くならず、もう一度だけ腰の手術をどうしても受けたいというタイミングもあって、幸い、多少理解するのに時間がかかるけれど、まだ頭はしっかりしている。今のうちに親ときちんと向き合っておかないといけない。
そんなことを思い<これから先のこと>を両親に真正面から聞いてみた。
親の思い、娘の思い
実際のところ、現状で夫婦二人だけで生活できるための基準は、
・父が自力で車椅子とベッドの移動、トイレに行けるか
・母が自分のことをこなせるか
その二つだけ。
二人共自分たちの老いはきちんとわかっていて、
娘たちへの負担も考え、二つのことが難しくなったら、ホームに入所するつもりだけれど、それまではここで二人で好きなように自由に暮らせたらと思ってるという。そしてそれはいろんな状況、身体の状態からしてたぶんあと1~2年だと思ってる。
金銭的な負担はかけないし、できるかぎり自分たちでやる。
できないことも増えてきたけれど、そこは申し訳ないけど
あとちょっと手伝ってくれたら嬉しい。
そんな親の思いをちゃんと聞いたのは初めてで。
なぜホーム入所をギリギリまでしたくないのか、という理由も聞いた。
それはもうもっともなことで。私だってたぶんそう思うだろう。
親の思い。
だったら、それをできるかぎり見守るのが私のできること、かな。
まだもうちょっと私も頑張れるかな。
そう思った。
思えば、自分の親が年老いていくというのはやはりどこか認めたくないところがあってまだ大丈夫、と逃げていた気がする。
逆に親は親でちゃんと考えていたんだね、ということに申し訳なくもあり、
感謝でもあり。
おまけエピソード
母から1年遅れだけど、と還暦のお祝いをもらった(笑)
親からしてみたら、日ごろありがとうもあったのだと思う。
でも、この歳になって親からお祝いもらうってどうよ、と思ったけど、、
「まさか、還暦の娘の親になるなんてねー、思っても見なかったわ。歳とるわけだわぁ」
その言葉に、あぁそうか。娘が還暦を迎えて、自分がまだ元気でいることも嬉しくて、そのお祝いでもあるのだ、と思ったので、有難くいただいておくことにした(笑)
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