小説を書きたい#4

好きな物と好きな物を掛け合わせるのはどうだろうか。

ドラえもん×スティーブン・キングのダークタワー

「ドラえもん のび太の暗黒塔(ダークタワー)到達記」

黒衣の男は砂漠の彼方へ逃げ去り、そのあとをのび太達が追っていた。

照りつける太陽。その熱が砂漠の空気をゆがめている。全ての物は砂になり、その砂を風が運び、その全てを死の下にまんべんなく横たえている。

一筋の足跡が見える。その足跡を追い大きな砂丘を越え、いつもの4人組が現れる。

ジャイアン「ハァハァ・・・どうだぁのび太?姿は見えるか?」

映画オープニング特有のキリッとしたのび太が答える。
「いや、足跡だけだ。」

スネ夫「えぇ〜?そりゃないよぉ、どれだけ追っても影さえも見えないなんて。きっともう追いつきやしないんだよ。ねぇ、もう諦めて帰ろうよ、ね?そうしよ?ジャイアン。」

ジャイアン「スネ夫の言う通りだぜ、のび太。男は引き際も肝心なんだぞ、もう引き返そう。」

しずか「でも、あとちょっとかもしれないわ。」

スネ夫「へ?なんで?」

しずか「だってここは砂漠でしょ?足跡が残っているって事は、ついさっきここを通った事よね。」

スネ夫「そっか!時間が経つと風に舞った砂が、足跡なんて埋めてしまう。でも、こんな風にまだ足跡が残ってるって事は、それほど遠くへは行ってないんじゃないって事だ。さすがは、しずかちゃん。って事は、近づいているんだよ、ジャイアン。」

ジャイアン「じゃあ、なんでこんなに何日間も追っているっていうのに、後ろ姿さえも見えないんだよ?」

スネ夫「え!?僕になんでって言われても…。その、なんでだろう?ねぇしずかちゃん?やっぱり追いつけないのかなぁ?」

しずか「う、うーん、そうねぇ。もしかしたら、向こうも私たちと同じくらいに急いで逃げているのかも知れないわね。」

ジャイアン「じゃあなにか?ずっと俺たちはずっとタヌキごっこしていて追いつけないって事かよ?冗談じゃないぜ!こんなのずっとはやってられないぞ、俺はもう一歩も動かないからな!」

スネ夫「ジャイア〜ン、それを言うならイタチごっこ。そんな子供みたいに。だいたい、引き返すとしてもこの広い砂漠を歩いていかなきゃならないんだよ?」

ジャイアン「う〜。何とか歩いて帰らなくてもいい方法を考えろ!」

スネ夫「そ、そんな無茶な〜。」

しずか「確かに、何か変よね。追っても追っても一向に追いつく事が出来ないなんて。どんなにタケコプターで高い所から見渡しても、足跡だけが見えるってのも、何かおかしい気がするわ。私たちよりも早い速度で、この砂漠を進んでいける人間なんているのかしら。それも、一切休憩もせずによ。」

一同「うーん」

のび太「は!そうか、わかったぞ!これは本当の足跡じゃない!あいつの魔法によって作られた幻覚なんだ!」

ジャイアン、スネ夫、しずか「えー!?」
ジャイアン「本当かよ、のび太!?」
スネ夫「また適当言っているんじゃないの!?」
しずか「どうしてわかるの、のび太さん!?」
のび太「しっ!静かに!」

のび太は腰に付けた銃のホルスターを開け、グリップを握る。
そして、目を閉じて集中する。

のび太の周りには砂漠とは別の静寂が訪れていた。研ぎ澄まされた感覚の中にあるかすかな気配。風に飛ばされる砂の粒。地面を這う風には湿り気一つもない。この風景を作る暴力的な熱。それは光に紛れた闇の魔法の痕跡。そこにあると認識して、手を伸ばし捕まえる瞬間には、もうそこからいなくなっている夏の蜃気楼。

のび太の頬を汗が一筋流れていく。

「いいかいのび太。目では無く、心で打つのだ。」
パパの声だ。

のび太「サンキャー・サイ」
のび太は誰にも聞こえないくらいの小声で、そうつぶやき目を見開いた。

のび太「そこだ!」
ズキューン!

放たれた弾丸は、一直線に目の前の虚空へと進み、そこにネズミの巣程の大きさの穴を開けた。それはまるで、砂漠に置いた鏡を打ち抜いたようでもあった。ガラガラと崩れ落ちる風景の破片。

ドラえもん「大当たり〜!!!」

すると、そこから黒衣をまとったドラえもんが紙吹雪をまき散らしながら現れた。

ドラえもん「ダークタワーステージ1 砂漠の追走 見事なクリアーです。おめでとうございます、ガンスリンガーのび太様。長き昼と、快適な夜を。」

のび太「や、ヤッター!あ!いけね、忘れてた。あなたにその倍があらんことを。」

ドラえもん「うふふ、では引き続きステージ2に進みますか?ガンスリンガーのび太様。」

のび太「もっちろん!今日中にクリアーしちゃうんだから!」

ギュルギュルギュル

のび太「・・・ってあれ?」

するとのび太以外の全てが急に逆再生を始めた。
ガチャガチャガチャ。
ドラえもんは消え、砂漠を後ろ向きに戻るのび太達。

そして、最初の砂丘の上まで戻ってきてしまう。

黒衣の男は砂漠の彼方へ逃げ去り、そのあとをのび太達が追っていた。

砂丘を越え、いつもの仲良し4人組が現れる。

ジャイアン「ハァハァ・・・どうだぁのび太?姿は見えるか?」

映画特有のキリッとしたのび太が答える。
「いいや、足跡だけだ。・・・ってあれ、一体どうなってんの、これ?また最初からになっちゃったぞ。おっかしいな、壊れちゃったのかなぁ?」

のび太の左側の腰元には、見慣れない角笛がさがっている。

のび太「ん?なんだこれ?角笛?さっきまでこんなの持ってたっけ?ま、いいかどうでも。じゃまくさい。」

そういってのび太はその角笛を、砂漠へと捨ててしまう。

のび太「全くドラえもんの道具はいつも安物だからなぁ。おーい、ドラえもん!これなんか変だよ!早く直してよぉ、聞こえないのー?続きがやりたいんだよぉー。」

のび太「おーい、ドラえもーん!」

カメラが引き、バードビューに大きな砂漠が見えてくる。
のび太のいる場所から遥か彼方に、大きくそびえる黒い塔が見える。


オープニング 曲スタート


というところまで考えた。

この後はダイジェストで。

運命と死が交錯する中間世界(ミッドワールド)に囚われてしまう仲間たち。やがて中間世界を構成する「ビーム」の謎に迫っていく。

のび太「じゃあ僕たちが、ビームを守らなきゃ!」
(よくあるカットイン)

だが、それを良しとしない物がいる。それこそが中間世界を支配する「深紅の王(クリムゾンキング)」だ。深紅の王の目的は、ダークタワーの倒壊である。

数知れぬ妨害に合うのび太達。ついに絶体絶命に陥った時、本物のガンスリンガーが現れる。その圧倒的な心の強さで敵を蹴散らしていくガンスリンガー。名前をローランド・デスチェイン。

彼の目的はダークタワーの修復であると言う。ものすごい強さで戦う彼だが、戦いながら明らかな消耗していく様をのび太達は心配する。

やがて彼は自分は最後のガンスリンガーであること、家族さらにかつての仲間たち、愛した人の話を教えてくれる。

その話を聞きながら涙ぐむのび太達。

そしてガンスリンガーはのび太達言う「俺たちはカ・テット(運命の仲間)である」と。だが、同時に言う「一度は倒した深紅の王だが、私はその時よりも歳をとってしまった。私と同じくらい、銃の扱いに長けたガンスリンガーはもういない。」

だが切り札がある。彼は、かつての仲間が持っていたあるアイテムこそが、この永遠の旅の終わりに導く物なのかもしれないと言う。

実はそれこそが、のび太が冒頭で砂漠に捨てしまった角笛である。角笛を探しに戻るかどうかの選択を迫られるのび太達。戻るという事はこれまでの旅程を全て逆にたどる事になる。命からがら切り抜けてきた、あの恐ろしい罠がまた仕掛けられているかも知れないのだ。

その後も幾たびも窮地に陥る仲間たち。ついにカ・テットはバラバラになってしまう。

だが諦めないのび太。

全ての真実を知ろうと、現実世界への扉を開きある場所を訪れる。その場所こそがトキワ壮だ。そこで出会う人物とは、もちろん、自称漫画家と名乗る風変わりな二人組、藤本弘・安孫子元雄その人である。

果たしてのび太達<カ・テット>は、ビームを守り、ダークタワーを修復し、クリムゾンキングを倒して、この物語を「終える」事が出来るのか。

そして誰が本当に「最後のガンスリンガー」になるのか。

全ては<カ>のみが知っている。

っつーのが、読みてぇんだわ。


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