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【ココロ】トレーナーのイマジネーションの限界が選手の限界を決める

指導者のイマジネーション(想像力)の限界が生徒の能力の限界を作ります。

私がトレーニング指導をするとき、クライアントたちがこれから何にでもチャレンジできるような内容を提供します。

スポーツをしていない人でも高齢者でも、内容については妥協をしません。これは難しいことやハードな運動を指導することとは異なります。クライアント自身が己の体を理解し、コントロールできるように説明をしながら指導をします。そうすれば、新しく何かにチャレンジしようと思った時に、フィジカルの問題が壁にならずに済むからです。

今夏頃に引っ越しをします。長く利用いただいていた方々には大変申し訳なく思っていますが、この方々については実はあまり心配していません。なぜなら、みなさん自分の体をよくわかっているからです。痛みが出た時に原因を探り、対処を考えることができます。それでもどうしようもない時には、少し遠出をしてもらって私のところに来ていただければいいかなと思っています。もしくは、近くの誰かを頼ってもいいと思います。おそらく、自分たちがどれだけできているか気づいていないでしょうが、実際はその辺のトレーナーよりしっかりと対処できる力をすでに身につけているのです。
なぜならそういった指導をしてきたからです。

中学生チームに指導をするとき、私は彼らが世界トップレベルになれると信じて指導をします。彼らが世界トップレベルになるかどうか(なりたいかどうか)は彼ら次第なので、私の預かり知らぬところです。

でも、彼らが世界トップレベルに行くぞ!とそれを目指した時に、私が指導している内容が必ず役に立つこと。私が今指導している内容の延長上は、世界トップの人たちが行っているトレーニングであること。それが私のトレーナーとしての責任です。

もし、「彼らはまだ中学生だし、中学生のレベルで勝ち進めるくらいの内容でいいよね。ちょっと間違えているけどいいか。」と、レベルの低い思考で指導をしてしまうとどうなるか?彼らが世界トップレベルに行くぞ!となったときに、今していることが役に立ちません。その時すでにフィジカルが世界トップレベルからかけ離れていて諦めることになるか、もしくは改めてトレーニングをし直すことになります。

スポーツの監督・コーチも同じです。
目の前の試合を勝てばいいくらいの気持ちで指導していると、選手(生徒)はそれ以上のレベルにはなりません。

塾の先生が60点を目指した勉強の仕方を教えていたら、生徒はそれ以上の点数は獲れません。


優しすぎる人は、相手を「できない」と思い込み過ぎているのではないかと思います。「できないかもしれないから手伝ってあげよう」「知らないかも知れないから教えてあげよう」

親切でしょうか?優しさでしょうか?
これを続けていると相手は本当に「できない人」になります。もしくは自ら「手伝って」「教えて」と言えない人になります。

実際に、30歳を超えているのに自己判断ができない人はたくさん出会ってきました。
「どこに就職したらいいかわからないから、誰かに決めてほしい。」
「何をやりたいかわからないから、他人にアドバイスされたことをやっている。」
「自分で決めるいより、人に言われたことをやっている方が楽。」
最初はとても驚きましたが、みんな真剣です。ふざけているわけではありません。

おそらく周囲の人たちが全てやってあげたために、彼らは「考える」ことを学んでこなかったからです。これはとても不幸だと思います。


周囲にとにかく優しすぎる人たちは、それはそれで疲れると思います。
関わった人に対していつも「大丈夫かな」「これをしてあげた方がいいかな」と考えてしまい「でもやりすぎかな」「どうしようかな」と迷うからです。迷うのは当たり前です。他人の本当の気持ちは分かりません。

私は「任せておけばいいんだよ。助けを求められたら手伝ってあげればいいんだよ。」と言うのですが、
「冷たい人だ」とか「もし失敗したら可哀想だから」とか言われます。

私の基本は「彼らはできる。何かあれば相談してくる。」というスタンスなだけで、無視をしているわけではありません。また「いつでも相談してね」という気持ちは常に持っています。

中学生を指導するとき、私は予め選手たちに伝えておきます。
「私は基本怒りません。私の指導内容を“不要だ”と思ったら、“やらない”選択をしても全然構わない。“あの子には今これは必要ないんだな”“あの子はやらない選択をしたんだな”と私が判断したときは、何も言わないでそっとしておきます。途中で参加したくなったらそれはそれでOKです。その代わり、周りのお友達を巻き込まないでね。お友達はやりたいかも知れないし、やりたくないかも知れない。本音はわからないから。
でも、もし、私の指導に問題があって“やりたいけどわからない”という場合は質問をしてください。そうでないと、私は勘違いをして全く声をかけないことになってしまうから。」と。

すると、質問のある選手は声をかけてくれるし、私の顔をじっと見て何かを訴えくる子もいます。


「彼らはやればできる」を標準にして行動すると、私自身もとても楽になります。

最初にも書きましたが、できるようになるかはその人次第。私の預かり知らぬこと。
「彼らはやればできる」を標準にして指導をして、その時彼らができなかったとしても、やればできる人たちだからしっかり指導をすればいいだけの話です。


余談

ちょっと違う話なのですが。
以前、世界ランカーの選手が第一線を退いたに国内大会(国内最大の大会)に出場した時のこと。
準決勝で、当時日本ランク1位の選手と対戦して負けた時に話してくれた内容です。

試合が終わった直後に
「本多さん、相手は僕の想像を超えてきませんでしたよ😊」
詳しく聞いてみると、
僕が試合の準備をするとき、
①僕が現役の頃(第一線で競技をしていた頃)、その相手がどんなプレーをしていたかた思い出す
②あれから3年。どれだけの力をつけてきたかを想像する
③想定して対策を練って、練習をする
④相手が、僕の想像を超えたら僕は勝てない。僕の想像範囲内だったら今の僕でも勝てる可能性がある。

試合の結果は負けでしたが、相手の選手は彼の「想像(イマジネーション)」を超えてはこなかったそうです。だから技術で対応することはできた。
実際に大接戦でした。「もしかして、第一線を退いた選手が現在(当時)の日本ランク1位(世界ランク2位)に勝ってしまうのでは?」と会場がどよめくほどに。
敗因は体力不足。

最初は「負けたくせに何言ってんの?」と思いましたが、彼の話を聞いて彼がどれほどすごい選手かを改めて思い知らされました。


【バレエ】先生のイメジネーションの限界が生徒の限界を決める

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