【ココロ】人をどうにかする前にまずは自分の見直しを - コーチング
経営相談をしていた方から「コーチング、今流行っていますよね。」と言われました。「へぇそうなんだ」と思いながらいろいろ検索してみると、確かに「コーチ」がたくさんいます。考えてみれば、私が初めてコーチング講座(アカデミー)に参加した2016年、その時だけで参加者が100名いました。そう思えば、コーチが増えるのは当たり前のことですね。
私も、コーチングという言葉は使っていませんが、親子向け、子ども(小中高)向け、指導者向けに「自信を持つ方法」「パフォーマンスをあげる方法」などの講座を行ったり、個別に話をしたりしています。
小中高生の場合、彼らの問題や悩みは「自分のこと」として目の前にあるので、「よし、やってみよう!」になることがほとんどです。
大人(保護者、指導者)の場合、問題が「自分のこと」より「子」「選手」にあり、「(自分ではない他人)をどうにかしたい」という思いが強いようです。そのため「よし、子どもたちにやらせてみよう!」となることがほとんどです。
「自分ではない誰か」をどうにかしようとすると失敗します
私も本を読み出したり、講座に参加し始めた頃、これまで謎だったことが解明されてとてもおもしろいと感じました。それと同時に「あの選手もこれをやったら良いに決まっている」「あの人はこの話をしよう」などと考えるようになりました。そうなればなるほど上手く行きません。
例えば「ゴール(目標)は高く設定する」とか「コンフォートゾーンを広げる必要がある」とか。本に書いてある通り、講座で話を聞いた通りのことなのに、なぜ上手くいかない。当たり前でした。私自身がゴール設定も、コンフォートゾーンを広げることも実践していなかったからです。
学びを進めていくうち(100冊以上の本 頻繁に講座に参加)に、自分自身の「思考」が変わっていくのがわかり、自分以外の誰かをどうにかしようなんて思いはなくなりました。自分が変化をし続けることで周囲は勝手に変わっていくし、悩みを抱いている人たちも実は気づいていない強さを持ち合わせていて解決する力を持っていることがわかりました。
大人向けに講座をすると「子どもたちに、選手たちに、あいつらに、これをさせよう」という思考になりがちです。そういうわけで私も経験済みなのでわかります。しかし、これはうまく行きません。なぜなら、ほとんどの場合「これをすればこうなるはずだ」という思いが裏に隠されているからです。だから期待通りに彼らが行動しないと「それは違う!それは間違っている!答えはこうだ!」と言ってしまいます。
相手が子どもなら、あなたの顔色を伺い、あなたの期待通りの答えしか言わなくなるでしょう。本当の気持ちは隠して。一見とてもあなたのことを理解し、とても良い子に見えますが、ただ単に自分の意見の言えない子です。
相手がそこそこ大人なら、あなたに反発するようになるでしょう。「自分で考えなさい」と言っておきながら「それは違う!」となれば、「だったら最初からこうしろと言えばいいじゃないか!」と。あなたを“自分の考えを押し付ける人“と認識するようになってしまいます。
それが本や講座、どんなものだったとしても、それをまずは自分に置き換えて考えてください。大切なのはそれができるようになること、ではなく、それをしようとする思考になることです。そうすれば、子どもや選手たちにどう接すればいいのかが自然にわかるようになります。
「それ」とか「これ」という指示代名詞には、“今あなたが自分以外の誰かにやらせてみようと思っていること“を当てはめて考えてください。
上手く回り出した人の話
数年前に、あるスポーツチームの子ども向けに「パフォーマンスを向上させるために自信をつける」といった内容の講座をしました。時間のある保護者の方々にも参加してもらいました。
その中に、ご自身のこと家族のこと全てがうまく回っておらず、悲観的になっている方(保護者)がいました。その講座から数ヶ月経ってから再度お会いした時に、別人のように若々しく元気になっていました。お話を聞いてみると、これまでは「今」を悲観していたのが、受講したときから未来を考えるようになったそうです。どんな未来がきて欲しいか、自分はどうなっていたいのか。すると、今できること、今何をすればいいのかがわかり行動を起こした。すると全てが良い方向に回り出したのだと。
それから数年、その方も相変わらずお元気です。
「あの講座、本当に良かったです。もっとたくさん行って欲しいです。きっとわたしみたいに助かる人がたくさんいると思いますよ。」と言われました。とても嬉しい言葉でした。
おしゃべりしていたら勝手に解決した話
フィジカルの指導中、ある中学生が何か問題を抱えていることに気づきました。そこで時間をとって話をしてみることにしました。中学生だったので保護者も同席。その子には話をしたくなければ何も話さなくていいことを先に伝えました。保護者の方がその子が抱えている問題を私に話し始めました。時系列で丁寧に話をしていると、いきなりハッとした表情になり「わたしだ!わたしが原因だ!」と言い出しました。その子に向かって「わたしだね。わたしだったね。ごめんね。」というと、その子は泣きそうな顔をしながら大きく頷きました。
もちろん、悪意を持って子に何かをしたわけではありません。心の底から子を思ってしていたことが、反対にその子を追い詰めていたことに全く気づかなかったのです。赤の他人の私が理解できるように丁寧に時系列で声に出して話をしたことで、その方の頭が整理されて、冷静に判断できるようになったのでしょう。
私はただ話を聞いているだけで、何かを言ったわけでもしたわけでもありません。
「脳」の仕組みがベースのコーチングを学び始めた理由
大学生の頃(留学時代)、体を微妙に悪くして受けていた治療薬の副作用によって躁鬱症状に悩まされたことがあります。初めは何が起こっているのか分からず、感情をコントロールできないことに戸惑っていましたが、副作用とわかってからは「これは私でない。薬のせいだ」と自分に言い続けていました。毎日が戦いでした。
そして考えるようになりました。「自分ってなんだろう?」そして心理学に興味を抱くようになります。大学院で心理学を学んでみようかなと思い、4年生の時に「さわり」のクラスをとってみるとひたすら統計。「心って統計学なの?」と少しがっかりしてしまい、心理学のおもしろい部分を知る前に挫折してしまいました。
それでも「“自分“とは何か」という疑問は解決しません。そしてなぜか、心の相談を受けることが多々ありました。その後も単発の講座は大変役にたつものばかりでしたが、今ひとつすっきりしませんでした。「自分とは何か」が相変わらず謎のままだったからです。
そして出会ったのが「脳」。脳の仕組みを知ることでやっと分かったのです。「自分とは何か」が!
フィジカルだけでは解決できないものがある。
メンタルだけでは解決できないものがある。
脳の仕組みを知ることで、フィジカルの知識とメンタルの知識をより生かすことができる。
「カラダとココロのメンテナンス」という「りとるジムのコンセプト」が生まれました。
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株式会社りとるジム
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