もう、多分会うことのない人
社長と知り合うよりも10年ほど前に知り合った、五歳年下の男の人がいる。
仕事熱心で、なんとなくちょっと女の子っぽい雰囲気なのに、考え方が昭和をがっつり引きずっている不思議な感じの人。
イマドキの、ジェンダーレス男子、とまでは行かない。
その人とは過去いろいろあったような無かったようなとても微妙な関係だったのだけど、
しばらく(年単位で)音信不通だった。
連絡する用事も、理由も無かった。
去年
社長と知り合う8ヶ月ほど前
突然再会して、結婚したいと言われた。
意味がわからなかった。
夏くらいにまた会ったけど
やっぱりまたなんとなく音信不通になる。
でも、その結婚したいという言葉って案外重くて
前に付き合っていた人と結婚するって言いながら結局しなくて、
私はもう一人で生きていくと決めていたはずなのに
それが割と脆かった事に気付かされた。
たしかに、なんでそんな事軽々しく言うのだと一度は腹立たしく思ったけど、
もしかして私の早とちりで、実は(他の誰かとなら)結婚したいという意味だったのかもしれないのでそこはとりあえず置いておく。
でも、一人で生きていく覚悟がそんなにも脆かったと分かった数ヶ月後に
なぜか、(こちらも10年くらい前に知り合ったけど、2回くらいしか会ってないし、交流もなかった)おじさん…もはや知らないおじさんと言って過言ではない…から、食事に誘われるようになって、そこから2度ほど食事にお付き合いしたけど、
なんか話しづらくて、ちょっと私には難しかった。
そんな時に社長と知り合う事になって今に至るので、
その五歳年下の結婚したいと言っていた人にも、知らないおじさんにも
感謝している。
きっと、もう会うこともないかもしれないけど
その節はありがとう。元気でね。