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焦心苦慮

献立

皆様おはようございます。
国立音楽大学 演奏・創作学科 声楽専修 3年生の内藤美桜です。
今回のnoteの執筆期間(7/12〜7/25)で好きだったメニューは7/13の「海老とキムチのロゼクリームパスタ」です。

この日は年に3回くらいあるスペシャルメニュー、サマーフェアでした。
パスタは大好きなので、私にとってラッキーメニューでした。ほんのり辛味のあるキムチがクリームに優しく包み込まれていて、まろやかな味でした。
たまには韓国風料理をガッツリ食べるのもいい気分転換になりますね。
美味しかったです。

進捗状況

作曲の先生と一緒にメロディーを楽譜として形にしています。本当はレコーディングまでに13曲を仕上げる予定でしたが、メロディーがしっくりこなくて一旦後回しにした3曲あったり、ピアニストに提出するまでに間に合わなかった2曲があり、今の段階で完成しているのは8曲です。
うまくできなかった曲が残っていますが、とりあえずできている曲だけでレコーディングをします。

悲しみ

作曲を進める中で様々な苦悩がありました。

1.自分でできない
まず一番はじめにあった悲しい現実は自分で全部できないことでした。

本当のことを言えば、Beforeは私がはじめに書いた楽譜、Afterはその楽譜をもとに先生が意図を汲んで書き加えてくださったものです。
つまりメロディーはできても、和音がわからなくて伴奏をつける作業はできなかったということです。

正直、和音をつけるのはそこまで難しくないだろうと軽く考えていました。学校で和声の授業を散々やってきたのでコード進行や配置、連結のルールなど基本的な知識があればできるものだと思っていました。

しかし、いざやろうとしてもペンが全く動きません。自分が考えたメロディーなのに、和声的骨組みがほとんどわからない。できない自分が惨めに感じました。

そしてBeforeの状態のまま先生に渡すと、ピアノで音を確認しながらスラスラと楽譜を書き上げて、わずか30分程でAfterになりました。

私はその姿を見て「先生、神!✨」と思う反面、とても悲しい感情が頭をよぎりました。
私にはできなかった。へっぽこすぎるのが悔しくて、落ち込んでいました。

そんな時に先生からいただいたメッセージは…

「はじめての作曲で、二ヶ月でこんなに何曲もつくろうとするなんて、ほんとうは無茶なことで、できなくて当たり前。メロディをこれだけ作れるんだから、じゅうぶん立派です。今回の場合は、ひとりで全部上手にやらなきゃとか、良い音楽にしようとか、完成度とか、そういうのをすべて振り切って、とにかく最後までやり切ることが一番大事です。だから、あきらめずに、内藤さんが今できる部分をやってね。できないところをサポートするために私がいます。」

作曲をやったことがない歌専攻の学生ができることにはやはり限界があります。作曲専攻の学生でもこんな短期間で複数の曲を一気に作るのは難しいことなのに、歌専攻の学生なら尚更できなくても仕方がない。それを受け入れられてないことに気づきました。
少し悲しみはあるけれど、やると決めた以上中途半端で終わりたくありません。そのために今できる精一杯をやろうと決意しました。

これはどちらも先生に見てもらう前の状態ですが、Beforeは落ち込んでいた時の楽譜、Afterはメッセージをいただいた後の楽譜です。
このように強弱やアーティキュレーションは自分で考えて楽譜に書けるようになりました。わかることだけでも積極的にやろうと思った結果です。

ネガティブな現実を受け入れるのは勇気がいることですが、その分ポジティブに物事をうまく進められるヒントになることに気づきました。

2.メロディーが思い浮かばない
いわゆるスランプ状態のようなことです。
今できる精一杯をやろうと決意してからそこそこ順調に進んでいたある日、どんなに頑張ってもどうしてもメロディーが浮かばなくなりました。
考えれば考えるほど頭が固くなっていく感覚です。ピアニストに楽譜を渡す日が近づいていることや、作曲の先生にも迷惑がかかるのではないかと思ってしまい、焦るばかりで全然進まない。精神的に追い込まれて、五線譜を見るだけで涙が出る。そんな弱い自分が嫌すぎて余計に悲しくなる…。負の連鎖に陥りました。

私は幼少期から今まで様々な習い事をしてきて、どのレッスンでも必然的にうまくいかない時期があり、乗り越えるのにかなり苦労した経験はたくさんあるのでこの2ヶ月の挑戦でもいつかは壁にぶつかる時が来るだろうと予想していました。でもまさか、こんなに早いタイミングで来るとは思っていませんでした。

結局このままではいけないと思い作曲の先生に正直に現状を話しました。ギリギリまで待ってくださることになり、その後は少し安心して1曲は完成し、残った曲は8月のレコーディングにまわすことになりました。

はじめて経験した作曲の壁。先生からこんなメッセージが届きました。

「何も思いつかないつらさも、時間に追い詰められ、焦れば焦るほどどうにもならなくて、パニックに陥ってしまう状況も、人一倍わかっているつもりです。それよりも、どうにもならないときは、なるべく早めに次の手を考えることが大事なので、困ったときには相談してね。」

正直、もっと早く相談すればよかったと思いました。負の連鎖に陥ることなく進められたかもしれない。本当に苦しくて自分の力ではどうにもならない状況なのに、すぐ人に頼ることができませんでした。

よく言えば「我慢強い」かもしれないですが、過剰に自分を追い詰めて苦しくなるのはよくないことですよね。
相談する勇気を持つことが大事だと思いました。

3.提出が遅かった
完成した曲をピアニストに渡すと思いがけない事態が生じました。
「対旋律が多かったり、ピアノ的に弾きづらい部分があったりして、苦戦します。」
収録の延期ができないかとご相談をいただきました。しかしレコーディングスタッフの都合やスタジオの貸出状況などの問題で延期はできません。

楽譜を簡単にして弾きやすくするのが手っ取り早いと思い、作曲の先生に収録予定の曲の改訂版を作ってもらいました。

先生曰く、「弾けないことは書いていないはずなので、たぶん単純に練習時間が足りないからだと思うのね。」
確かにそうだなと思います。落ち込んでいたり、メロディーがうかばなかったりと思うように進まなくてギリギリまで曲作りをしていたので、その分提出が遅くなったのは本当です。

結局自分のせいだ…。そう思って「ごめんなさい」と伝えた時に先生からいただいたメッセージは、

「自分が作るのが遅かったからこうなったと、悲観しちゃだめよ。音楽の現場ではよくあること… いつでも一番大事なのは、そのときできる最善の答えを出すことです。」

マイナスなことばかり考えている場合ではないと思いました。私は物事がうまくできなかった時にすぐ落ち込んでしまうところがあるので、できなくてもポジティブに受け止めて乗り越えられるようになりたいと思いました。
先生のお言葉は本当に深いです。

内省

長くなりましたが、ここまで焦心苦慮した日々を紹介しました。これまでの出来事を振り返って私が感じた課題は「強くなること」です。
なんでもネガティブに考えてしまいがちだったり、うまくできないとすぐに落ち込んでなかなか立ち直れなかったりする自分とよく向き合い、少しずつ強くなろうと思いました。
作曲を進めながら、この課題も同時にクリアしたいです。9/18の本大会ではポジティブパワー溢れるキラキラした姿を皆様にお届けできるよう、これからも全身全霊で挑戦に励みます。

今回はこの辺で終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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