見えざるルールと振り回される人
R.Birdです。
先日職場の上司と食事へ行く機会があり、
話していた内容が興味深かったのでちょっとメモ書き程度にnoteに書き残そうと思う。
先輩の仕事は装置を管理する仕事をしており、内容は
とある社員が装置を借りている間に装置内で彼の使っているところとは関係のないパーツで異常が発生した。そこで借用者から先輩へ故障したので直してほしいとの連絡が入った。ただそれだけのことだ。
ここで問題となったのはその内容の伝え方である。曰く、内容の伝え方が直接的すぎるのである。聞いているとどうにも、
「私は○○を使っていたが、別の××が故障した。もう使い終わったから、対応してくれ」と言われたらしい。これのなにが悪いのか、と私も聞いているときはわからなかったのだが
「どういう現象が起きたのですか」と先輩が聞いていも
「知らない、そこは私に関係のないところだ」
の一点張りだったそうだ。先輩はその態度に不満があったようだ。もちろん先輩もその故障に対して対応することが仕事であることは認識している。関係のない場所とはいえ、彼が使っている最中に故障が発生していることに関係のないの一点張り。加えて、”お願いします”の一言もないと、ぼやいていた。
両方の気持ちがわからないでもない。
その借用者の言っていることは何も間違っていない。ただ端的に事実を伝えた、それだけだ。だが、そのまま管轄外なのでしらないと言う対応もなんだか違うような気がする。先輩はこの状況を続けてこう言った。
きっとこの、、、日本人的なモラルがやっぱりわからないんだろうね、と。
借りていた社員はタイからの外国人社員であった。
彼とは、何度か一緒に仕事をしたことがあるし、プライベートで何回か食事もいったことがある。また日本語も達者だ。かれこれ日本に来て6年ほど経っているだけあって、日常会話は特に問題ない。
今回彼がやったことは管理側と借用側でやることがルールによって決まっており、このルールに乗っ取って行動をしただけである。だが私が思うに、そのルールとは別にローカルルールが存在する。(会社全体に存在しているかは不明だが)
そのローカルルールは日本人的なモラル、いわゆる日本人が子供のころから一般的に良いとされる行動や、在り方に基づいて存在している。例えばお世話になった人には、感謝しなさい的な話のことである。もちろんそれは当たり前のものとして、ルールのように明記されていない(書いてあったとしても、目につかない)。
そしてこのローカルルールは、会社や社員が数十年かけて積み上げてきたものがベースとなっており、日常会話ができるとはいえ彼にはわからない、わかりにくいことである。だからこそ、表面上のルール上ではうまくいっているが、見えないローカルルールから知らずのうちに外れてしまう。よって反感を買い、ゆくゆくは仕事のやりづらさへとつながるのではないかと思う。
よく考えてみれば、学生時代にも同じようなものがあった。それはいわゆる”ノリ”とか”空気”というやつだ。KY(空気読めない)なんて言葉も一時期流行っていた。(調べたところ2006年に流行った言葉らしい。)
各グループ内には”空気”というものが存在し、わかれば仲間、わからなければ反発的な対応を受けてしまう。また、これは生まれ育った場所に関係なく”ノリ”がわからない人はそこら中にいる。そして、彼らもまた見えないルールから外れたことをすると、いわゆるいじめられる対象へとつながってしまうのだろう。私としても、なんとも面倒なものだと感じていた。
話を戻すが、少なくともこの見えないルールが蔓延る職場は海外人社員や日本人的モラルがわからないものたちを受け入れられない体制であることは容易に想像できる。
私には会社が ”海外人戦力も必要だから、入れましょう。問題はそこからで洗い出しましょう” と何も考えておらず、ただの一社員をして会社に入れているように感じてならない。もちろん会社がグローバル化することによって、”生産コストが落とせる”、”それまでなかった新しい考え方の共有”など良い点も多数あるだろう。だが、多様性は求める割には彼らが動きやすい土台ができていなければ、そのメリットを本質的に受けることができないと思う。
ただ恥ずかしながら、私には今現在具体的な対策案が浮かんでいるわけではない。ただ人とのかかわりをシステムチックにするような、馴れ合い要素を少なくすることで、すべて解消はせずとも緩和していくような気がする。とにかく、そういったルールを壊す必要がある。
一応いっておくと、絶対に多様化するべきだ、とか思っているわけではない。別に日本人の道徳的なローカルルールが染み付いており、変える気がないのであれば、日本人を採用すればいいだけの話だ。コストをかけてまで、無理にグローバル化する必要もない。
ただそれでも多様性を求めるのであれば、この不明瞭な問題を解決しなければダイバーシティ的な会社は作り上げれられないのではないかと思ったのだ。
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